7/29(日)論文の読み方入門セミナー

#101 「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」に対して過剰に反応しすぎていませんか?

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、いきなり本題に入りますが、「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」について、昨年はいくつかブログ記事を書きました。

 

 

過剰に反応しすぎちゃイヤン

こういったブログを書きながら「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」について自分なりに色々考えたり、他の人がこのトピックについて書いたり話したりしているのを読んだり聞いたりして、色々と思うところがあります。

どういう事かというと、考え方の方向性は間違っていないけど、この考え方の適用の仕方があまり極端になってしまうと危険だな〜という事です。

例えば「エビデンスがないトレーニング=間違ったトレーニング」という考え方は極端だしよろしくないと思います。また、あるトレーニング方法の有効性を支持する研究論文が1本あるからといって、そのトレーニング方法が絶対だとも思いません。

だから最近は「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」という言葉を口に出すのをためらっている自分がいます。

 

ファンクショナルの過ちを繰り返すな!

この状況はなんだか「ファンクショナルトレーニング」に似ている気がします。

ファンクショナル(functional)という英語はただ単純に「機能的な」という意味があるだけなのですが、一部の人のせいでファンクショナルトレーニングと言えば下の写真みたいなトレーニングを指しているような風潮が蔓延している気がします。

Personal trainer showing a client how to exercise the right way and educating them along the way

でも実際のところは、高重量のバーベルスクワットをする事でトレーニングの目的を達成する事ができるのであれば、バーベルスクワットはファンクショナルトレーニングなのです。

どのようなトレーニングやエクササイズがファンクショナルなのかは目的によって異なりますし、見た目じゃなくてその目的を達成する事ができるかどうかで判断されるべきです。

だから「ファンクショナルトレーニング」という言葉自体には何の罪もないはずなのですが、なんとなく「ファンクショナルトレーニング」という言葉を口に出すのをためらってしまう状況があります。

 

Over-reaction vs. Under-reaction という考え方

という事で、結局私が何を言いたいのかはAlwyn Cosgroveという人の下の言葉が全てを表していると思います:

Image002 “There is an over-reaction to most new concepts in the short term, yet an under-reaction in the long term.”  – Alwyn Cosgrove

ようするに、新しい考え方に対して短期的には過剰反応が起きて、長期的には反応が無くなってしまう傾向があるという事です。

「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」という新しいトピックに対して、今は過剰に反応している段階だと思うのです。でも、多分一番適切なのは過剰に反応しすぎずに、かといって無反応というわけでもなく、冷静にその考え方を取り入れるという事だと思うのです。

振り子に例えると、左に振れすぎる(過剰反応)のも右に振れすぎる(反応しなさすぎ)のも良くなくて、揺れがおさまって真ん中に振り子が落ち着くくらいが丁度良いという感じでしょうか。

ファンクショナルトレーニングについては、過剰反応の段階はだいぶ過ぎてきて、振り子の揺れが小さくなってきた頃かな〜という感触があります(日本ではそうでもないか・・・)。

 

まとめ

なんだか曖昧な説明ばかりでわかりづらい文章になりましたが、私の文章力はこんなもんです。

「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」は良い考え方だと思いますが、過剰反応が起きていると思われる今の段階では、私はこの言葉をあまり口にしようと思いません。勘違いされたくないので。

代わりに「Data-driven decision making」なる言葉を使おうと思います。むりやり日本語に訳すと「データ主導の意思決定」とでも言えるのでしょうか。

ある課題(例:エクササイズ選択とかセットxレップ数の決定等)に関して、色々なデータを集めた上で、最終的には自分の主観で意思決定をするという事です。データは客観的なものかもしれませんが、それに基づいて判断を下すのは主観的な作業であるという点を強調している表現です。

現状、「エビデンスに基づいたトレーニング(指導)」という言葉には「研究でこういうデータがあるからこの場合はこのエクササイズを◯セット✕◯レップやるのが正しいのです!!それ以外は間違いです!!」みたいな感じでエビデンスを基に正しいトレーニング方法が自動的に決まってしまうような無機質な印象を受けるので、しばらくは積極的に使うのは控えようかなと思います。振り子の揺れが小さくなってきたらまた使い始めようかな〜。

 

 

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