#25 【エクササイズつれづれ】フロントプランク(コアスタビリティ)

公開日: : 最終更新日:2015/11/10 エクササイズ , , ,


 

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エクササイズのやり方(またはコーチングの仕方)に関するブログもぼちぼち書いていこうと思います。ここで紹介するのは、現時点での私のやり方です。もっと良い方法があるかもしれませんし、数ヶ月後には私自身のやり方が変化(というより進化)している可能性も大いにあります。

 

 

フロントプランク

フロントプランクというエクササイズはanterior core(またはanti-extension)のカテゴリーに分類されるコアスタビリティエクササイズです(コアスタビリティエクササイズの分類についてはこちら)。その中でも初級レベルに位置づけされる基本中の基本エクササイズであり、まずはこの基本動作をマスターしないと、同じカテゴリー内で難易度の高いエクササイズを正しいフォームで実施することなんて不可能です。

かの桜木花道もスラムダンクを試合で決められるようになる前には、基本中の基本のレイアップシュート(通称庶民シュート)の猛特訓から始めたものです(晴子さんとの秘密の早朝練習において初めて庶民シュートを成功させたのは記憶に新しいところです)。つまり、バスケにおける庶民シュートが、anterior coreのスタビリティエクササイズにおけるフロントプランクという事なんです。

 

 

重要ポイント

さて、このfront plankにおいて重要なポイントは以下の3点が一直線上に並んでいるという事です。

  • 頭の後ろ
  • 上背部
  • お尻

このポイントが正しく実行できているかどうかを確認するには、ほうきの柄のような長めの棒(PVCパイプと呼ばれるポリ塩化ビニールの棒等でも可)をアスリートの背中に乗せて、上記3点が棒とコンタクトしているかどうかをチェックするのが良いと思います。

「フォームポリス」というあだ名を頂戴している私も、よくアスリートの背中に棒を乗っけて指導をしています。気分は桜木花道をシゴイているゴリこと赤木キャプテンです(ただし私の見た目はゴリラっぽくありませんし、「オラオラこんな事くらい天才さんには簡単だろ〜」と皮肉を言いながら竹刀で叩く事もありません)。

 

 

コーチングポイント

さて、基本的には上記のポイントが実施できていれば、99%の確率でfront plankも正しいフォームで実施できているはずですが、実際には「頭の後ろと上背部とお尻の3点がこの棒にくっつくように!!」という指示だけをアスリートに与えても、うまく行く事はほとんどありません。

あくまでも上記3点が一直線に並ぶようにするのはゴールであり、そのゴールにアスリートを導くために有効なコーチングポイントがいくつかあるのでご紹介します。

 

①骨盤を後傾させて脊柱をニュートラルにする

アスリートにフロントプランクの姿勢をさせると、かなりの確率で骨盤が前傾します。それと同時にお尻が下がったりもします。そこで、骨盤を後傾させるように指導する事によって骨盤をニュートラルな状態に持っていく必要があります。

フロントプランク状態のアスリートの上にまたがって、骨盤をつかんで後傾させてあげながら少し持ち上げると良いでしょう。この時、お尻(大臀筋)に力を入れるように指導しましょう。お尻に力を入れるのが苦手なアスリート(結構いる)に対しては、「お尻で割り箸を割るイメージで」とか「お尻の穴でクルミを割るイメージで」と伝えてあげましょう(参考記事)。

お尻にしっかりと力が入っているかどうかを確かめるには、人差し指でお尻(穴ではなくてお肉の部分)をツンツンとつついてあげるのが良いでしょう(アラレちゃんがうんちをつつくように)。お尻に力が入っていないと柔らかく、力がしっかり入っていたら固くなっているのが分かります。

また、お尻と同時にお腹にも力を入れるように指示しましょう。お腹を手のひらでパンパンと叩きながら「ここも固めて!!」と言ってあげると良いでしょう。ちなみに、骨盤を後傾させすぎるのはダメです。

 

②大腿四頭筋に力を入れる

上記①のコーチングによって骨盤をニュートラルにさせて、お尻が下がるのをある程度防ぐ事ができます。しかし、膝が曲がってお尻が下がるという事もあるので、これを防ぐために、大腿四頭筋をパンパンと叩きながら「ここにも力を入れて!!」と言ってあげましょう。膝がしっかり伸びて、お尻を高く保つ事につながります。 

 

③胸を張る

上背部がこんもりと盛り上がるというのもフロントプランクで良く見かける光景です。そんな時は「胸を張って!!」と言ってあげましょう。だいたいこの一言で上背部はまっすぐになる事が多いですが、ダメな場合はアスリートの身体を触って、胸を張った状態まで導いてあげましょう。

 

④肘で床を押す

上記③の結果として、胸を張って正しい姿勢にできたけど、今度は肩甲骨が浮き上がってしまう(wingingとも呼ばれます)というケースがよくあります。その場合は、肘で床を押すよう声がけをするとよいでしょう。

この動きに慣れないアスリートは、上背部がこんもりと盛り上がる動きになってしまう場合がありますが、その場合はもう一度③に戻って胸を張らせてから、その状態をキープしつつ肘で床を押すよう伝えてみてください。何回かやればアスリートもこちらが要求している動きがわかると思います。

 

⑤二重あごを作る

フロントプランクの状態で、前方を見つめようとして頸椎が過伸展したり、足下を見つめようとして過屈曲したりする場合があります。この場合は「目線は真下の地面に固定して、二重あごを作るように!!」と言ってあげましょう。

この二重あごを作るというのは最近よく議論になるneck packingという動作の事です。詳しくはこの動画このブログをチェックしてみて下さい。

 

 

まとめ

今日はコアスタビリティ界の庶民シュートことフロントプランクについて書きました。頭の後ろと上背部とお尻の3点を一直線に並ばせるというゴールを達成するために、上記5つのコーチングポイントを使えば、8割以上の確率で正しいフォームでフロントプランクを実施させる事ができるでしょう。このフロントプランクの動作(というより姿勢?)をマスターする事で、さらに難易度の高いanterior coreスタビリティエクササイズへとprogressionして行く事が可能です。また、腕立て伏せを正しいフォームで実施する時も、今回紹介したコーチングポイントがそのまま使えます(腕立て伏せを「moving plank」と呼ぶ人もいるくらいです)。

また、「お尻に力を入れる」とか「neck packing」という動作は他のエクササイズにおいて使えるものなので、フロントプランクという基礎的なエクササイズを指導する時に、その意味について説明をしておき、この動作をマスターさせておく事は非常に重要だと思います。

ちなみにゴリだとか庶民シュートだとか 意味分からないという方。これはあの伝説的マンガ「スラムダンク」からの出典です。元バスケ小僧でスラムダンク大好きな私なので、今後もちょくちょく登場するかもしれません。

あと、アスリートの身体に触る場合には、あらかじめ触っても大丈夫か聞いておくか、触ってもいいだけの信頼関係を築いてから触るようにしましょう。 

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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