#94 【レポート】NSCAジャパンS&Cカンファレンス

公開日: : 最終更新日:2016/08/25 継続学習(セミナー、読書、DVD、ブログ)


 

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先日、NSCAジャパンS&Cカンファレンスに参加してきました。1日目だけの参加でしたが、久しぶりに母校のキャンパスにも行く事ができて、有意義な一日でした。

小手指という場所が遠いのが不便でしたが、考えてみると自分が学生の時は毎日のように通っていたわけで、若いからできた事だな〜としみじみと感じました。こんな事思う時点でもうオッサンですね。

今日は、当日聴講した2つのセミナーについて、講義中に書いたメモやプレゼンスライドの中から、参考になった項目をいくつか紹介したいと思います。ちなみに、ここで書く内容は講義を聞いた上で私が感じた内容を私の言葉で書いています。私の聞き間違い等も含まれるかもしれませんし、私の理解がお話をされたご本人の意図とは異なっている可能性もあるので、その点を頭に入れた上で読んで下さい。

 

 

講義メモ

「全日本女子バレーボールオリンピックサイクルの取り組み」by 甲谷洋祐さん

  • 中・長期のトレーニング計画を綿密に立てている(年間・月間のレップ数やエクササイズ毎・強度ゾーン毎のトレーニング量の割合等)→あまりに綿密なので自分には真似できないな〜と思いましたが、事前に綿密な計画を立てて競技コーチに提案しておく事で、S&Cコーチがどのようなプランを持っているかを明確に伝えることが可能となり、競技練習との時間配分等のすり合わせがしやすくなる等の目的もあるようです。
  • 高強度&低レップでセットの質を上げる→これは私が以前のブログで書いたのと全く同じ趣旨です。それもそのはず、甲谷さんが同様の事をJATIのジャーナルで書かれていたのを読んで私がパクったからです。甲谷さんスミマセン!!でも、この考え自体はJATIのジャーナルを読む前から私自身持っていたもので、非常に共感できる部分です。
  • 可動域を大きく→これも上の項目同様、私の以前のブログと同じ趣旨で、共感できました。
  • 女性アスリートはstatic flexibilityはあるけど、体重のかかった状態でのdynamic flexibilityに難あり
  • スクワットはフルでやるけど、ハムストリングとふくらはぎがくっつくまで深くはしゃがまない→軟骨等への負担が高いからという理由と、ハムストリングとふくらはぎのお肉とお肉がぶつかってその弾性をボヨヨ~ンと使って挙げてしまうよりも、自分の筋力を使ってエキセントリックからコンセントリックへの切り替えをしたほうが、トレーニング効果が高いという理由があるらしいです。
  • いわゆる体幹スタビリティエクササイズはいろいろ取り入れているが、ウエイトプレートを背中にのせた状態でのフロントプランクが一番効果があった→35KGで1分間とかできる選手もいるそうです
  • S&Cトレーニングで使っている言葉をバレーの練習中にもバレーのコーチ達が使ってくれた→コーチ達自身もトレーニングを体験して、それが実際のコート上でうまく活用できるようにしてくれたというお話で、S&Cコーチと競技コーチの連携・コミュニケーションが非常に良く行った例と言えると思います。

 

「世界で闘うためのフィジカルコンディショニング」by 広瀬統一さん 

  • サッカーは1試合あたり10-13 kmの運動量を高強度と低強度を繰り返しながら行うスポーツである→単純な持久力ではなくて間欠的持久力が重要という事です。試合中に10-13 km走るからといって10-13 kmのラントレを選手に課すのは短絡的すぎます。
  • より高い強度でより多くの運動を繰り返す能力が重要→ただ単純に低速度で長時間走れれば良いわけではないということですね。
  • 試合中に要求されるエネルギー基質はグリコーゲンがメインで、試合前のグリコーゲン量と試合後のグリコーゲン量の回復が重要→体内のグリコーゲン量を増やす方法の1つは筋肥大させる事なので、レジスタンストレーニングがサッカーの試合中の運動量アップに貢献できるかしら?とぼやっと考えながら話を聞いていました。もちろん体重が増えすぎたらダメだけど。
  • なでしこジャパンは最大酸素摂取量では海外と差がなかったが、Yo-Yo IR1のスコアでは劣っていたので、間欠的運動能力のトレーニングを重視してトレーニングを実施して、現在では差はない
  • 「トレーニング強度の向上+乳酸の取り込み能の向上」を目指す→前者のために高強度のミニゲームを実施するらしいですが、条件設定・モニタリング等によりアスリートがさぼれないようにする事が重要で、そのためには競技コーチとの連携が不可欠との事です。後者の方法としてはスロージョグの効果を説明されていました。
  • スプリントスピードやジャンプ能力は海外と比べて劣る→これはなでしこジャパンの試合をテレビで見ていて感じていた事です。サッカーの練習だけをやっていてもこれらの能力を高めることは難しいので、もともとこうした能力の高い選手を発掘したり、補強トレーニングをしたりするのが重要で、後者の点ではS&Cコーチの活躍するチャンスではないかとの事でした。
  • アジリティ、特に方向転換能力についてはトリプルフレクション(股関節・膝関節・足関節の屈曲)により低い重心でのスクワット姿勢を取る事が重要→女性アスリートは前十字靭帯損傷のリスクが高いが、方向転換時にトリプルフレクションの姿勢が作れずに膝関節の屈曲角度が浅いのが原因の1つではないか?→改善には継続したトレーニングが必要であり、ウォームアップでプレハブを取り入れるのが有効→繰り返し高頻度で実施する事が有効なエクササイズやトレーニングについては、ウォームアップに取り入れる事によりトレーニング量や頻度を確保するというのは賢いやり方だと思いました。
  • 「動きづくり✕筋力・筋パワーアップ」が重要→100%同意できますが、前者の部分にS&Cコーチがどこまでつっこめるか・つっこむべきなのかというさじ加減が難しい所です。私は個人的にはS&Cコーチとして戦術や技術的な部分にあまり口を突っ込みたくないというのがありますが、方向転換動作における正しい動作を教える事等はパフォーマンス向上やケガのリスク低減につながるのでS&Cの領域とも言えます。

 

 

まとめ

以上、異なるスポーツではありますが偶然にも両者とも全日本女子チームのコンディショニングを担当されているお二人のお話を伺うことができました。

バレーのほうが全日本チームとしての活動期間が長く、サッカーでは試合前の短期間集まるだけという違いがあり、甲谷さんはもう少しアグレッシブに強化できるのに対して、広瀬さんは短い時間で試合に備えつつ強化もしないといけないという難しい状況であるような印象を持ちました。また、全日本チームを担当していると、各選手の普段の所属先との連携も難しいけど重要な課題なので、そのあたりのお二人のご苦労は大変だものだろうなと思いました。

お話の内容も面白く非常に勉強になりましたが、プレゼンスタイルという点でもいろいろ参考になる点が多く、今後私がプレゼン等させて頂く機会があれば取り入れていきたいな〜と思いました。

それにしてもやはり我々の業界においては常に勉強をし続ける事が重要で、このようなセミナーに参加して勉強をする事を今後も定期的に続けていこうと改めて思いました。こういったセミナー参加費や書籍等の購入費に関しては、支出というよりも自分への投資と考えてケチらずにどんどん使っていこうと思います。

また、今回このブログ記事を書くにあたってセミナー内容のレビューをする事ができて良かったです。みなさんもセミナーに参加したら、参加しっぱなしにするのではなくて、後日もう一度内容を振り返る機会を作る事をオススメしますよ。

 

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「全日本女子バレーボールオリンピックサイクルの取り組み」by 甲谷洋祐さん

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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