#197 【継続学習】S&Cコーチとして新たな情報を仕入れて取り入れる時の心構え

公開日: : 最終更新日:2016/01/20 継続学習(セミナー、読書、DVD、ブログ)


 

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最近は、Functional Stability Training for the Upper BodyFunctional Strength Coach 5というDVDを購入して勉強しています。両者ともFunctionalという言葉がタイトルに入っていて、ファンクショナルトレーニングについてネガティブなブログ(コチラ)をつい最近書いたばかりの私がそんなDVDを観ているのは不思議に思われるかもしれませんが、別にFunctionalという言葉自体には罪はありません。S&Cの基礎をわかっていない人たちが、fancyなエクササイズをファンクショナルと称して宣伝しているのがイヤなだけです。それに、DVDを観てその内容全てを取り入れるわけではありません。自分にとって使える知識だけを取り入れるのです。ブルース・リーが言っているように「Absorb what is useful, Discard what is not, Add what is uniquely your own」という心構えです。

例えば、Functional Strength Coach 5の作者であるMike Boyleは両脚でのスクワットは一切やらせない派です。片脚エクササイズ重視の人です。自分はその考えには反対で、スクワットはメインのエクササイズとして取り入れています。しかし、だからといって彼の言うことを全て無視するわけではありません。彼が言っていることの中には非常に役に立つ内容も多いからです。「両脚でのスクワットは一切やらせない」という部分はDiscardして、他に役に立つと思う部分はAbsorbして、自分のシステムの中に取り込む。そういう心構えです。

じゃあ、何がUsefulで何がそうでないかを判断する基準は何か?それは生理学・バイオメカニクス・解剖学等の科学的知識や、トレーニング論・エクササイズテクニック等の実践的知識、そしてS&Cコーチとしてのこれまでの経験です。場合によっては、過去の研究論文にあたることもあります。重要なのは、客観的な知識と主観的な経験をほどよくミックスして判断することです。また、Usefulだと判断した知識や情報であっても、自分の現在持っているシステムに組み入れるのが難しい場合もあります。そういう時は、取り込まないけど、とりあえず知識として持っておく、そして将来的に取り込める機会が来たら取り込む。そんなスタンスです。

 

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【編集後記】

私は、ウエイトトレーニングにおいては、適切なフォームを維持できる範囲内で、できるだけ大きな可動域を用いてトレーニングすることを重視しています(詳しくはトレーニング・ジャーナル連載で書きました)。私がアスリートの指導をしている時に、横で他のアスリート(私が指導していないアスリート)が極端に狭い可動域を用いてウエイトトレーニングをしているのを見て、「あれでいいんですか?」と私の指導しているアスリートが小声で訊いてきたりする時、自分の考えがアスリートに浸透してるな〜と実感して、ニヤリとしてしまいます。

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Comment

  1. obata より:

    河森様

    以前こちらのブログにてコメントをさせていただきました小幡です。

    今回のブログもとても勉強になりました。

    今回のブログにて客観的な知識と主観的な経験をミックスさせ判断すると書かれていました。

    河森様のように経験を積まれた指導者の方でしたら蓄積された主観的な経験と客観的な知識のバランスをうまくとれると思うのですが、まだ駆け出しの指導者の場合主観的な経験というものが圧倒的に不足していると思います。

    そうすると、どうしても客観的な情報に頼らざるをえなくなり、結果として
    情報に振り回されてしまう場合もあるかと思います。

    そこで質問なのですが、河森様自身は経験が不足した指導者が新たな情報を取り入れようとするときに、情報に振り回されないようにするにはどうすればいいとお考えでしょうか??

    また、河森様自身がまだ駆け出しの指導者であった時には新たな情報を取り入れようとした際に気を付けていたこと等ありましたらお聞かせいただければと思います。

    大変長くなってしまいましたが、お時間のある時にでもお答えいただければ幸いです。

    またブログの更新楽しみにしております。

    小幡

  2. Naoki Kawamori より:

    小幡さん

    経験がないなら、生理学・バイオメカニクス・解剖学やトレーニングの原則等の知識をもとに、論理的にトコトン考えて、その時点で自分ができる最良の判断をするしかありません。

    また、なんでもすぐに答えを求めずに、とりあえず自分の持っている知識の中で自力で考えてみる、という訓練も必要かと思います。もし、最新の情報を正しくジャッジして取り入れる能力を鍛えたいのであれば。

    べつに質問されたことを批判しているわけではないのですが、まだ駆け出しで、今後成長していきたいという熱意を感じたので、あえて言いました。

  3. obata より:

    河森様

    質問にご回答いただきありがとうございます。

    経験がない以上まずは客観的な知識をしっかり学び、それをもとに試行錯誤していきたいと思います。

    河森様のおっしゃるように私は直ぐに答えを求めがちですので、まずは自分の学んだ知識から自分で答えを探す訓練をしていきたいと思います。

    貴重なアドバイスを頂きありがとうございました!

    今後ともよろしくお願い致します!

    小幡

  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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