#307 1RM Tableが必ずしも全てのエクササイズに当てはまらない理由の1つ:エクササイズの特性(自体重が負荷に含まれるか否か)

公開日: : S&Cコーチとしての思考


 

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S&C関連のテキストや書籍の多くに1RM Tableなるものが掲載してあります。1RMの◯%が△RMに相当しますよ〜というのを推定できるようになっています。逆に、◯kgで△レップできたら、1RMはこのくらいですよ〜というのを推測するのにも使えます。

こうした表は非常に便利ですが、マルマル信じると危ないです。あくまでも参考資料として使い、最終的にはS&Cコーチとしての知識や経験にもとづく判断が必要になります。詳しくは加賀さんのブログをご覧ください。

1RM Table

 

1RM Tableが必ずしも当てはまらない理由の1つ

加賀さんのブログの説明にもあるように、1RM Tableをマルマル信じるのは危険であり、その理由は複数存在します。その中の1つを今日は紹介します。

それは「エクササイズの特性(自体重が負荷に含まれるか否か)」です。つまり、バーベルやマシンのウエイトスタック等の外的な負荷に加えて、自体重もエクササイズにおける負荷の一部として持ち挙げるかどうかということです。

たとえば、スクワットの場合、バーベルだけでなく自体重も負荷の一部として身体にかかってきます。別な言い方をすると、バーベルだけを移動させるのではなくて自らの身体の重心も大きく移動させているということです。一方で、たとえばレッグプレスの場合、自体重は負荷の一部として身体にかからず(実際はゼロではないですが)、マシンの重りという外的な負荷のみを移動させていることになります。

つまり、スクワットの場合は「自体重+バーベルの重り」が負荷になっていて、レッグプレスでは「マシンの重り」のみが負荷になっているということです。

しかし、挙上重量(あるいは1RM)を計算する場合、スクワットにおいては「バーベルの重り」のみを計算し、「自体重」は除外されるのが一般的です。例えば、自体重が100KGでスクワット1RMが100KGの人の場合、実際に持ち挙げている負荷(自体重+バーベル=100KG+100KG=200KG)の半分(自体重=100KG)が無視されていることになります。

このようにスクワットとレッグプレスではエクササイズの特性が異なり、そのような異なる2つのエクササイズに対して同一の1RM Tableが当てはまるということは、およそ考えられません。

 

具体例を使っての説明

仮に、加賀さんのブログで紹介されている1RM Tableがレッグプレスについては完全に当てはまるとします。そうすると、レッグプレスの1RMが200KGだったとすると、その90%の180KGで4レップできることになります。

一方で、この1RM Tableを深く考えずにスクワットにそのまま適用するとどうなるでしょうか?たとえば、自体重100KGの人のスクワット1RMが100KGだったとします。この1RM=100KGというデータを1RM Tableに当てはめると、90KGで4レップできるはずです(計算方法その①)。

しかし、実際には100KGのスクワットにおいては、バーベルだけでなく自体重も持ち上げているので、外的な負荷は自体重+バーベル=100KG+100KG=200KGとなるはずです(バーの移動距離と身体重心の移動距離が違うという点は横においておきます)。

この200KGという外的負荷を1RM Tableに当てはめてみると、その90%の180KGで4レップできることになります。そして、自体重の100KGを180KGから引くと、バーベルの重さ自体は180KG−100KG=80KGとなるので、この人が4レップできる最大のバーの重量(つまり4RM)は80KGになるはずです(計算方法その②)。

以上、計算方法の①と②で4RMのバー重量が10KGも異なることがわかると思います。もし、1RM Tableがレッグプレスについては完全に当てはまるとすると、おそらく計算方法②のほうが適切な計算方法である可能性が高く、それを考慮にいれず単純にバーの重量の1RMを使って計算すると、4RMを過大に推定することにつながります。

 

まとめ

上記の例は、あくまでも「エクササイズの特性(自体重が負荷に含まれるか否か)」という要因によって1RMの◯%で△レップできますよ〜という関係性が異なる、という私の主張を説明するためのものに過ぎません。なので、別にスクワットにおいて1RM Tableを利用する場合は、自体重も足し合わせたうえで1RMを計算し直してから、1RM Tableを使いましょう、と言っているわけではありません。

じゃあ結局何が言いたいのかというと、1RM Tableが全てのエクササイズに当てはまるわけではないから、あくまでも参考程度に利用して、最終的にはS&Cコーチの知識や経験にもとづいて判断をすることが必要である、ということです。ま、エクササイズにおいて自体重が負荷に含まれるかどうかが1RM Tableの妥当性に影響を及ぼしうる、という知識・観点を持っておいて損はないと思います。

 

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【編集後記】

週末のセミナーに向けて準備のラストスパートに入りました。やはりセミナーの日が近づいてくるとケツに火がついて、準備がドンドン進みます!本当はもっと前から余裕を持って準備をしたいところですが・・・。

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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