#435 「腰を痛めるトレーニング指導者から教わりたくない」というアスリートの意見を聞いての私の反論

 

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昨日は、深川八幡祭りに参加し、神輿を担いできました。3年に1度の本祭りで、3年前に続いて2度目の参加でした。

万全の状態で臨んだつもりでしたが、比較的背が高い私は、周りの担ぎ手との身長が合わない時に少しかがんだ状態で担ぐことを余儀なくされ、腰を痛めてしまいました。あまり戦力になれず申し訳ない気持ちです。

今日もまだ腰に痛みがありますが、神輿を担いでいた肩も痛いし、ケツ周りも痛いし、ふくらはぎも痛いし、足裏も痛いし、全身が痛いのでなんだかもうよくわかりません(笑)

 

で、腰を痛めて思い出したのですが、つい最近、「腰を痛めるトレーニング指導者から教わりたくない」という主旨のブログをアスリートが書いているのを発見して読みました。

気持ちはわからなくもないですが、以前にも腰を痛めたことのある私としては、腰を痛めたことのある経験を持っていることは必ずしもマイナスではなくてプラスにも働いていると考えているので反論してみます。

 

 

腰を痛めた経緯

私は2014年の2月に腰をガッツリと痛めました。

整形外科でMRIを撮ってもらい、ヘルニアの一歩手前の状態(椎間板が少し飛び出してるけど、ヘルニアというほどではない)と言われました。その後は、何度か病院に通い、腰に電気を流したり温めたりしてもらい、湿布を処方されました。

なにかの動きで一発でピキッと腰を痛めたわけでなく、徐々に痛みが増していった感じだったので、原因をコレだ!と特定するのは難しいです。が、私の推測としては、ウエイトトレーニングをガシガシやって疲労が溜まっていた状態で、10年ぶりくらいに再開したヘタクソなスノーボードをやったりして腰に疲労やダメージが蓄積していった結果だと思っています。

しばらくは寝返りを打っても腰が痛いし、咳をしても腰が痛いし、階段で足を上げるのも痛いし、ということで非常に不便な想いをしました。

できることであれば、もうあのような経験はしたくないし、腰を痛める経験なんてトレーニング指導者としてはしないほうがよいと思います。絶対にオススメなんてしないです。

 

 

腰を痛めた経験から学んだこと

腰を痛めた事実は変えられないですが、振り返ってみるとそこから学んだことも多かったです。「転んでもただでは起きぬ」の気持ちで、このマイナスの経験からポジティブな学びを得てやろうと意識していたからかもしれません。

 

①普通の整形外科では・・・

整形外科ではMRIを撮ってもらう経験ができたのはプラスでした。自分が指導を担当しているアスリートがケガをしてMRIを撮ることもあるかもしれないので、「グワングワン音がすごいよね」とか「眠くなるよね」とか共通の話題を持てる、アスリートの気持ちが分かるようになったのは小さなプラスかなと。

一方で、私がかかった整形外科はアスリートをたくさん診ているわけではなく、一般の方をメインに診ているところだったので(患者さんの9割くらいはおじいちゃん&おばあちゃん)、治療やリハビリの質という点では不満が残りました。せっかく通っても腰に電気ピリピリ流して暖めて湿布処方されて終わりですから。痛みも軽減しなかったし・・・。

この経験から私が学んだのは、ちゃんとアスリートを診ている実績のある整形外科や治療院を探してそこで診てもらったほうが良いということです。

 

②これまで実施してきたウエイトトレーニングのフォームとは異なる健康的なフォームをすんなりと受け入れることができた

私が学生時代に教えていただいた先生方が元ウエイトリフターだったこともあり、私のウエイトトレーニングのフォームはウエイトリフティングの影響が強いものでした。

その結果、理屈としては「アスリートが競技力向上のために実施するウエイトトレーニング」は「競技としてのウエイトリフティング」とは別物だと頭の中では認識していたつもりだったのですが、無意識のうちに、ウエイトリフティング的なフォームから外れたフォームを邪道だと考えている自分がどこかにいました。若い時の影響は大きいものですね。

しかし、腰を痛めた後は、以前と同じフォームでウエイトトレーニングをしていても痛みを感じることがあり、ガッツリと高重量でトレーニングできない日々が続いていました。

「一度腰を痛めたからしょうがないかな・・・」と半分あきらめかけていましたが、そんな時に、GS Performanceでの朝飯前セミナーを受講し始め、加賀さんから「関節にとって負担の少ない健康的なフォーム」を徹底して指導していただき、その結果として痛みを気にせずにガシガシとトレーニングできるようになりました。

#381 GS Performanceでの「朝飯前セミナー」「昼飯前セミナー」「O-Yeah!セミナー」「O-S&C塾」の受講を修了しました

 

腰を痛めて、その後のウエイトトレーニングもなかなかガッツリとできないという悩みを抱えていたからこそ、GS Performance式のやり方のスゴさが身にしみてわかりました。

もし私がとてつもなく頑丈な身体の持ち主で、どんな滅茶苦茶なフォームでウエイトトレーニングをやっても絶対にケガをしないようなモンスターだったとしたら、GS Performance式の「関節にとって負担の少ない健康的なフォーム」の良さがそれほど伝わらなかったかもしれません。

また、腰を痛めて、その後もなかなかガッツリとトレーニングできない状態があったからこそ、ウエイトリフティング的なフォームとは大きく異るGS Performanceスタイルをすんなりと受け入れることができたとも思います。そのような経験がなければ、バイアスのないまっさらな状態でGS Performanceスタイルに向き合うのが難しかったかもしれません。

 

③アスリートのトレーニング指導でも健康的なフォームを徹底するきっかけになった

自分の身体で経験したからこそ、自信を持ってアスリートに対しても「関節にとって負担の少ない健康的なフォーム」を徹底して指導することができるようになりました。

べつにそこまで徹底しなくても、ケガをしないアスリートだってたくさんいるはずです。それでも、トレーニング指導する立場としては、ウエイトトレーニングでケガをしたり痛めたりするリスクはできるだけゼロに近づけるのが義務だと思います。

また、自分が教えているフォームが健康的でケガのリスクが低いという自信があるからこそ、必要な時には重量を追求したり、量をこなしたり、ということができるのです。

「関節にとって負担の少ない健康的なフォーム」は「できるだけ重量を持ち挙げることができるフォーム」とは異なるので、挙上重量そのものは落ちることが多いです。しかし、だからと言ってトレーニング効果が落ちるわけではなく、むしろ狙った筋群に刺激を与えるという点では、より少ない重量でより大きな効果を達成できるので、より安全&効率的なはずです。

#292 できるだけ重い重量を挙げるためのフォーム vs. できるだけ健康的に効率よくトレーニング効果を上げるためのフォーム

トレーニング上級者ほどバーベルの重量を軽くできる

 

ウエイトリフティング的なやり方に無意識のうちに囚われていた私が、そのような割り切った考え方ややり方を受け入れて、すんなりとシフトチェンジすることができたのは、腰を痛めた経験があったからこそだと思っています。

 

 

まとめ

トレーニング指導者はみんな一度腰を痛める経験をしたほうがいいと主張しているわけではないですし、そんな経験をしないで済むならしないほうが全然いいんですけど、私はそのような経験をして学ぶことがたくさんあり、腰を痛める前よりも痛めた後のほうがトレーニング指導者としてのレベルは上がったと感じています。

しかし、腰を痛めたとしても、そこから学ぼうとする姿勢がなければ同じことを繰り返すだけだし、マイナスでしかありません。結局のところ、腰を痛めた経験の有り無しが問題なのではなくて、あらゆる経験から学んで向上しようという姿勢があるかどうかがトレーニング指導者には重要なんだろうと思います。

 

 

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【編集後記】

今、本を執筆中なのですが、ここ最近は筆が思うように進まないので、ちょっとホテルに宿泊してひとり合宿をして書き進めてみようと思います。ひとり合宿についても今後ブログ記事にできれば。