#492 【アスリート向け】ウエイトトレーニングをやって筋力が向上すると最適な技術も変わる→技術の調整がうまくいかないと逆にパフォーマンスが低下してしまう→だったら最初からウエイトトレーニングなんかやらない→なんでやねん!!

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なんだか長いタイトルになってしまいました。

 

 

ウエイトトレーニングがパフォーマンス低下に繋がりうる!?

ウエイトトレーニングをやって筋力がUPすると、パフォーマンス向上に繋がる可能性があります。

しかし、筋力が変わると最適な技術もまた変わるので、これまでと同じ技術のままでは、逆にパフォーマンスが低下してしまうリスクもあります。

ただし、向上した新たな筋力を使いこなせるように、技術をうまく調整することさえできれば、パフォーマンス向上に繋げることができます。

 

つまり、筋力UPしたらそれが即座にパフォーマンスUPに直結するわけではなく、もうワンクッションが必要だということです。

私はこのワンクッションを「トレーニング効果の転移」と呼んでいます。

 

「トレーニング効果の転移」を促進する具体的な作業は、変化した筋力レベルに合わせて技術を調節することです。

そして、そのためにベストの方法は、工夫しながら技術練習をすることです。

この作業がうまくいかないと、たとえウエイトトレーニングがうまくいって筋力がUPしたとしても、パフォーマンスが逆に低下しうるリスクがあるということは、アスリートの皆さんは知っておいたほうがよいでしょう。

とりあえず筋力だけ向上させておけばOKというわけではないのです。

 

 

だったらウエイトトレーニングなんてやらないでいいやってか?

せっかく一生懸命ウエイトトレーニングをやって筋力UPしても、逆にパフォーマンスが低下しちゃうリスクがあるんだったら、そもそもウエイトトレーニングなんて最初からやらなければいいじゃないか!と考えるアスリートもいるかもしれません。

それも選択肢の1つとしてアリかな〜と思わないでもありません。

でもやっぱり、それでは変化を恐れて現状維持を選んでしまっているだけの臆病なアスリートになりさがってしまうのではないでしょうか?

 

そもそも、アスリートとしての現役生活の中で、技術が変化しないなんてことはあるのでしょうか?

たとえウエイトトレーニングをやらなかったとしても、技術というのは常に変化し続けていくものなのではないでしょうか?

たとえばイチロー選手だって、オリックスで200本安打を達成した頃の振り子打法から現在まで技術がまったく変わっていないなんてことはありません。

むしろ毎年のように変わっています。

私はアスリートにとっての「技術」ってそういうものだと思っています。

つまり、常に変化をし続けていくものであると。

むしろ現状維持を選んだ時点で退化が始まっていると言ってもいいかもしれません。

 

そう考えると、どちらにしろ技術は常に変わりながら、その時点での最適なものを探っていかないといけないんだから、技術を変えないといけないということを恐れてウエイトトレーニングをそもそもやらないという選択をする意味を見出すことは私にはできません。

 

 

ウエイトトレーニングをやらないデメリット

また、ウエイトトレーニングをやらないという選択をすることは、ウエイトトレーニングを実施すれば低下させることのできるはずのケガのリスクを放ったらかしておくことにもなります。

現在手に入る科学的なデータによると、ウエイトトレーニングを実施することでケガの発生率を1/3以下に減らすことができると言われています。

これは逆に考えると、ウエイトトレーニングをやらないとケガの発生率が3倍増えると解釈することもできます:

» 参考:【論文レビュー】筋力トレーニング、ストレッチ、固有受容器トレーニングはケガを予防できるか?

» 参考:【やるリスク vs. やらないリスク】ウエイトトレーニングをやらないとケガのリスクが3倍になる!?

 

したがって、「ウエイトトレーニングを実施して筋力UPしても、技術の調節(=トレーニング効果の転移)がうまく行かずにパフォーマンスが逆に低下するリスクがあるから、そもそもウエイトトレーニングをやらない」という選択をする前に、ウエイトトレーニングをやらないことにより発生するリスク(ケガの発生率が3倍増える)も考えた上で、どちらの選択をしたほうがベターなのかという観点で決断をしていただきたいです。

 

 

まとめ

ウエイトトレーニングを実施して筋力がUPしても、トレーニング効果の転移がうまくいかないと逆にパフォーマンスが低下するリスクがあるという事実を知っておくことは大切です。

しかし、「だったら、そもそもウエイトトレーニングなんてやらないほうがパフォーマンスが低下するリスク低いんじゃない?」という風に考えてしまうのは、非常に短絡的でもったいないです。

アスリートであれば、変化を恐れず、現状維持に満足することなく、自分をさらに高めていける可能性にかけて、ウエイトトレーニングを是非とも実施してもらいたいです。

リスクが「ゼロ」なんてありえないんですから、ウエイトトレーニングをやるのとやらないのとで、どちらのほうがリスクが低いのか、そしてうまくいった時の効果の大きさはどの程度のものが期待できるのか、という観点で決断をしていただきたいです。

そして、普通に考えると、アスリートであればウエイトトレーニングをやらないという選択肢はありえないと私は思います。

やるかやらないかで悩んでいるアスリートや、そもそもやろうともしないアスリートは私には信じられません。

 

ただし、間違ったやり方でウエイトトレーニングを行うと、トレーニング効果の転移がうまくいくかどうか以前の問題として、パフォーマンス低下に繋がってしまうリスクはあります。

また、間違ったやり方では、逆にケガや痛みに繋がることも十分考えられます。

できれば、しっかりとした専門家の指導を受けて、正しいやり方でウエイトトレーニングを実施しつつ、工夫をしながら技術練習も並行して実施して、パフォーマンス向上に繋げていただきたいと思います。

 

 

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【編集後記】 

昨日は「ピーキングのためのテーパリング」セミナーを実施しました。普段使用しているセミナー会場が予約で埋まっていたので、新しい会場を探したところ、自宅から歩いて5分の場所に見つけました。まさに灯台もと暗し! 使い勝手も良かったので、今後のセミナー自主開催においては、こちらの会場が「ホーム」になりそうです。