#478 「detraining」という用語には2通りの意味がある

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現在、本を執筆中です。

その中で「detraining」という用語を使ったのですが、この用語の意味について、私の意図するところと編集者さんの理解が異なるということがありました。

ちょっと面白いなと思ったので、紹介します。

 

 

2パターンある「detraining」の意味

編集者さんは「detraining」という英語を「脱トレーニング」という日本語に変換してご理解されていたようです。

「脱トレーニング」という言葉を見ると、それは「トレーニングを休止すること」を意味していると捉えるのが自然でしょう。

もしかしたら、日本語圏のS&C業界では、こちらの意味合いで捉えている方が多いのかもしれません。

 

一方、私が「detraining」という用語で意図したのは「トレーニングを休止したり量を減らしたりした結果、体力やパフォーマンスが低下すること」でした。

テーパリングの研究で世界的に第一人者であるDr. Mujikaも「detraining」に関するレビュー論文(1)において「Detraining is the partial or complete loss of training-induced adaptations, in response to an insufficient training stimulus」と述べられています。

トレーニングを減らしたり休止したりすることではなくて、その結果としてトレーングによる適応が失われることを指し示しているという点では、私の理解とほぼ同じです。

 

 

まとめ

どちらの意味が正しいとか間違っているとか指摘するつもりはありません。

しかし、「detraining」という用語について2通りの理解の仕方が存在するという事実を知っておけば、「detraining」について議論をしている時に相手と話が噛み合わないな〜と感じたら、「もしかしたら、お互い違う意味合いで『detraining』という言葉を使っているのかもしれない」と気づくことができるでしょう。

私は英語圏の大学院に留学し、英語で書かれた文献等からS&Cについて学ぶ機会も多いので、思考が欧米化していますが、その私の感覚と日本のS&C業界の慣習が違うことを発見することが最近は多く、それはそれで新鮮に感じています。

» 参考:ウエイトトレーニングのプログラムで「3×10」と書いてあったら、「3セットx10レップ」か「3レップx10セット」か?

 

参考文献

(1)  Mujika I and Padilla S. Detraining: loss of training-induced physiological and performance adaptations. Part I: short term insufficient training stimulus. Sports Med 30: 79-87, 2000.

 

 

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【編集後記】

中国ドラマ「孤高の花〜General&I〜」にハマってしまいました。