#484 アメリカ大学院留学回顧録① 〜留学に向けての準備編〜

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今年からフリーランスとして活動するようになり、これまでブログを書き続けてきたことのメリットをヒシヒシと感じています。ブログを書いていなかったら、今のような働き方はできなかったはずです。

ブログを書くうえでは、専門知識を伝えてお役に立つことも大切ですが、私という人間を知ってもらうことも意識するようにしています。モノやサービスを買う時に、「誰から」買うかも重要だと思うからです(少なくとも、私が買う時は重視しています)。

そこで、私をより知っていただく作戦の一環として、私が留学をしていた時のことについて書きたいと思います。

「いや、あなたのエッセイ風ブログなんて興味ないよ」という方が大半かもしれませんが、もしかしたら「へ〜、そんな苦労をして留学して勉強してきたのね」と思ってもらえる方がいるかもしれません。

また、将来的に海外留学を考えている方に読んでもらい、たとえそれがたった1人だったとしても、参考にしていただければそれでいいやくらいの気持ちで書いてみます。

 

 

アメリカの大学院に留学を決めた理由

私は日本で生まれ、日本で育ち、日本の大学を卒業しました。帰国子女でもなんでもありません。18歳になるまで、日本の外に出たこともありませんでした。

そんな私でしたが、大学でスポーツ科学の勉強を始める前から、漠然とアメリカ留学への憧れを持っていました。思春期の男子が抱く「英語話せるようになったら女の子にモテるかな〜」ってやつです。

 

大学1年生の夏休みの時に、アメリカのカリフォルニア州にあるパサディナ市というところで1週間ほどのホームステイを体験しました。私にとっては初の海外です。

普段はテレビでしか見ないような外国人だらけの場所で(立場的には私が外国人だったんですけど)、めちゃくちゃ量が多いアメリカならではの食事をし、中学・高校の授業で習った日本語チックな英語でなんとか会話をし、さまざまな場所にも連れて行ってもらいました(小旅行でラスベガスにも)。

すべてが刺激的でした。新しい文化に触れ、海外の方と外国語でコミュニケーションをとることにとても興奮したのをおぼえています。アメリカ留学への想いはさらに強くなりました。

 

それから月日が流れ、大学3年生になり、そろそろ卒業後の進路を真剣に考え始めないといけない時期になりました。

その頃には、S&Cの分野で研究者になりたいという気持ちが強くなっていたし、リクルートスーツに身を包んで就活をするのは絶対に嫌だな〜と思っていたので、大学院に進学することは自分の中で決まっていました。※いまだに日本式の就活は理解できません。

で、問題は、日本に残って日本の大学院に進学するのか、アメリカに留学してアメリカの大学院に進学するのか、どちらを選ぶかでした。

S&Cという分野は、研究も実践もアメリカのほうがはるかに進んでいます。本気で勉強・研究をやりたいのであれば、アメリカに留学して本場で学ばない手はありません。英語が話せるようになれば、女子にモテるかもしれないし。

ということで、アメリカの大学院修士課程に留学をすることを決意したのでした。

 

 

留学に向けての準備

①留学先の大学院を決める

アメリカの大学院に留学しようと決めたものの、何をしたら良いかわからなかったので、まずは留学関連本を買って自分なりに研究してみることにしました。

当時買って読みまくった本で記憶に残っているのは「スポーツ留学 in USA」と「アメリカ大学院留学ー学位取得への必携ガイダンス」の2冊です。特に後者は、留学準備中だけでなく、留学中にも何度も読み返しました。アメリカの理系大学院留学をするのであれば、読まれておくことをオススメします。

アメリカ大学院留学について調べている中で学んだのは、以下の2点です(特に理系のアメリカ大学院留学に当てはまります):

  • 大学院の進学先を選ぶ時は、最初に大学を選ぶのではなく、その人のもとで勉強をしたいと思う研究者をまずは見つけて、それからその研究者が所属している大学に応募するのが一般的
  • Graduate Assistant(大学院生アシスタント、GA)というポジションをゲットして、教授の研究や授業のお手伝いをして週20時間ほど働けば、授業料が免除されたり場合によっては給料が支払われる

文系の大学院留学の場合は、大学またはプログラムで進学先を選ぶことも多いようですが、理系の場合は、研究者をめがけて行くことがほとんどです。

じゃあ、どうやって目当ての研究者を探そうか、ということで、大学生の身分ながら英語の論文を読んでみることにしました。電子辞書を片手に、かなりの時間をかけて苦労をしながら論文を読んだものです。

そうして、私が面白そうだな〜と目星をつけたのは、Mike Stone、William Kraemer、Rob Newton、Andy Fry、Greg Haff、John Garhammerといった研究者たちでした。今、思い返してみても「大学生でありながら、なかなか良いメンバーを選んだな、俺」と思えるほどの方々です。S&Cに関わる人間であれば、一度は彼らの論文を読んだことがあるはずです。

で、次のステップとして、彼らが所属している大学を探してみることにしました。残念ながら、当時Mike StoneはUSOCオリンピックトレーニングセンターにいて、大学で学生を指導していない時期だったのであきらめて、それ以外の研究者の中から、候補を数人に絞ることにしました。

結論として、Rob Newtonが当時所属していたBall State UniversityとGreg Haffが当時所属していたAppalachian State Universityに応募することに決めました。なんでその2人に決めたのか、正直言ってあまり憶えていません。他の研究者のもとに留学したとしても、素晴らしい経験ができただろうと思います。

 

また、アメリカの理系の大学院生はGAとして働くことで、授業料をほとんど払わないで済むという事実を知った時は驚愕しました。なんて素晴らしい国なんだろう!と感激すると同時に、これで親に負担をかけないで済むなと思ったものです。

実際、アメリカの理系の大学院生のほとんどがGAのポジションをゲットしています。GAのポジションを貰えないのであれば、自腹で授業料払って入学する人はほとんどいないのではないでしょうか。

したがって、「アメリカ大学院留学」と聞くとお金がかかるイメージがあるかもしれませんが、こと理系に限って言うと、日本で大学院に進学するよりもお金がかからないかもしれません。金銭面がネックで留学を迷っている方は、少しそのあたりの事情を調べてみてください。ちなみに、学部生として留学する場合は、そのような金銭面のサポートはあまりないはずです。

 

 

②師匠候補にコンタクトをとる

希望する留学先を決めたら、まずはお目当ての研究者にコンタクトをとらないといけません。アメリカの理系大学院に入学したい場合は、出願書類を送る前に、まずは指導をお願いすることになる教授から許可を得ておく必要があるのです。大学のホームページを探せばメールアドレスが公開されているので、そこにメールを送ることになります。※私の記憶があいまいなので、もしかしたら当時はメールではなく手紙を送ったかもしれません。

今でこそ、英語でメールを出すのは私にとってそれほど大変な作業ではありませんが、当時は英語でメールを出すなんて初めてのことだったので、メールの文面を考えるだけで一苦労でした。英語のメール特有の言葉遣いや言い回しなんて全然知らなかったんですから。

そこで、当時、大学の英会話の授業で教えてもらっていたアメリカ人の先生に、授業終了後に無理をお願いしてメールの文面を考えるのを手伝ってもらいました。今考えてみると、授業外で私の手助けをする義務なんてその先生にはなかったはずですが、それでも嫌な顔をせずに助けてくれました。その先生には感謝してもしきれません。

ちなみに、今後、留学を考えていて英文メールを送る必要がある方には、以下の本をオススメしておきます:

どうにかこうにかメールを送り、Dr. NewtonとDr. Haffのどちらからも指導をしてもらえる許可をいただくことができました。ただし、Dr. NewtonのBall State Universityのほうでは、GAポジションの枠の空きがないから授業料を自腹で払えるなら来てもいいよとのことでした。

すでに述べたとおり、アメリカの理系大学院ではGAポジションをゲットするのが一般的なので、GAポジションをもらえないということは実質的に不合格ということだろうと解釈しました。そうでなかったとしても、自腹で授業料を払うことは厳しかったので、Ball State Universityは諦めることにしました。

一方、Dr. HaffのAppalachian State Universityの方ではGAのポジションをゲットできることになったので、そちらに入学することに決めました。

 

 

③出願書類を揃える

事前にDr. Haffから指導の許可とGAポジションの確約をいただき、ホッとしたのもつかの間。次に、大学院に入学するための出願書類一式を揃えるという新たな壁が私の目の前に現れました。

当時、アメリカの大学院に出願する時に必要とされていたのは、以下のものでした:

  • GPA(大学時代の成績の評定平均)→英文成績証明書
  • TOEFLスコア
  • GREスコア
  • 英文エッセー
  • 英文推薦状 x 3枚

まず、GPAというのは大学で取得した単位すべての平均点のことで、一般的には3.0以上が必要と言われています(MAXが4.0)。日本の大学とアメリカの大学では成績の付け方が違う場合もあるので、具体的にどの程度の成績が必要かを説明するのは難しいですが、ある程度しっかりと授業に出て勉強をしてテストで良い点数をとっておかないと厳しい数字です。

幸い、私は大学時代に真面目に授業に出て勉強をしていたので、GPAは問題ありませんでした。逆に言うと、大学に入ってから真面目に勉強せずに遊んでいたのに、4年生になって急にアメリカの大学院に留学したいと思って真面目に勉強し始めたとしても、GPAが低すぎてアメリカの大学院に入学できない可能性があるということです。たとえ入学が許可されたとしても、GAのポジションをもらえないかもしれません。

 

次に、留学生に提出が義務付けられているTOEFLという英語のテストを受ける必要がありました。TOEFLの形式は色々と変わってきているのですが、当時ペーパー形式のTOEFLのスコアとしては、大学に留学するなら500点以上、大学院に留学するなら550点以上が必要と言われていました。

もともと大学受験の時も英語は私にとって得意科目だったので自信はありましたが、TOEFLのテスト形式に慣れるために、問題集を買って何度かやってみてから、本番のテストに臨みました。

当時はTOEFLの形式がペーパーからコンピューター形式に変わったばかりだったので、私もコンピューター形式でTOEFLを受けて、スコアは257点でした。これをペーパー形式のスコアに換算すると613点です。ラクラクと目安の550点をクリアしたことになります。プチ自慢です。

 

TOEFLに加えて、もう1つ受けることが必要なテストとしてGREがありました。これは留学生向けのTOEFLとは異なり、アメリカ人の大学院入学希望者も受けないといけないテストで、日本のセンター試験の大学院版のようなものです。Verbal(国語)・Quantitative(数学)・Analytical(論理的思考)の3セクションで構成されていました。

Verbalは英語がネイティブなアメリカ人が受ける国語の試験なので、英語が母国語でない留学生にとっては難しすぎてチンプンカンプンです。アメリカ人留学生が日本のセンター試験の国語のテストを受けるようなもんです。そこで、私はこのセクションについては捨てました。私は留学生なので英語能力はTOEFLで判断してくれ!と祈ることしかできませんでした。実際、Verbalセクションの私の点数は380点/800満点中でした。惨敗です。

一方、QuantitativeとAnalyticalは日本人留学生でも高得点を狙えるセクションであると言われていました。特に、Quantitativeはすごい簡単なので、数学用語を英語でなんと言うかさえ憶えておけば、日本人ならほぼ満点を取れるということでした。実際、私のQuantitativeの点数は800点満点でした!また、Analyticalも800点満点中780点という高得点を叩き出しました!

 

英文エッセイは、なぜ自分がその大学院に入学したいのか、入学したらどのような研究をやりたいのか等について英語で書くものです。アメリカ大学院留学のためのエッセーに関する参考書がいくつか発売されていたので購入し、それを参考にしつつ、上述したアメリカ人の先生にも手伝ってもらってなんとか書き上げました。しかも、当時はタイプライターを使って書かないといけないとか言われて、タイプライターを探すのにも苦労した記憶があります・・・。

 

最後に英文推薦状です。3通必要でした。早稲田大学で教えていただいていた3人の教授に「アメリカの大学院に留学したいと考えています。英文の推薦状を書いて頂けませんか?」とお願いしましたが、3人とも「自分で書いてきてくれたらサインするよ」とのお返事。ただでさえ英文推薦状を書くのは大変なのに、それを3通も。しかも、全部私が書いたとバレないように、3通とも内容や書き方を変えないといけません。出願書類の中でも、最も苦労したものかもしれません。ま。サインしてくれただけありがたいと思うべきなのでしょうが・・・。

 

以上の5つのアイテムを揃えてなんとか出願をして、正式な入学許可をいただくことができました。うれしいというよりホッとしたのを憶えています。これで、準備が整って留学できるぞ!と思ったものです。しかし、その後、以外な展開が待ち受けていたのですが・・・。

 

 

まとめ

軽い気持ちで書き始めたのですが、意外と長文になってしまいました。今回は準備編ということで、ココで終わりにしておきます。実際にアメリカに留学してからのお話については、年が明けてから書きたいと思います。まさか、年またぎの企画になるとはな〜。

 

 

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【編集後記】

最近ハマっていた中国ドラマ「孤高の花」が一昨日最終回で終わってしまいました。途中から見始めてハマったドラマだったので、DVDでも借りて第1話から見てみます。