#872 トレーニング指導をするうえで医療資格は必要か?

※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています

 

 

最近、Xに以下のような投稿をしました。

 

複数の投稿が連なって「スレッド(ツリー)」になっているので、最後まで通して読んでみてください。

私の考えは、そこですべて述べてはいるのですが、ブログのほうでも改めて書き残しておきます。

 

 

一連の投稿をした背景

パーソナルトレーニングで怪我をする人が増えている、というのはちょっと前にメディアでも話題になりました。

いろいろな統計データ等もでているようなので、おそらく事実なのでしょう。

その原因について、「パーソナルトレーナーに医療資格が求められないから」もしくは「医療資格をもっていないパーソナルトレーナーは傷害予防やリスク管理についてのリテラシーがないから」と指摘している投稿を見かけて違和感を覚えたのが、冒頭で紹介した一連の投稿をしたキッカケです。

※一応「パーソナルトレーナー」が指摘の対象になっていますが、S&Cコーチ等も含めたトレーニング指導者全般に当てはまる指摘である、という前提で、以降の話を進めていきます。

 

私自身、医療資格はもっていませんが、それでもトレーニング指導中の安全管理はしっかりやっているつもりです。

だから、違和感を覚えたというよりも「なんでやねん、ちゃんとやっとるわ💢」と怒りを覚えた、というのが正直なところです。

しかも、そのような指摘をされていたのが医療資格をお持ちの方だったので、「自分が医療資格をもっているから、マウントを取りたいだけじゃないの💢」とさらに怒りが大きくなったというところもあります。

そんな怒りの感情をエネルギーとしつつ、「トレーニング指導をするうえで医療資格は必要か?」という根源的な問いについては冷静に考えた上で、冒頭で紹介した一連の投稿をしたつもりです。

少し時間がたってから自分で読み返してみても、一時的な感情任せではなく、ちゃんと本質を捉えた議論をしていると感じます。

 

 

トレーニング指導をするうえで医療資格は必要か?

まず、法律的なことから言うと、トレーニング指導をするうえで求められる資格はありません。

極端な話、誰でも「私はパーソナルトレーナー(S&Cコーチ)です」と宣言して、今日からトレーニング指導で稼ぐことができてしまいます。

全然、法律違反にはならないんです。

この状況はまあ問題ではあるし、だからパーソナルトレーニングで怪我をする人が増えている状況に繋がっているのでしょう。

だから、法律を整備して、トレーニング指導者に対して資格取得を義務化することで、最低限のサービスの質を国が担保したほうがいいんじゃないか、という議論はあって然るべきだと思います。

しかし、それはトレーニング指導に特化した新たな国家資格を作るべきか、という議論であって、既存の医療資格をトレーニング指導者が取得するべきか、という話とは別なので、これ以上は深掘りしません。

 

それを踏まえた上で、本質的な議論は、法律云々とは関係なく、トレーニングで中に怪我をする人が増えているという問題を解決するために、「トレーニング指導をする人が(既存の)医療資格を取得することは必要か?」ということになります。

冒頭で紹介した一連の投稿で説明したように、「必要ない」というのが私のスタンスです。

その理由は、トレーニング指導中の怪我のリスクを抑えるために必要なのは「医療資格」ではなく「トレーニング指導の知識やスキル」だからです。

つまり、パーソナルトレーニングで怪我をする人が増えているという現状の問題点は、「トレーニング指導の知識やスキル」をしっかりと学んでいない人が「私はパーソナルトレーナー(S&Cコーチ)です」と宣言して活動してしまっていることなのです。

極端な話、医療資格はもっていてもトレーニング指導に関する専門知識やスキルを学んでいない人がトレーニング指導をしてしまうと、そちらのほうが怪我をさせてしまうリスクが高まると私は思います。

 

ちなみに、ここで言うところの「トレーニング指導の知識やスキル」には、適切なフォームの指導・適切なプログラムデザイン・安全管理等が含まれます。

それらの知識やスキルを学んだ人が、責任感をもってトレーニング指導を提供していれば、トレーニング中の怪我のリスクは抑えることができるはずです。

※トレーニング中の怪我をゼロにすることは現実的ではないですが、リスクを下げることは可能です。

 

 

医療資格は必要ではなくても、持っていたほうがいいことはあるのか?

次に考えたい「問い」は、すでに適切な「トレーニング指導の知識やスキル」を有している人が医療資格を取得すれば、トレーニング中の怪我のリスクをさらに低くすることに繋がるのか?ということです。

つまり、必要ではないかもしれないけど、持っていたほうがいいことはあるのか?ということです。

個人的にはそうは思いません。

医療資格というのはトレーニング指導のための資格ではないからです。

 

とはいえ、私自身は医療資格をもっていないので、医療資格を取得することでどのような知識やスキルを身につけることができるのかを把握しているわけではありません。

だから、私がただ無知なだけで、医療資格をお持ちの方はトレーニング中の怪我のリスクをさらに低くするための特別な知識やスキルをお持ちである可能性はあります。

そのあたりの事情を確認するために、「トレーナーは医療資格をもつのが理想だ」と主張されていた方に、つっこんだ質問をしてみました。

 

もし、この質問に対して、「あ〜、それは凄いな、医療資格をもっていないと思いつかない・できないことだな」と納得させられるような回答が返ってきたら、私は自分の考えを変えるつもりでした。

「トレーニング指導をするうえで医療資格は必要だ!」と。

もちろん、そんな答えは99%返ってこないだろうな、と思って質問したわけですが。

そして、案の定、とくに反応はありませんでした。「まあ、答えられないだろうな」という感想です。

 

なので、今のところは、トレーニング指導者がわざわざ医療資格を取得する必要はない、取得することでトレーニング中の怪我のリスクをさらに低くできるようになるわけではない、というのが私の持論です。

 

 

トレーニング指導者は医学的知識を学ぶ必要はないのか?

ここまで主張してきたように、トレーニング中の怪我のリスクを抑えるためには、トレーニング指導の知識やスキルを身につけて磨き続けることが重要で、医療資格を取得する必要はないと考えます。

しかし、だからといって、トレーニング指導者は「医学的知識」を学ぶ必要はないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。

まあ、「医学的知識」の定義が難しいところではありますが、たとえば私も理学療法士の方々が発信されている情報から学ぶことは多々あります。

そのような「医学的知識」を学ぶことで、さらにトレーニング中の怪我のリスクを抑えることに繋がることはあると思います。

しかし、それらは医療資格を取得しなくても十分学ぶことができる知識です。

そして、トレーニング中の怪我のリスクを下げるという点では、トレーニング指導の知識やスキルを学ぶことのほうがはるかに効果が高いと私は考えます。

 

したがって、パーソナルトレーニングで怪我をする人が増えている、という問題を解決するためには、まずはトレーニング指導者に「トレーニング指導の知識やスキル」を学んでもらうのが最優先です。

そのうえで、さらに専門家として向上しようという意識の高い人が、「医学的知識」を学ぶことは否定するものではありません。

ただし、トレーニング指導の専門家として活動を続けるのであれば、わざわざ時間やお金をかけて医療資格を取得するのは、コストとベネフィットが見合わないんじゃないかな〜と個人的には思います。

とはいえ、私自身、時間やお金をかけて医療資格を取得した経験はないので、100%自信をもって言い切ることもできません。

そのような経験をされたかたの意見をぜひ聞いてみたいな、と思います。

 

 

まとめ

「トレーニング指導をするうえで医療資格は必要か?」というテーマについて、Xで連投した投稿を紹介しつつ、さらに深堀りをしてみました。

とくに、将来パーソナルトレーナーやS&Cコーチとして、トレーニング指導を生業としたいと考えている学生や若い方は、「トレーニング指導をするには医療資格も取得しないといけないのか?」なんて惑わされないようお気をつけください。

まずは、「トレーニング指導の知識やスキル」を学んでもらえれば、とくに「医療資格」を取得する必要はありません。

 

そして、「トレーニング指導の知識やスキル」を学ぶうえでは、「トレーニング指導者向けの資格」を取得されることをオススメします。

「トレーニング指導者向けの資格」とはいっても、その多くは民間団体が発行している資格であり、トレーニング指導をするうえで必須というわけではありません。

しかし、それらの資格を取得するために勉強する過程で、(ちゃんとした資格であれば)安全管理についても学ぶことができるはずです。

個人的な好みはNSCAのCSCSですが、それ以外にもNSCAのCPTやJATIの資格等もオススメです。

※そういえば、「パーソナルトレーナーも医療資格を取得すべきだ」と主張されていた方は、トレーニング指導の資格をお持ちなのでしょうか?

 

最後に、例外として、「もともと怪我や病気をお持ちの方を対象としたトレーニング指導を専門として活動したい」というニッチな層をターゲットに活動をされたい場合は、医療資格を取得するべきでしょう。

 

 

|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

娘の誕生日でディズニーランドに行きました。

ただ、強風のため、パレードは3つのうち2つが中止になってしまいました。

娘も不完全燃焼の様子でしたが、まあ横倒しに倒れたら危ないからしょうがないだろうな、と大人としては冷静に受け止めました。