今日は短いブログを書きます。
腕立て伏せ vs. ベンチプレス
レジスタンストレーニングのプログラムデザインでエクササイズ選択を考える時には、5種類の基本的な動作パターンを考慮に入れています。
詳しい話はこちらのブログで説明済みなので、そちらをお読み下さい。
上半身の押す系エクササイズ(特に水平方向の押す系エクササイズ)のメジャー種目に腕立て伏せとベンチプレスがあります。どちらもメイン種目となりうる重要なエクササイズだと思いますが、多くの場合、私は腕立て伏せを好んでアスリートに処方する傾向があります。
その理由について簡単に説明します:
- ベンチプレスでは肩甲骨が体幹とベンチの間に挟まれて固定されているが、腕立て伏せでは肩甲骨をある程度自由に動かすことが可能であり、肩甲骨を動かしたり安定させたりする筋群(例:前鋸筋)を強化する事ができる(特に足を台やボックス等の上に乗せて腕立て伏せをやると前鋸筋の筋活動量が増える)
- ベンチプレスでは体幹はベンチによってサポートされているが、腕立て伏せでは筋肉を使って能動的に体幹を固定しながら上肢を動かす必要があるので、体幹スタビリティのトレーニング効果が高い
- 腕立て伏せのほうが肩関節のスタビリティを鍛えることができる
以上が私が腕立て伏せを好む理由です。
この説明には科学的にデータを示して説明できる部分もあれば、私の経験上そうだと考えているだけの部分もあります。
また、ベンチプレスを否定しているわけではありませんが、スポーツ競技のパフォーマンス向上のためのトレーニングという点では、腕立て伏せや(オーバーヘッド)プレスのように、自ら肩甲骨や体幹の動きをコントロールしながら上肢で押す動きをするエクササイズのほうが効果が高いと思うケースが多いという事です。
バドミントンやフェンシングのように、肩甲骨を外転させて腕を前方に伸ばす動きが重要な競技に関わってきた経験が影響しているのかもしれません。
まとめ
まあ、どちらが適切かはケース・バイ・ケースですし、そもそもどちらが良い悪いという問題ではないかもしれません。それぞれのエクササイズの特徴を把握しておいて、目的に合わせて適切なものを処方するのがベストなんでしょう。なので今日のブログタイトルのように「vs.」なんて言って対決をあおっちゃいけませんね。失礼致しました。でも、読み物のタイトルとしては、この方が興味は引くんだよな〜。
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