新年を迎えて、目標を立てる方も多いでしょう。
新しいことを始めるにも良いタイミングです。
今まで競技練習しかしていなかったけど、これからは本格的に体力向上のためのトレーニングにも取り組んでみよう、と考えるアスリートもいるでしょう。
場合によっては、私のような専門家に依頼してトレーニングを教えてもらおうという真剣なアスリートもいるかもしれません。
ただ、トレーニングを始めてみても、実際に効果が出ているのか、自分の競技にプラスになっているのか、不安ですよね?
「もしかしたら、他のトレーニングプログラムのほうがいいのではないか?」「他の専門家に指導してもらったほうがよいのではないか?」という不安はつきないものだと思います。
今日はそんな不安を抱えているアスリートに、トレーニング指導の専門家として、1つだけアドバイスをさせていただきます。
トレーニングプログラムや指導してもらう専門家を頻繁に変えない
あなたが実践しているトレーニングプログラムや指導してもらっている専門家の良し悪しを判断することは私にはできません。
場合によっては、効果の出るプログラムをやっているかもしれないし、効果を出してくれる専門家に指導を受けているかもしれません。
あるいは、効果の出ないプログラムをやっていたり、効果を出してくれないエセ専門家に指導を受けているかもしれません。
どちらにしろ、私が絶対的な自信を持ってアドバイスできるのは
トレーニングプログラムや指導してもらう専門家をコロコロと頻繁に変えるな!
ということです。
なぜなら、トレーニング効果があらわれるには時間がかかるからです。
筋力・持久力・柔軟性etcの体力が向上するのにも時間がかかります。
さらに、それらの体力向上が実際の競技パフォーマンス向上や成績アップに繋がるには、もっと時間がかかります。
#327 トレーニング効果が競技成績向上に結びつく実感を得るには年単位の時間がかかる
だから、たとえば数週間だけ特定のトレーニングプログラムをやったり、特定の専門家からトレーニング指導を受けたりしたにもかかわらず、競技成績UPに繋がる実感が得られないからといって、すぐにプログラムや専門家を変えてしまうのはオススメできません。
なぜなら、たとえ効果の出るプログラムをやっていたり、有能な専門家に指導をしてもらっていたとしても、そんな短期間では競技成績UPに繋がるはずがないからです。
数週間程度では、プログラムの良し悪しや専門家の技量を評価することは難しいのです。
コロコロと頻繁にトレーニングプログラムを変える人を英語で“program hopper”と呼んだりします。
このprogram hopperという言葉は、英語圏のトレーニング業界では、どちらかというと馬鹿にするような意味合いで使われることが多いです。
トレーニングの専門家やトレーニングを自身でやっている人にとっては、コロコロと頻繁にプログラムを変えても効果に結びつかないのは当たり前のことだからです。
アスリートのみなさんには、program hopperにはならないように気をつけていただきたいです。
結果がどうであれ、とりあえず数ヶ月間(最低でも3ヶ月間)は継続すべし
じゃあ具体的にどの程度の期間、同じトレーニングプログラムを継続したり、同じ専門家から指導を受ければよいのか?というのが知りたいところだと思います。
正直言って、「◯◯だけ継続して効果が出なかったら、プログラムや指導を受ける専門家を変えてもOKですよ!」と断言するのは難しいです。
というのも、トレーニング効果が競技成績UPに繋がるまでには、場合によっては年単位の時間がかかると私は考えているからです。
かといって、プログラムや専門家の良し悪しを判断するのに数年間も費やすのは現実的ではありません。
そこで、ひとつの目安として、少なくとも数ヶ月間(最低でも3ヶ月間)は同じプログラムや専門家の指導を継続すべしと提案させていただきます。
それだけやれば、目に見える競技成績UPまでには至らなくとも、筋力・持久力・柔軟性etcの向上を実感することはできるはずだからです。
私が提供しているトレーニング指導サービスにおいても、契約期間を最低12週間(≒3ヶ月間)と設定しています(現在は8週間に変更しています)。
これは、少なくともそれだけの期間、継続して私のトレーニング指導を受けていただければ、効果を実感していただけるだろうとの考えによります。
効果のないOR逆にマイナスであるトレーニングを継続してしまうリスク
「効果を実感するにはある程度の期間継続することが必要だ」ということは理解していただいたとしても、まだ不安は消えないかもしれません。
というのも、
- 効果のない(あるいはマイナスですらある)トレーニングプログラムを数ヶ月間継続してしまう
- 無能な専門家の指導を数ヶ月間も受けてパフォーマンスが低下してしまう
というリスクが存在するからです。
「そのようなリスクがあるにもかかわらず、それでも河森は最低でも3ヶ月間は同じプログラム・指導者によるトレーニングを継続しろと言うのか?」と問われれば、「はい、それしか選択肢はありません」と答えます。
というのも、トレーニング効果を得るためには、継続してやるしかないからです。それ以外ありません。
下の図を見てください。
縦軸にトレーニングプログラムの有効性または指導者の腕前、横軸にトレーニングの継続期間をとっています。
そもそもプログラムの有効性や指導者の腕前が低い場合、継続期間を長くしても効果は出ません。場合によってはマイナスになります。【上図の右下に相当】
そうしたリスクを最低限に抑えるためには、継続期間を短くしたほうがいいのではないか?と思われるかもしれません。【上図の左下に相当】
しかし、継続期間を短くしてしまうと、たとえ効果があることをやっていても期間が短すぎて効果があらわれないため、「このプログラム・指導者はダメだ!」と誤った判断をしてしまうリスクがあります。【上図の左上に相当】
となると、実際にトレーニング効果を競技成績アップに繋げるためには、有効性の高いプログラムを継続したり有能な専門家の指導を継続して受けるしか選択肢はありません。【上図の右上に相当】
もちろん、ある程度の期間継続するということは、効果がでないOR逆にマイナスになるトレーニングを継続してしまうリスクと隣合わせです。
しかし、もしそうなったとしても、「効果が出ないOR逆にマイナスである」ということは明白になります。つまり、可能性を1つ潰すことができるのです。
そしたら、その後はそのプログラムOR指導者は選択肢から消して、他のプログラムOR指導者を試すことができるようになります。
短期間で頻繁にコロコロと変えていては、効果があることだけでなく効果がないということも判断ができず、永遠に最適な選択肢を見つけることはできなくなります。
まとめ
これから体力向上のトレーニングに取り組んでみようと考えているアスリートも、すでに取り組んでいるアスリートも、とりあえず数ヶ月間は1つのトレーニングを継続してみてください。
効果を実感できないからといって、数週間程度の短期間でコロコロとプログラムや指導者を変えることはオススメしません。
もちろん、効果のないOR逆にマイナスであるトレーニングを継続してしまうリスクはありますが、それが自分に合わない・効果が出ないとわかるだけでもメリットです。
program hopperになって、いつまでたっても効果が出ないというリスクだけは避けるようにしてください。
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【編集後記】
NHK紅白歌合戦では、米津玄師とMISIAのパフォーマンスが圧巻でした。
「いや〜、コレが歌手だよな!」なんて思いました。