私は、上半身押す系動作のストレングスエクササイズとして「腕立て伏せ」を好んで使っています。
「腕立て伏せなんてラクチンでしょ」と思われがちですが、私の指定するフォームでやってもらうと、自体重でもそこそこキツいです。
私のところに来たばかりのアスリートの場合、自体重で10レップやるだけでヒーヒー言っちゃうことも珍しくありません。
しかし、継続してトレーニングをしていれば、そのうち自体重だけではラクになってくるので、背中にウエイトプレート等を乗せて負荷UPを図ることになります。
たまには自体重で腕立て伏せをやってもらう
背中にウエイトプレートを乗せることで、漸進性過負荷の原則を適用することができるので、そこそこ筋力の強いアスリートでも十分な筋力向上効果を引き出すことが可能です。
しかし、背中にウエイトプレートを乗せて腕立て伏せをやることにはデメリットもあります。
それは、肩甲骨の動きを観察できないことです。単純にウエイトプレートで隠れて見えないんです。
ベンチプレスではなく、あえて腕立て伏せをやることのメリットの1つに、肩甲骨を動かしたり安定させたりする筋群を鍛えられる点があります。
しかし、このようなメリットを享受するためには、腕立て伏せの動作中に肩甲骨を正しく動かす必要があります。
そして、指導しているアスリートが肩甲骨を正しく動かしているかどうかを確認するためには、背中にウエイトプレートがあると邪魔なんです。
そこで、たとえ筋力が十分あって自体重での腕立て伏せではラクすぎてしまうアスリートであっても、たまにはウエイトプレートを背中に乗せずに自体重で腕立て伏せをやってもらい、肩甲骨の動きをチェックするのがオススメです。
たとえば、定期的にエクササイズフォームを見直す時期を設けて、2-3週間は重量よりもフォームを優先して確認・指導するとか。
あるいは、1セットだけウォームアップとして自体重で腕立て伏せをやってもらって肩甲骨の動きを確認してから、2セット目以降は背中にウエイトプレートを乗せてガッツリとトレーニングしてもらうとか。
やり方はどうであれ、定期的に肩甲骨の動きをチェックしておけば、背中にウエイトプレートを乗せた時でも正しい動きで腕立て伏せをして、必要な筋群に刺激を入れることができるようになるはずです。
まとめ
恥ずかしながら、アスリートの腕立て伏せ中の肩甲骨の動きを定期的にチェックすることを怠るというミスを最近してしまいました。
そんな自分に対する戒めとして、今回のブログを書いてみました。
いかにして、定期的に肩甲骨の動きをチェックする仕組みを整えるのかが今後の課題です。
ちなみに、腕立て伏せ中の肩甲骨の動きをチェックする時は、真横からではなく真上から観察するのがオススメです。
参考記事
腕立て伏せの下降局面(エキセントリック)初期に肩甲骨が過剰に内転してしまう場合のコーチングキュー
Scapular Movement During the Push-up
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【編集後記】
昨日はJISSでトレーニング指導。元同僚とおしゃべりをして、他のアスリートやチームがトレーニングをしている様子をチラ見する。フリーランスとしてひとり仕事をやっている今、非常に楽しく貴重な時間です。