#44 体幹スタビリティの重要性をパチンコ(武器)の比喩で説明してみる


 

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一般的に、競技スポーツにおける体幹スタビリティの重要性はいろいろな形で説明されています。例えば、下半身で発揮した力やパワーを上肢または手に持っている物体(ボールとかラケットとかクラブとかバットとか)にしっかりと伝えるためには体幹を固める必要があるとか、体幹スタビリティを鍛える事でカラダの軸がしっかりして姿勢やバランスが良くなるとか・・・。

これらの説明の仕方とは別に、パチンコ(ゴムの力を利用して、ものを飛ばす武器・おもちゃ)を例えに使いながら体幹スタビリティの重要性を説明してみたいと思います。この発想はもともとCharlie Weingroffのもので、体幹だけでなく肩甲骨のスタビリティ等にも当てはまります。

 

「パチンコ」と「体幹スタビリティ」

まず、パチンコを思い浮かべて下さい(上の写真を参考に)。パチンコには「固い持ち手部分」と「柔らかいゴムの部分」があると思います。このパチンコで玉を遠くに飛ばすにはいくつか条件があります。まず、持ち手部分をしっかりと握って固めておく事。ここがフニャフニャしていると、ゴムの部分を強く大きく引っ張る事ができず、玉を遠くに飛ばせません。もうひとつは、ゴムの部分が十分柔らかくて長さもあり大きく引き伸ばせる事。ゴムが固すぎてあるいは短すぎて十分伸びないと、パチンコで玉を遠くに飛ばすのは不可能です。

さて、ここでパチンコを体幹スタビリティの議論に当てはめてみると、体幹が「固い持ち手部分」に当たり、股関節(のモビリティ)が「柔らかいゴムの部分」に当たります。ゴムの部分に当たる股関節がしっかりと伸びる、つまりモビリティがある事が玉を飛ばす絶対条件です。それに加えて、持ち手部分に当たる体幹をしっかり固める事ができると、ゴムをより大きく引っ張る事が可能となる、つまり股関節をより大きな可動域で動かして力を発揮する事が可能となります。これは、より大きな力積を加えられる事を示唆しており、さまざまなパフォーマンス向上に繋がる可能性があります。

 

まとめ

体幹スタビリティは、下肢で発揮された力やパワーを上肢に伝えるために重要なだけでなく、それ自体が下肢の発揮する力の大きさや力を発揮する可動域に影響を与えうるというアイデアがなかなか面白かったので、今回はシェアさせて頂きました。

ここで注意が必要なのは、パチンコはあくまでも例えだという事です。パチンコと人間のカラダ(特に体幹・股関節)は似ているところがありますが、それと同時に異なる部分もあります。例えば、パチンコの持ち手部分をしっかりと固められなかったりゴムの部分が固くて伸びなかったりすると、玉を飛ばせないだけですが、人間のカラダの場合、体幹スタビリティが不足していたり股関節のモビリティが不足していると、それを補う能力が備わっているので、例えば腰椎を屈曲させたりして多少無理をしてでも玉を飛ばしてしまうという事が起こりえます。気をつけましょう。

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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