#117 ボックスジャンプ世界記録!?

公開日: : 最終更新日:2016/06/28 S&Cコーチとしての思考, エクササイズ


 

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ボックスジャンプは着地衝撃による筋や関節へのダメージを最小限におさえつつ、ジャンプ動作をトレーニングできるエクササイズです。ボックスの上に乗るという目標があるのもこのエクササイズのミソで、ただ単純にその場でジャンプをするよりもモチベーションが上がり、トレーニング効果にもポジティブな影響が期待できます。このボックスジャンプで世界記録と主張しているパフォーマンスの動画を発見しました。

ただ単純に見世物として見るとスゴイな〜という感想を持つのですが、S&Cの専門家として見ると、いろいろと考えるところがあります。

 

 

ボックスジャンプでよくある問題点

上記の動画は1つの例ですが、他にも共通してよく見かける問題点を挙げます。

  • ①ジャンプの高さだけでなく、股関節屈曲の柔軟性の勝負みたいなところがある
  • ②ボックスの高さが足りなくなって、バンパープレートを積み重ねている
  • ③飛び乗った後に、飛び降りている

まず①について、ジャンプ能力がまったく同じアスリートが二人いたら、股関節屈曲の柔軟性の高いアスリートのほうがボックスジャンプ勝負には勝つでしょう。でも、そもそもボックスジャンプはジャンプ能力やパワフルな下半身トリプルエクステンションの向上を目的としてやるトレーニングなので、股関節屈曲の柔軟性が高いからより高いボックスに飛び乗れるというのはあまり重要ではありません。逆に、上記の動画の着地の瞬間を見るとあまりにも不自然な体勢での着地となり、限界ギリギリの所でパフォーマンスをしているという事を考えると、ケガにつながるような気がしてなりません。

②については単純に崩れたらあぶね~という感想です。

③については、着地衝撃をおさえるためにボックスジャンプをやっているのに、飛び降りたら意味無いじゃんという感想です。

 

 

じゃあどうすれば良いのか?

上記の問題点を解決するために私が考える解決法を紹介します。

  • ①ボックスジャンプの試技成功の条件を「着地時のスクワットの深さがパラレル以上」とする
  • ②バンパープレートを使わず、安定したボックスのみを使用する
  • ③飛び降りない

まず①について、この方法は、パワークリーンとクリーンの違いを定義する時にキャッチ姿勢の深さがパラレル以下か以上かで判断するのと似ています。着地時の姿勢があまりにも深すぎた場合は失敗試技とみなすことにより、股関節屈曲の柔軟性が関係なくなるし、変な姿勢で着地してどこかを痛めることもないでしょう。たとえボックスの上に着地できたとしても、上の動画のような着地姿勢であれば「アウト!!」としてしまえばいいのです。

②について、①のような条件を導入すれば、そもそもそんなに異常な高さを利用する必要がなくなるので、動画のようにバンパープレートを積み重ねる必要もなくなります。

③について、まあ当たり前のことです。たとえば、着地するのに使うボックスの横にそれよりも低いボックスを用意しておいて、階段を降りるような形にすれば飛び降りる必要はなくなります。あるいは、着地したボックスの上で一度お尻をついて、そーっと降りるのも良いでしょう。

 

 

まとめ

1つのパフォーマンスとしては上の動画は面白いですが、S&Cコーチとしてアスリートをトレーニングするならケガのリスクを最小限に抑えつつトレーニング効果を高める事を優先しなければなりません。

 

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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