#146 S&Cトレーニングが最も貢献できる競技は?

公開日: : 最終更新日:2015/11/26 S&Cコーチとしての思考


 

Machines 91849 640

 

最近はスポーツ界においてS&Cトレーニングの重要性が以前よりも浸透してきており(まだ十分ではないかもしれませんが)、アメフト・ラグビー・陸上投擲種目のようにあきらかにS&Cトレーニングが必要な筋力・パワー系競技だけでなく、持久系競技や技術系競技においてもS&Cトレーニングが取り入れられるようになってきています。

後者のような競技においては、筋力・パワーの能力が高いアスリートが必ずしも勝つわけではなく、S&Cトレーニングを指導している立場としてはもどかしい気持ちになる事もあります。でも、だからといって後者の競技においてS&Cトレーニングを実施する事が無意味であるとは思いません。ある意味、S&Cトレーニングのパフォーマンスアップへの貢献度という点では、後者も前者と同じくらいのものがあるのではないかと思います。その理由を説明します。

 

筋力・パワー系競技以外もS&Cから恩恵を受けることができる理由

  • 筋力・パワー系競技→S&Cトレーニングを実施して筋力・パワー(種目によっては持久力も)を向上させる事が競技パフォーマンス向上に直結しうるが、そのあきらかな重要性のためほとんどのアスリートがS&Cトレーニングを取り入れているため、他のアスリートやチームに対して差をつけづらい
  • 持久系・技術系競技→S&Cトレーニングを実施して筋力・パワー(種目によっては持久力も)を向上させても、その競技パフォーマンス向上効果は間接的でしかも小さいものかもしれないが、あまり多くのアスリートがS&Cトレーニングを取り入れていないため、他のアスリートやチームに対して差をつけやすい

といった理由で、持久系・技術系競技においてもS&Cトレーニングを取り入れることで、取り入れていないアスリートやチームに対して差をつける事は可能だと思います。

ただし、たとえ筋力・パワー面で大きな差をつけても、持久力・技術・戦術といった面で大きな差をつけられていると、競技力という点では全然かなわないという事もあります。例えば、陸上の十種競技の選手(体力がバリバリあるアスリートの例)を連れてきてフェンシングをやらせたら強いフェンサーになるのかと言えば、そんな事は全然ないでしょう。体力面では全然劣るはずの本職のフェンサーにボコボコにやられるはずです。そこには圧倒的な技術・戦術・経験の差があるからです。

だから私はどんな競技においても競技そのものの練習が最も大事だと考えていて、S&Cトレーニングはあくまでも補強であるという客観的な考えを常に忘れないようにしています。そのうえで、「体力が上のアスリートが必ずしも勝つとは限らないけど、同じアスリートがS&Cトレーニングを実施して体力を向上させる事ができれば、そのアスリートが勝つ可能性を高める事はできるはずだ」と信じています。

幸運なことに、私の現在の職場では各競技ですでに国内トップクラスのレベルにあるアスリートをコーチングする機会が揃っています。という事は技術・戦術・経験という面で世界のトップクラスと比べて圧倒的に差がついている可能性は少ないという事になります(競技にもよりますが)。そういった場合に、特に持久系・技術系競技においては世界的にもS&Cトレーニングを取り入れている国はあまり多くないはずなので、一見S&Cトレーニングがパフォーマンス向上に直結しなさそうなこれらの競技においても、S&Cトレーニングを取り入れる事によってパフォーマンス向上に貢献できる可能性があると信じて日々コーチングをしているところです。

 

まとめ

いつも通り、まとまりのない文章になりました。要するに、S&Cトレーニングが貢献できるのは筋力・パワー系競技だけではないというお話です。持久系・技術系競技においても、他のアスリートやチームがS&Cトレーニングを取り入れていないという前提で、パフォーマンス向上に貢献できる可能性が大きくあるのです。まー、後者の競技においてもS&Cトレーニングを実施するのが一般的になってきてしまったら、そこで差をつけるのも難しくなるのですが・・・。

じゃあ、どの競技においてもS&Cトレーニングを実施するのが当たり前になってきたら、どうやって差をつければいいのかと考えると、やはりS&Cトレーニングの質という事になると思います。それはつまり、S&Cトレーニングを提供する我々S&Cコーチの質という事です。ということで、勉強しましょう。

 

※もし記事がお役に立てたり面白いと思って頂けたら、Facebookで「いいね 」を押したりTwitterでつぶやいたりして頂けるとうれしいです (^_^)

関連記事

#29 ブログ紹介:体力向上+Transfer of Training Effectの例

前回のブログで、S&Cプログラムの成功(つまり競技力の向上)のためには以下の2つ

記事を読む

#246 パフォーマンスの制限要因

    先日、スノーボードに行ってきました。私の腕前は「初級の上」くらいです(自己評価)。技

記事を読む

#385 オレゴン大学のS&Cコーチがアメフト選手を病院送りに!!

    年明けにTwitter上で衝撃のニュースを目にしました。米国のオレゴン大学のS&am

記事を読む

#117 ボックスジャンプ世界記録!?

    ボックスジャンプは着地衝撃による筋や関節へのダメージを最小限におさえつつ、ジャンプ動作をト

記事を読む

#281 「効率の良い動きを鍛える」って何?ファンクショ◯ルって何?

    なをきのつぶやき 最近ファンクショナ◯がどーのこーの言っている人たちが、「筋トレだ

記事を読む

#325 ランジ動作で、上体を前傾させるべきか直立に保つべきか?

     基本的に、私がアスリートにランジ動作(例:フォワードランジ、リバースランジ)をやら

記事を読む

#158 過去記事紹介:そもそもトレーニングは必要?

    なかなか自分の書いた文章を読み返すという事はないので

記事を読む

#296 身体的特徴がスクワットのフォームに及ぼす影響

    スクワットのフォームには身体的特徴が大きな影響を及ぼします。「身体的特徴」と一言で言

記事を読む

#211 ウエイトトレーニングを若くから始めてしまうと、大人になってからのパフォーマンスの伸びしろを狭めてしまうのか?

    最近、以下のような趣旨の発言を耳にしました。 高校生くらいの年代のアスリートは技術を磨く

記事を読む

#85 【アスリート向け】可動域をフルに使うことの必要性を直感的に理解してみる

    ※上の画像には特に意味はありません。   フルROMを使ってトレーニングすべき直

記事を読む

  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

    • 1264今日の訪問者数:
    • 663昨日の訪問者数:
PAGE TOP ↑