スクワットのフォームには身体的特徴が大きな影響を及ぼします。
「身体的特徴」と一言で言ってもいろいろありますが、今日お話するのは「各セグメントの長さの比率」です。
身体的特徴とスクワットのフォーム
たとえば大腿部の長さが他のセグメント(下腿や胴体)と比べて長いアスリートの場合、スクワットでパラレルくらいまでしゃがむと上体の前傾が強くなる傾向があります。
逆に、胴体部分の長さが他のセグメントよりも長いアスリートの場合、上体は直立に近くなります(胴長短足はスクワットに向いている体型です)。
しかし、各セグメントの長さの比率によってスクワットのフォームが自動的にカッチリと決まってしまうのかというと、そんなことはありません。
たとえば、大腿部が長いアスリートの場合、上体の前傾が強くなるのは避けられませんが、それでも膝を前方に突き出せば上体の前傾は少し弱まるし、逆にお尻を後方に突き出せば上体の前傾は強まります。
なので、「各セグメントの長さの比率によってフォームのある程度の傾向が決まりますよ。でもその制限範囲内において、鍛えたい筋群etcの目的に応じて多少のフォームのバリエーションをつけることは可能ですよ」ということです。
身体的特徴により鍛える筋群が変わる!?
さらに言うと、同じスクワットというエクササイズをしていても、身体的特徴によってどの筋群にトレーニング刺激が行くかが変わる可能性もあります。
例えば、大腿部が相対的に長いアスリートの場合は上体の前傾が強くなるので、股関節伸展筋群(臀筋、ハムストリング)や脊柱起立筋群への刺激が大きくなると予測できます。
一方、胴体部分が相対的に長いアスリートの場合、上体の前傾が弱くなるのでそれらの筋群に対するトレーニング刺激は相対的に弱くなり、代わりに大腿四頭筋へのトレーニング効果が相対的に強くなると予測できます。
オススメYouTube動画
これらのコンセプトをわかりやすく解説しているYouTube動画を見つけたので紹介します。
英語で話しているので英語の聞き取りと理解ができないと何を言っているのかわからないでしょうが、動画を見ているだけでも言わんとしていることは直感的に理解できると思います。
まとめ
この動画を見ると「上体と下腿が平行になるのがスクワットの適切なフォームだ!」というよく聞く主張が、まったく根拠が無いということが理解できるかと思います。
適切なフォームがどのように見えるのかは、目的によっても違うし、アスリートの身体的特徴によっても違うということです。
根拠の無い枠組みにアスリートを無理やり当てはめるのではなく、アスリートの個性を考慮に入れてトレーニング指導をしたいものです。
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【編集後記】
電車の中あるある → 電車の中(もしくは公共の場所全般)でイチャイチャしているカップルは不細◯。