#525 ウエイトトレーニングを始めて数週間でパフォーマンス向上に繋がることはありうるのか?

 

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ウエイトトレーニングがすぐにパフォーマンス向上に結びつく?

ウエイトトレーニングの指導を開始したばかりのアスリートから「なんか、競技中の動きが改善されてきた気がするんですけど」と言われることがあります。つい最近もありましたし、過去にも何人かそのようなコメントをするアスリートがいました。

ウエイトトレーニングの効果が実際の競技力向上に繋がる実感を得るまでには、長い時間を要するものだと私は考えています。早くても数ヶ月、通常は年単位の時間がかかるものと捉えています。

#327 トレーニング効果が競技成績向上に結びつく実感を得るのにかかる時間

 

したがって、そういうコメントをするアスリートに対しては、「気のせいじゃない?トレーニングは魔法じゃないから、そんなにすぐにパフォーマンスは向上しないと思うけど」と正直に伝えるようにしてきました。

もちろん、ウエイトトレーニングをやり始めたアスリートがその効果を感じてくれて、その後さらに真面目に取り組んでくれるキッカケになるのであれば、「ウエイトトレーニングの効果がすぐに出た」と、わざと勘違いさせたままにしておくという手もあるかもしれません。「気のせいじゃない?」なんてバカ正直に伝えることもないかもしれません。

しかし、実際には、トレーニングはコツコツと継続するのが何より大切なものです。魔法のように、ちょっとトレーニングすればすぐに結果が出ると勘違いしてしまうと、長期的には悪影響が出て来る恐れがあります。

具体的には、トレーニングを継続してもパフォーマンスが向上せずに停滞してしまうと、トレーニングをすぐにやめてしまったり、トレーニング内容をコロコロと変えてしまったり、というマイナスの行動に繋がりかねないのです。

したがって、「ウエイトトレーニングを始めてすぐにパフォーマンスが改善された」と勘違いさせておくことの短期的なメリット(=その後、積極的にトレーニングに取り組んでくれる)と長期的なリスク(=パフォーマンスが伸び悩む時期にトレーニングをコツコツと継続してくれる可能性が低くなる) を天秤にかけて、私は正直に「気のせいじゃない?トレーニングは魔法じゃないから、そんなにすぐにパフォーマンスは向上しないと思うけど」と伝える選択をしているのです。

 

 

実際に短期間でパフォーマンスが向上する可能性

しかし、ウエイトトレーニングを開始してわずか数週間という段階で、「なんか、競技中の動きが改善されてきた気がするんですけど」とコメントしてくるアスリートが1人や2人ではなく、結構たくさんいることから、もしかしたら実際に短期間であってもパフォーマンスにポジティブな影響を及ぼす可能性があるのでは?と考えるようになってきました。

まず、筋力の向上や柔軟性の向上という点でいうと、数週間という短い期間であっても、ウエイトトレーニング中に変わってきたな〜と感じることはあります。しかし、それがすぐにパフォーマンスの変化に繋がるレベルかというと、やはり疑問です。

今、私が持っている仮説としては、ウエイトトレーニング中に指導している「力の入れ方」のようなものが、競技中にも役に立っているという可能性です。

たとえば下半身のトレーニングにおいては、大殿筋を含む股関節周りの筋群(私は「ケツ」と呼んでいます)を意識して使ってもらうよう声がけをしていますし、ケツを使うようなフォームでエクササイズを実施させています。

この「ケツを使う」「ケツに力を入れる」ということは、多くのアスリートが苦手としている部分であり、逆に言うと普段あまり意識していない部分でもあります。

ウエイトトレーニング中にそこを意識して繰り返し動くことにより、競技中にもケツを意識して動くようになり、それが「動作の改善」という実感に繋がっているのではないかという仮説です。

あくまでも仮説であり、それを検証するのは難しいですが、可能性としてはありえるのではないかと考えています。

 

 

まとめ

あまりにも多くのアスリートが、ウエイトトレーニング開始数週間という段階で、「なんか、競技中の動きが改善されてきた気がするんですけど」と訴えてくることがあったので、私なりに妄想しながら仮説を立ててみました。

その結果、昔は「気のせいじゃない?トレーニングは魔法じゃないから、そんなにすぐにパフォーマンスは向上しないと思うけど」と反応していたのが、「もしかしたらウエイトトレーニング中に意識している力の入れ方が、競技中の動作にもポジティブな影響を及ぼしているのかもしれないね。でも、真の意味で筋力や柔軟性といった体力が向上して、それが競技力向上に結びつくまでには長い時間がかかるから、コツコツとトレーニングを継続していきましょう!」と答えるようになりました。

せっかくのアスリートの主観にもとづいた訴えを全否定するよりも、その可能性を認めつつ、ただしトレーニングは長期的にコツコツ取り組むものだというところも押さえている後者の対応のほうがはるかに良いと思っています。

 

 

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【編集後記】

最近はプライベートも落ち着いてきたので、セミナーをたくさん受講しています。昔と比べると、セミナーの選び方も上手になってきたので、このセミナーはハズレだったな〜と思うことも少なくなってきました。でも、時には、イチかバチかでハズレのリスクが高いセミナーも受講したほうがいいんじゃないかと考えています。自分でセミナー業をしており、ハズレのセミナーに参加しても、それはそれで反面教師として学ぶことができるので、完全に無駄にはならないはずなので。