サッカーリオW杯で日本代表が期待された成績を出せなかった原因の1つとして、強化担当者は「コンディション調整の不備」を挙げ、離日前に鹿児島県指宿市で実施した強化合宿によって疲労が蓄積した可能性について言及しました。
参考 W杯惨敗の原因はコンディション調整の不備 原専務理事が報告また、日本サッカー協会の元会長も「準備段階で犯した最大のミスが、指宿で愚かなトレーニングキャンプを行ったこと」と語っています。
参考 岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー
私もW杯直前の時期にメディアで報道されていた内容から想像を巡らし、コンディション調整に失敗するんじゃないかと危惧を抱いていました。
しかし、メディアに出てくる情報は必ずしも現場で起こっていることを正確に伝えていないと経験上知っていたので、直接的に批判することは避けました。
あくまでも「一度ハードな練習・トレーニングで身体を追い込んでおいて、その後徐々に練習・トレーニングの量を減らしていくことによって、疲労が抜けていき、次第に身体のキレや運動量も増えていく」といった一部メディアの論調に対して反対する、という態度をとるにとどめました。
しかし、W杯終了後に出てきた情報から判断すると、やはりコンディション調整の方法に問題があったんだと今では確信しています。
そもそも現場にいた強化担当者がそう認めているのですから外部の人間が否定しようがありません。
日本代表が敗退した直後にこの件について改めてブログ記事を書こうと思っていたのですが、なんだか結果論みたいに受け取られそうな気がして嫌だったので、この話題についてはちょっと寝かせていました。
W杯が終了してから少し時間もたったし、現場責任者もミスだったと認めていることだから、そろそろ書いてもいいかな〜と思ったので書きます。
しかし、もう終わったことに対して今更批判してもしょうがないし、外野からゴチャゴチャ言ってサッカー界を変えようという気もないので、あくまでも今回のW杯日本代表のコンディション調整ミスをケーススタディとして参考にさせてもらって、S&Cコーチとしての知識を深めていきたいと思います。
さて、そもそもなぜこのようなコンディション調整のミスを犯してしまったのでしょうか?
私はコンディション調整の責任者(誰だかはわかりませんが)の知識のなさ、勉強不足が原因だと思います。
特に、2つの点について勉強不足だったのではないかと推測します:
- 「超回復理論」と「フィットネスー疲労理論」をそもそも知らない、あるいは2つのモデルの違いを理解していない
- テクノロジーを使った「ハイテクトレーニング」が「科学的なトレーニング」であると勘違いしている
それぞれについての詳しい話は、次回以降に数回に渡って書いていこうと思います。
最近は長文記事を書く気力がないので、書く内容を短く区切って書いていきます。
たぶん、そっちのほうが読みやすいだろうし・・・。
2022/11/12追記;詳しい話を書いた記事は以下の2つです:
#207 超回復理論 vs. フィットネスー疲労理論 #208 「ハイテクトレーニング」と「科学的トレーニング」を混同するな!
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【編集後記】
LoadingとかUnloadingとか言わないで、エキセントリック・コンセントリックって言えや〜って思う今日このごろ。
特に、科学的な根拠にもとづいてトレーニング指導していると謳うなら。