筋トレに対してネガティブな印象を持っているアスリートやコーチは未だにいます。
その理由はさまざまでしょうが、1つの理由として「競技中の動きが固くなる」という考えがあります。
では、実際に筋トレをすると競技中の動きが固くなってしまうことはあるのでしょうか?
筋トレすると動きが固くなる?
「筋トレすると競技中の動きが固くなる」という恐れから、筋トレを避けたり、あまり積極的に取り組まなかったりするアスリートは、そもそも「柔らかい動き」が持ち味の場合が多いです。
「筋トレして筋肉が太くなったり筋力がUPしたりすると、その持ち味が失われるのでは?」とか「私の持ち味は筋力を使わない『柔らかい動き』なんだから、筋トレなんかする必要はない!」という間違った考えが根底にあるのだと思います。
もったいないし、残念なことです。
①筋トレをしても柔軟性は失われない!
まず、筋トレをしたからといって、柔軟性が失われるということはありません!
たしかに、可動域を制限した筋トレばかりしていれば柔軟性が失われる可能性はあります。
しかし、可動域を大きく使った筋トレをすれば、柔軟性が失われるどころか改善させることができます。
もし、過去に筋トレをして身体が固くなった経験をしたアスリートがいたら、筋トレの「やり方」が悪かった可能性が高いです。
②筋トレをしても柔らかい動きは失われない!
筋トレで柔軟性は失われなくても、筋力がUPすることによって余計な力が入って、動き自体の柔らかさが失われるのでは?と考える人もいますが、そんなことはありません。
もし、筋トレをして筋力UPすると自動的に動きの柔らかさが失われてしまうのであれば、ウエイトリフターやボディビルダーは普通に歩くときもガチガチに力が入って、ぎこちない動きで歩くことになってしまいます。
実際にそんなことないのはあきらかです。
また、その考え方を逆に当てはめると、筋力の低い子どもや老人のほうが柔らかい動きができる、ということになるはずですが、それも実際はそんなことはありません。
むしろ、子どもや老人のほうがロボットみたいなカクカクとした柔らかくない動きをしますよね。
したがって、筋トレをして筋力UPしたうえで、力みのない「柔らかい動き」をすれば良いだけです。
筋力が強いと「柔らかい動き」ができないなんてことはありません。
③むしろ動きの幅が広がるはず!
筋トレをしたからといって、それまでの「柔らかい動き」が失われるわけではありません。
その一方で、それまで筋力不足のため実施できなかった「パワフルな動き」もできるようになる可能性があります。
結果として動きの幅(あるいは動きの選択肢)は広がるはずです。
④傷害リスクの低減につながる!
また、「動きの幅が広がると、逆にどの動きを選択して良いのか迷ってしまって、パフォーマンスが下がる」と心配されるのであれば、競技中はこれまでどおりの「柔らかい動き」のみを使えば良いのです。
べつに「パワフルな動き」ができる能力を手に入れたからといって、それを使わないといけないなんてことはありません。
しかし、せっかく筋トレをして筋力UPをしたのに、競技中は「パワフルな動き」を使わないという選択をあえてするのであれば、そもそも筋トレをする意味がないと思われるかもしれません。
でもそんなことはありません。
筋トレをすれば、ケガをしづらい身体を作ることができるというメリットは享受できます。
したがって、筋トレ前と変わらない「柔らかい動き」のみを競技中に使うとしても、筋トレの効果は決して無駄にはなりません。
» 参考:【論文レビュー】ウエイトトレーニングを実施するとケガを1/3以下に減らすことができる
まとめ
「筋トレをすると動きが固くなる」と考えているアスリートやコーチがいたら勿体ないです。
そんなことないんだから、怖がらずに積極的に筋トレをして、その恩恵を受けて欲しいものです。
まずは、その固い頭を柔らかくしてみてはいかがでしょうか?
※やり方によっては可動域が低下する可能性はあるので、適切なやり方を適切な専門家から教わることをオススメします。
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【編集後記】
フェンシングの世界ジュニア選手権で、男子フルーレ団体で日本が金メダルを獲得しました!
せっかくの快挙なので、暗いニュースばかりじゃなくてこういう明るいニュースももっと取り上げてほしいものです。
フェンシングの世界ジュニア・カデ選手権最終日、ジュニア男子フルーレ団体で決勝に進んだ日本(松山恭助選手、敷根崇裕選手、西藤俊哉選手、鈴村健太選手)がイタリアを45-44で破り、金メダルを獲得しました。#フェンシング https://t.co/Abfc33VZNd
— 日本オリンピック委員会(JOC) (@Japan_Olympic)