#234 【論文レビュー】ウエイトトレーニングを実施するとケガを1/3以下に減らすことができる

※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています

 

636012565425563042 63926717 acl injury2

 

久しぶりの論文レビューです。

各種の運動の傷害予防効果についてメタ分析をした論文を紹介します。

 

 

論文内容

Lauersen et al. (2014) The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Sports Med. 48(11):871-7

 

分析内容

ウエイトトレーニング、ストレッチ、固有受容器トレーニングの3種類の運動の傷害予防効果について、過去に発表された25本の論文(被験者総数26610人、傷害数3464)のデータ用いてメタ分析を実施。

 

結果

ストレッチには傷害予防効果が見られなかった。

固有受容器トレーニングと筋力トレーニングには傷害予防効果が見られた。

特にウエイトトレーニングは傷害数を1/3以下まで減少させる効果が見られた。

また、3種類の運動を組み合わせた場合も傷害予防効果が見られたが、その効果はウエイトトレーニングを単独で用いた場合ほどでは無かった。

 

Limitation

このメタ分析に用いられたウエイトトレーニングの効果に関する論文は4本、固有受容器トレーニングの効果に関する論文は6本、ストレッチの効果に関する論文は3本、残りの12本は運動を組み合わせた時の効果に関するものだった。  

 

 

まとめ

このメタ分析によって、NSCAなどが提唱している「筋力トレーニングの傷害予防効果」がさらに裏付けられました。

具体的に言うと、ウエイトトレーニングを実施することでケガの発生率を1/3以下に減らすことができるということです。

一方で、ストレッチの傷害予防効果は認められませんでした。

しかし、これらの分析に用いられた論文数はそれほど多くないので、それを考慮に入れたうえで本研究の結果を解釈する必要があります。

それにしたって、ウエイトトレーニングの傷害予防効果は明白だと個人的には思うのですが、いかがでしょうか?

 

2017/8/5追記:大学のかな〜り下の後輩の佐々部くんがこの論文を1つの図にまとめていてわかりやすいので紹介しておきます

スポーツ傷害予防への運動介入の効果:ストレッチ vs 筋力トレーニング vs 固有受容器トレーニング

 

 

||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

体幹トレーニングだけやっていればいいという風潮が嫌で嫌でしょうがないです。

「体幹は重要ですか?」と聞かれれば、「重要です」と答えるでしょう。でもその答えには続きがあって「脚も重要だし、お尻も重要だし、背中も重要だし、腕も重要です。全部重要です。体幹も重要だけど、あくまでも全身の一部に過ぎません」となります。

さらに言うと、「体幹は重要ですかって聞くけど、そもそもあなたの言う『体幹』って何ですか?定義を教えて下さい」ってツッコんでやります。ほとんどの人が明確に答えられないと思います。