ヒップスラストというエクササイズがあります(動画↓)。
このエクササイズ自体は昔からやられていたはずですが、アメリカ人のBret Contrerasというストレングスコーチの影響で、ここ7~8年で人気が急上昇した印象があります。
ヒップスラストは「単関節アシスタンスエクササイズ」
やったことがある人はわかると思いますが、おもいっきりケツ(大臀筋)に効きます。
「ヒップスラストやるとケツが割れそうになります」って言うと、「ケツはもう割れてるから!」とツッコまれます。
ヒップスラストあるあるです。
冗談はさておき、ヒップスラストは基本的に股関節だけ動かす「単関節エクササイズ」です。
一般的に、単関節エクササイズでは、特定の筋肉にフォーカスしやすく、フォームもそれほど難しくないので、いわゆる「効かせやすい」という特徴があります。
ヒップスラストでケツが割れそうになるのは、効いているということでもあります。
競技アスリートのトレーニングにおいては、スクワットやデッドリフトのような多関節エクササイズで高重量を用いて鍛えておいた上で、さらに個々の筋肉にフォーカスして刺激を加えるという目的で単関節エクササイズが使われることが多いです。
前者を「メインエクササイズ」、後者を「アシスタンスエクササイズ」と分類することもあります。
ヒップスラストは単関節エクササイズのわりにかなり高重量が扱えるので、もしかしたらスクワットやデッドリフトに並ぶメインエクササイズになりうるのではないか?と考えた時期もありました。
しかし、ヒップスラストはあくまでも単関節エクササイズです。
ケツに効かせるのが重要なのです。
高重量を挙上することにこだわると、ケツ以外の筋肉も動員するようになり、結果としてヒップスラストの最大のメリットであるケツにフォーカスする効果が半減してしまいます。
重量にこだわると可動域も狭くなりがちです。
ということで、現時点においては、私の中でのヒップスラストの位置づけは「単関節アシスタンスエクササイズ」というものに落ち着いています。
重量よりも効かせることを優先する
一般論として、単関節アシスタンスエクササイズは、メインエクササイズだけでは鍛えきれないような筋肉や弱点の部位にさらに刺激を入れて筋肥大を促すような目的で使われます。
ヒップスラストでは高重量を扱いやすいので、どんどん挙上重量が増えていくのが面白く、挙上重量を追求したくなる誘惑があります。
しかし、挙上重量を追求すると、勢いを使ったり他の筋群を動員したりしてケツへの刺激が弱まり、また可動域が狭くなって股関節がしっかり伸展し切れなくなったりという弊害が起こりがちです。
それでは、せっかくのヒップスラストの特徴というか良さを活かしきれません。
あくまでもヒップスラストは単関節アシスタンスエクササイズなんだ、と割り切って、効かせることを優先したほうがこのエクササイズのメリットを享受できます。
しっかりと可動域を使って股関節を伸ばし切る、ケツを使っている感覚を感じながら丁寧にやる、動きをしっかりとコントロールする(特にエキセントリック)といった、単関節アシスタンスエクササイズに共通したポイントを抑えながら実施するよう意識してみてください。
まとめ
ヒップスラストの人気が出始めた頃は、非常に興味を惹かれました。
そして、自分でやってみたり、アスリートのプログラムに加えたりして、このエクササイズをどのように捉えたら良いのだろうと試行錯誤してきました。
そのうえでの、現時点での私の結論としては、スクワットやデッドリフトのような多関節メインエクササイズに取って代わるようなものではないし、それらに並ぶようなものでもないということです。
ヒップスラストはあくまでも「単関節アシスタンスエクササイズ」です。
ただし、単関節アシスタンスエクササイズというのは意味がないわけではなく、多関節メインエクササイズを補完する意味では、非常に使えるエクササイズです。
ケツにフォーカスして効かせることができるし、股関節伸展位でもっとも負荷がかかるという特徴はスクワットやデッドリフトとは異なります。
また、トレーニングをはじめたばかりで、ケツの筋力が弱いアスリートの場合は、最初のとっかかりとして非常に使えるエクササイズでもあります。
ヒップスラストというエクササイズの特徴や役割を的確に把握した上で、適切な使い方をしてあげるのが大切です。
今回は、現時点における、私なりのヒップスラストの捉え方をシェアしてみました。
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【編集後記】
昨日は個別コンサルティングを受けてきました。freeeというクラウド会計ソフトを使っているのですが、それの使い方についてのレクチャーやセッティングをお願いしました。単純な意味でのソフトの使い方ではなく、私なりの仕事のやり方に特化した使い方を教えてもらいました。これは本を読んだりセミナーに参加するだけでは難しいことなので、個別コンサルティングという形式がピッタリでした。