初の著書「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」が発売されて2ヶ月が経ちました。
当初は、Amazonで予約をしていただいたのに、発売日を過ぎてもなかなか発送されなかったり、すぐに在庫切れになったりもしましたが、それもだいぶ落ち着いてきました。
本を書くと印税収入でウハウハになるか?
私の周りで「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」を読んでいただいた方からポジティブなフィードバックをいただく機会もチラホラあり、執筆作業は大変だったけど書いた甲斐があったな〜と感じているところです。
ただし、実際のところは、印税収入でウハウハといったことは全くありません。
特に、私が書ける本は一般向けではなく専門書なので、売れる部数にも限りがあり、印税生活なんて夢のまた夢です。
それでも、フリーランスS&Cコーチとしては、本を書いて良かったな〜と思います。
印税収入以外にもメリットがあるからです。
S&Cコーチが本を書くメリット
あらためて、S&Cコーチが本を書くことのメリットを整理してみます。
私自身、将来、本を書くオファーを新たにいただいた時に、見返して判断材料にできるように。
そして、読者の方が、本を書いて出版する方向性を目指すかどうかを判断する参考になるように。
具体的には、4つあります;
- ① 印税収入
- ② 自分の知識の整理
- ③ なんかスゴイと思われる(とくに専門家以外から)
- ④ 発信する媒体を増やすことができる
① 印税収入
執筆にかかった時間や労力を考えると、印税収入はそれほど多くないです。
また、すでに述べたように、印税収入だけで食っていけるなんてことはありません。
だから、印税収入だけをメリットと捉えて本を執筆をすると、割に合わないです。
それでも、フリーランスS&Cコーチとして「トレーニング指導業」「セミナー業」「コンサルティング業」「出版業」「ブログ業」という複数の事業を展開している状況では、1つの事業だけで食べていけるほどの収入を目指していないので、それほど多くはなくとも、それなりの収入を「出版業」から得られるのはメリットです。
仕事を分散しているという前提があれば、印税収入は売上の柱の1つになりえます。
なぜ本を書くのか。0冊のときでも10冊書いた今でも変わらぬ理由。 EX-ITブログ
② 自分の知識の整理
あるテーマについて本を執筆するということは、自分はそのテーマに詳しいということです。
もともとそのテーマについての知識は頭の中に入っているはずです。
しかし、他の人に理解してもらえるように伝えることを目指して本を執筆すると、もともと持っていた知識を整理するのに役立ちます。
今回、私は「テーパリング」をテーマに執筆をしましたが、もともとそうしたテーマについては勉強を重ねて理解していましたし、実際にアスリートのためにテーパリングを計画・運用してきた経験もありました。
それでも、やはり本を執筆する作業を経験すると、テーパリングについての知識が整理され、理解度もはるかに深まりました。
印税収入だけを考えると割に合わないかもしれませんが、お金をいただいて自分の知識の整理をする・勉強をさせてもらうと考えてみると、本を書くことには大きなメリットがあると言えます。
③ なんかスゴイと思われる(とくに専門家以外から)
私はブログで自分の知識や考え方をお伝えしているので、それを読んだ専門家の方からは「河森なかなかやるな」と評価していただける自信はあります。
しかし、専門家でない方からすると、ブログを読むだけでは、私がまともなことを言っているのかどうか判断をするのは難しいでしょう。
とくにアスリートの立場からすると、いろいろなトレーニング方法をいろいろな専門家が提唱している現状では、誰が正しいのか判断するのは至難の業です。
そういう時に、出版社からの依頼を受けて本を執筆し、それが書店で売られているという事実は、ある種の「権威付け」のような役割を果たしてくれるのではないかと期待できます。
一般的に、ブログよりも本のほうが世間からの信頼性が高いのです。
もちろん、本を書く時は論文を発表する時の「査読」のような審査はないので、何の根拠もない著者の個人的な意見を垂れ流しているような胡散臭い本もたくさん存在します。
だから、本が出版されて売られているからといって著書の主張が正しいとか認められているとかいうわけではありません。
それでも、どれだけ「俺はブログで正しい情報を発信してるんだ!」と主張しても専門家以外の方にとっては本当かどうか判断をしようがないのであれば、「本を書いています」という事実を持って信用していただける可能性を高めることができるのであれば、それは本を書くメリットであると言えます。
また、専門家ではない家族や親戚に対しても、「本を出版している」という事実は、なんとなくスゴイのねと思ってもらう効果が大きいです。
大きな組織に属さずフリーランスで活動している立場としては、そのような効果はメリットだと言えます。
④ 発信する媒体を増やすことができる
私はブログやTwitterを中心に発信していますが、それだけだとネットをあまり使わない方に届けるのは難しいです。
そのようなネットを使わない層に向けて私が伝えたいことを届けるチャンスを広げるという意味でも、出版という媒体を持っておくことはメリットが大きいです。
ネットはやらないけど本は読む、という方々にお届けできる可能性が広がるのです。
あるいは、ネットはやっているけど、まだ私のブログやSNSをフォローしてくれていない方々が、私の本を読んだことをキッカケに、それらをフォローしてくれるようになる可能性もあります。
また、ネットで私が発信しているものを読んでいただいている方々に対しても、それとは別の媒体として本も読んでいただく機会があると、専門家としての信頼性も増すはずです。
つらくても出版する価値はある。ネットと本というチャネルづくり。 EX-ITブログ
まとめ
初の著書が出版されてから時間がたち、少し落ち着いた今、本を書くメリットを自分なりにまとめてみました。
印税収入は売上の柱の1つとして重要ですが、さすがにそれだけだと割に合わないので、他のメリットも意識しつつ、それを積極的に獲りに行くつもりで出版業に向き合っていく決意です。
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【編集後記】
Bリーグもシーズン終盤ですね。来シーズンに向けて、またアピールしないとな・・・。