#669 筋トレのバリエーションをエクササイズでつけるか強度×量でつけるか

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筋トレ(=ウエイトトレーニング)のプログラムを作成する時に、「バリエーション」をどうつけるかはS&Cコーチの腕の見せどころです。

プログラム内容を一切変えずにずーっと同じトレーニングをやっていると、そのうち「プラトー」に陥ります。

「プラトー」というのは一時的な停滞状態を指し、トレーニングを一生懸命やっているのにもかかわらず、筋力が向上しなくなる現象のことをいいます。

また、プラトーに陥らなかったとしても、まったく同じプログラムを継続するよりも、プログラムの内容に変化(=バリエーション)をつけたほうがトレーニング効果が高まるという研究結果も数多く存在します。

このバリエーションをつけるという考え方を体系化したのが「期分け」とか「ピリオダイゼーション」と呼ばれるものになるのでしょう。

 

 

バリエーションをつけるプログラム変数

「プログラムにバリエーションをつける」と一言でいっても、バリエーションをつけられるプログラム変数は数多くあります。

その中でもバリエーションをつけるうえでメインの変数となるのは、以下の2つになります:

  • ①エクササイズ
  • ②強度×量

 

①エクササイズ

エクササイズでバリエーションをつける場合、定期的に実施するエクササイズを変更することになります。

とはいえ、まったく別物にガラッと変えるというよりは、同じ部位または同じ動きをターゲットにした類似エクササイズに変えるのが一般的です。

バックスクワットをフロントスクワットにするとか、バーベルベントオーバーロウをワンハンドダンベルロウにするとか。

少なくともメイン種目に関しては、そのようなマイナーチェンジに留めることが多いでしょう。

一方、アシスタント種目に関しては、定期的にガラッとエクササイズを変える場合もあるかもしれません。

 

 

②強度×量

ウエイトトレーニングにおける強度と量に関しては、一般的には「反比例」の関係にあります。

つまり、強度を増やす場合は量を減らし、量を増やす場合は強度を減らすということです。

強度も量も増やすことはあまりないでしょう。

強度も量も減らすことは、リカバリー目的でやる可能性はありますが、頻度は少なく期間も短いので例外とみなして大丈夫でしょう。

 

そう考えると、ざっくりわけて「強度高い×量少ない」「強度低い×量多い」「強度中くらい×量中くらい」というバリエーションを定期的につけることになります。

昔ながらの古典的なペリオダイゼーションにおいては、「強度低い×量多い」→「強度中くらい×量中くらい」→「強度高い×量少ない」という形で、数ヶ月かけて強度を増やしていき、量を減らしていきます。

また、近年提唱されている「Daily Undulating Periodization」においては、1週間のなかで、「強度高い×量少ない」「強度低い×量多い」「強度中くらい×量中くらい」のバリエーションをつけます。

 

 

筋トレのバリエーションをエクササイズでつけるか強度x量でつけるか

実際にウエイトトレーニングのプログラムを作成する時には、エクササイズと強度×量の両方のバリエーションを上手に組み込むのが重要です。

で、私の場合は、エクササイズのバリエーションはそれほど頻繁につけません。とくにメイン種目は。

逆に、強度×量は平均して4週間単位で変えるようにしています。

なぜ、エクササイズのバリエーションはあまりつけないのでしょうか?

  • 理由①:同じエクササイズをやりこみたい
  • 理由②:過負荷をかけづらい
  • 理由③:筋力が向上しているか把握しづらい
  • 理由④:過度な筋肉痛を避けたい

 

理由①:同じエクササイズをやりこみたい

私が作るプログラムにおいて、メイン種目はフリーウエイトの多関節エクササイズを取り入れることがほとんどです。

そして、そのエクササイズのターゲットを明確にしたうえで、健康的にそれを達成するために、ある意味とても面倒くさいフォームでやってもらいます。

結果として、フォーム習得が難しくなり、時間も労力もかかるので、同じエクササイズをやりこんでもらうことを優先しています。

コロコロとエクササイズを変えていてはフォームの習得が難しくなり、狙ったトレーニング効果を得ることが難しくなってしまうからです。

 

これは、競技力向上を目的にウエイトトレーニングを実施するアスリートだから当てはまることかもしれません。

たとえば、一般の方が見た目をよくするために筋トレをするのであれば、フォーム習得が容易なマシンエクササイズや単関節エクササイズを中心にプログラムを組んでもいいでしょう。

そして、その場合は同じエクササイズをやりこんでフォームを習得する必要性は下がります。

むしろ、飽きずに継続して筋トレをすることを優先して、エクササイズを定期的に変えるほうがいいかもしれません。

 

 

理由②:過負荷をかけづらい

たとえば4週間ごとにエクササイズを変えるとします。

たとえ、バックスクワットをフロントスクワットに変える程度のマイナーバリエーションであっても、変更した直後は新しいエクササイズのフォームを習得する(もしくは以前にやっていたのであれば思い出す)必要があります。

そのため、筋力のポテンシャル的には100kg挙げられたとしても、フォームの習得(再学習)のために最初の1週間は90kgしか挙げられないようなことが想定されます。

となると、この最初の1週間は、しっかりと過負荷をかけられていないことになり、筋力向上効果が少し下がってしまいます。

まあ、エクササイズがマイナー変化すること自体が身体にとって新しい刺激になるので、負荷が足りない点を補ってくれる可能性はありますが。

とはいえ、4週間に1回エクササイズを変えると、4週間のうち1週間程度はしっかりと過負荷がかけられないとなると、個人的には頻度として高すぎるかな〜と感じます。

まあ、トレーニング上級者があえて4週間に1回Deload Weekを取り入れるとして、4週間に1回エクササイズを変えて、新しいエクササイズのフォームを習得(再学習)するために一時的に負荷を減らす週をDeload Weekとして使うというやり方も考えられなくはないですが・・・。

» 参考:Deload Weekに似たコンセプトの「Intro Week」とは?

 

 

理由③:筋力が向上しているか把握しづらい

また、エクササイズを頻繁にコロコロと変えてしまうと、筋力が向上しているかどうか把握しづらいということもあります。

同じエクササイズをやりこむことで、そのエクササイズにおける挙上重量が増えていけば、筋力も向上しているものと想定することができます。

しかし、コロコロとエクササイズを変えてしまうと、その把握が難しくなります。

 

 

理由④:過度な筋肉痛を避けたい

ウエイトトレーニングをやっていると筋肉痛は避けられません。

しかし、アスリートの場合は、筋肉痛が競技練習に悪影響を及ぼしうるので、できるだけ筋肉痛が起こらないようにしたいです。

で、筋肉痛がどういう時に起こりやすいかといえば、身体が慣れていないストレスを受けた時です。

頻繁にエクササイズを変えると、それだけ頻繁に筋肉痛が起こりやすくなります。

もちろん、強度×量を変えたときも筋肉痛が起こることはありますが、エクササイズを変える時ほどは、ひどくならないケースが多いです。

 

 

まとめ

ウエイトトレーニングにおいては、定期的にプログラムにバリエーションを組み込むことで、プラトーを避けつつ、より大きなトレーニング効果を引き出すことが可能になります。

アスリートの競技力向上のためのウエイトトレーニングであれば、私はエクササイズよりも強度×量でバリエーションをつけることが多いということを紹介しました。

 

これは、必ずしもエクササイズのバリエーションを一切つけないということではありません。

バリエーションをつける「頻度」という点で、エクササイズはそれほど頻繁に変えないということです。

イメージ的には、強度×量は4週間ごとに変えるところ、エクササイズは数ヶ月単位でバリエーションをつけるという感じです。

また、本当にメインの種目に関しては、ずーっとプログラムに入れ続けて、徹底的にやり込んでもらうことも多いです。

 

ただし、アスリート以外の方の場合は、頻繁にエクササイズを変えてモチベーション維持に役立てるのもアリです。

筋肉痛が来ないとトレーニングやった気にならないというM気質の方もいるかもしれませんし。

当ブログでも何度も言っているように、目的によって適切な手段は変わるということです。

 

 

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【編集後記】

最近、笹かまにハマっています。