こんにちは、河森です。
アスリートの競技力向上のためのトレーニング指導をしているS&Cコーチです。
現在はフリーランスとして活動しています。
専門家にとっての「書く」仕事
私は2011年からブログを書き始めて、今でも続いています。
これだけ続いているのは、それなりのメリットがあるからです。
そのメリットの1つが、「自分の思考を深めることができる」という点です。
なんとなく頭の中で考えるだけでなく、文章という形で言語化するプロセスを経ることで、さらに深く考えることができます。
また、自分の書いた文章を読み直すことも、自分の考えを深めるのにとても役立ちます。
究極的には「考えること=書くこと」なので、書かなければ考えていないのと同じことだと言ってもいいくらいだと思っています。
また、「書く」仕事ということでは、ブログだけでなく本の執筆もしています。
すでに1冊、「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」という本を書きました。
そして、現在は2冊めの「競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方(仮)」を執筆中です。
ブログも本も「自分の思考を深めることができる」という点では同じなのですが、ちょっとだけそれぞれ異なるメリットを得ることができるな〜と感じているので、それをシェアしてみます。
ブログと本で異なる「書く」ことのメリット
①ブログを書くメリット
ブログを書くことの大きなメリットは、考える習慣が身につくことです。
これはあくまでも定期的にブログを書くことが前提でのメリットなので、たとえば月に1回しかブログを更新しないような場合には当てはまりません。
しかし、ある程度定期的にブログを書いているのであれば、それだけ日常的に考える機会を設けていることになります。
考えることが当たり前になるし、考える癖が身につきます。
また、定期的に考えることが1年・2年・3年・・・と積み重なっていくと、それは自分にとって大きな財産となります。
過去に考えたことがブログという形で残されているので、それを読み返せば、自分が過去に考えた内容を再確認することも可能です。
②本を書くメリット
本を書くには、基本的には出版社からオファーをいただく必要があります。
しかし、人気作家でもないかぎりは、次から次へとオファーをいただくことはありません。
ということは、本を書くという仕事は不定期なものであり、ブログを書くような「考えることの習慣化」というメリットを享受することは難しいです。
その代わり、ブログにはない、本を書くことならではのメリットもあります。
それは、自分が持っている知識を整理して体系化することができるという点です。
一般的に、ブログの1記事はそれほど文字数は多くないので、小さなテーマに絞って書くことになります。
一方、本のほうが文字数も多いので、もっと大きなテーマについて書くことができます。
イメージとしては、ブログに書くような小さなテーマをいくつも繋げて1つのストーリーとして構築するのが本の執筆という仕事です。
これは、ブログを書いていなくて本だけを書くような場合であっても、基本的には同じことです。
本の章立てをするような作業は、本全体の構成を小さなテーマ(章)にわけて考えて、それを繋げて1つのストーリー(=本)を作り上げるということなので。
本を書くときには、この「1つのストーリーとして構築する」というのがとても重要です。
たまに、ブログ記事をまとめて本として出版されたものを読む機会がありますが、ただブログ記事を収録しただけみたいな本はつまらないし、それならブログだけ読んでおけばいいなと思うこともあります。
そういう本は「1つのストーリーとして構築する」という視点が抜けているのでしょう。
読者としてもつまらないし、本を書く立場としても、それだと「知識の体系化」というメリットを享受することはできません。
1つ1つの小さなテーマをただ並べるのではなく、知識の全体像を見据えた上で、各テーマがその全体像のどの部分に当てはまるのか、そして、各テーマがお互いにどのような関係性にあって、それをどのような順番で提示するのがわかりやすいのか。
そういったことを考えながら本を書き上げることによって「知識の体系化」を図ることができます。
これはブログを書くだけでは得ることのできない、本ならではのメリットです。
イメージとしては、小さなテーマについて書くのがパズルのピースを作り上げる作業で、それらを繋げて1つのストーリーとして構築するのがパズルを完成させる作業に似ているかもしれません。
まとめ
ブログを書く。本を書く。どちらも「書く」仕事であり、「自分の思考を深めることができる」というメリットを享受できる点は共通です。
しかし、異なる部分もあり、ブログは「考えることの習慣化」に適しており、本は「知識の体系化」に適しています。
両方のメリットを享受することで、専門家としてのスキルを磨くことに繋がっていくと思います。
S&Cコーチだからといって、トレーニング指導の数さえこなせばスキルが磨かれるってわけではなく、書くことで考える機会を設けることも大切です。
ぜひとも、多くのS&Cコーチにまずはブログを書き始めていただき、将来的には本の執筆まで繋げていただければと思います。
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【編集後記】
昨日はラグビーW杯のフランス対アルゼンチン戦を東京スタジアムに観戦に行きました。
日本戦じゃないからそんなに観客いないかな〜と思いきや、44000人ほどの入場者数で、だいぶ混み合っていました。
試合も競り合った面白い内容でしたし、フランス人とアルゼンチン人のファンの応援合戦の雰囲気も味わえて、よい経験になりました。
スタジアム内は日本じゃないような雰囲気でしたね。
来年の東京オリンピックも同じように海外から多くのお客さんが来るんだろうな〜と想像できて、楽しみになりました。
まだチケットが1枚も手に入ってないけど・・・。