最初にトレーニングを教える時の進め方
以前のブログでも書いたのですが、アスリートやチームと契約をしてトレーニング指導を始める時は、トレーニング経験者だろうが未経験者だろうが、まずは同じやり方で初歩的なことからやってもらいます。
初歩的なことができたら次の段階に進み、それができたらまた次の段階に進む・・・という感じです。
イメージとしては、「A→B→C→D・・・」みたいな感じでトレーニングを段階的に進めていくロードマップが私の頭の中に存在していて、その順番どおりに進めていくわけです。
#690 筋トレ経験者のアスリートが初めて私のもとに来た時のトレーニングの進め方
無理してトレーニングを先に進めず、初歩的な部分に時間をかけることが必要な場合もある
アスリートとして必要な筋力や柔軟性がすでに備わっている場合は、どんどん「A→B→C→D・・・」という感じでトレーニングの段階を次から次へと進めていくことができます。
しかし、それらが備わっていない場合は、初歩的なトレーニングである「A」の部分にしっかりと取り組んでもらう必要があります。
そして、場合によっては、「A」の部分を習得するのに時間がかかってしまうこともあります。
この「A」の段階でやってもらうことは基礎中の基礎であるはずです。
その後トレーニングを継続していく上でも、まずは絶対にマスターしておく必要がある初歩的なことです。
だからこそ、1番最初にやってもらうわけです。
そんな「A」の習得に時間がかかってしまうと、なかなかトレーニングを先に進めることができません。
指導する側としてはちょっと焦れったいところではあります。
また、「河森はいつまで初歩的なことばっかりやってるんだ」とアスリートや競技コーチから思われないかな〜と不安になることもあります。
そういう状況におかれたときに、とりあえず先の段階に進めちゃおうかな〜という誘惑に駆られるかもしれません。
しかし、ここでガマンができるかどうかが、S&Cコーチとしての能力を分けると私は考えています。
これが今日のブログで一番伝えたいところです。
ガマンが大事なんだ、と。
ここでガマンができずに、妥協して先の段階に進めてしまうと、後で必ず問題が起こってしまいます。
そもそも、「A」の段階でやってもらうことは、その後トレーニングを継続していく上でも、まずは絶対にマスターしておく必要がある初歩的なことであるはずです。
それをマスターできてもいないのに先に進めてしまうと、BやCの段階でエクササイズのフォームが崩れるORそもそも適切なフォームで実施できない等の問題に直面し、結局は「A」の段階に戻って再び初歩的なことをやり直す、なんてことになってしまいます。
「A」の段階で時間をかけるよりも、そっちのほうが遠回りです。
初歩的な段階で時間がかかってしまうと不安になってしまうかもしれません。
しかし、長期的な視点で考えると、ここで時間をかけて初歩的なことをしっかりと習得させておくことが、結局のところは近道なのです。
まさに「急がば廻れ」です。
まとめ
S&Cコーチの皆さんは、ぜひとも「いつまでこんな簡単なことやらせんだよ」「早く他のエクササイズも教えろよ」みたいな競技コーチやアスリートからの見えないプレッシャーをはねのけるだけの鋼鉄の心を持ってください。
そして、そのような鋼鉄の心を持つためには「急がば廻れ」なんだということをしっかりと理解しておくことが必要です。
さらには、「A」の段階で習得してもらうことが、その後トレーニングを継続してもらう上で、どうしてもマスターしておく必要がある絶対的に重要なものなんだ、と自信を持って言えるだけの「理屈」を持っておくことも大切です。
つまり、「なぜ」それを最初の段階でやって習得する必要があるのかをトコトン考えておくということです。
「絶対にそれを習得しておくことが、今後トレーニングを段階的に進めていく上では必要なんだ」と自信を持って言い切れるだけの「理屈」さえ持っておけば、ガマンをすることができるようになるはずです。
参考 1番最初に教えるウェイト運動は何か?GS Performanceブログ
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【編集後記】
昨日からメールコンサルティングを実施しています。
メールコンサルティングにお申し込みいただくと、3日間メールでご質問していただけるルールにしていますが、2日間でもいいかな〜と検討中です。