私は継続学習を重視しており、インプット型学習のメインとして読書を重視しています。
また、単純に、趣味として読書が好きということもあります。
とくに、スマホでKindleを読むようになってからは、読書量が一気に増えました。
#572 スマホでのKindle読書に慣れると電車移動中の時間が有効に使えるようになる
2018年ラストのブログとして、今年読んでよかった本を5冊選んでみました。
2018年に読んでよかった本ベスト5
順不同で紹介していきます。
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
今年は「論文の読み方入門セミナー」を2回開催しました。
それに向けて準備をしている時に、日本語で書かれている「論文の読み方」関連本を何冊か読みました。
その中でも、とくにわかりやすく、オススメしたいのが本書です。
研究に関する「考え方」を学ぶことができる良書です。
「俺が現役のときは〇〇をやって活躍したから、オマエも〇〇やれ!」という、元アスリートの指導者がよく使う理屈が、いかに的はずれであるかが理解できるようになります、
不合理だらけの日本スポーツ界
今年は、パワハラ問題がスポーツ界のいたるところで噴出しました。
とくにインパクトが大きかったのが、日大アメフト部の悪質タックル事件でしょう。
その事件が起きる少し前に、こちらの本を読んで、とても共感して、ブログでも紹介していました。
#534 【書籍紹介】不合理だらけの日本スポーツ界私はもともと日本のスポーツ界に存在する理不尽や不合理な部分が大嫌いでした。
今までは、権力を持つ人達がスポーツの狭い世界の中だけで事件を抑え込んで外に出ることを防げていたのかもしれません。
しかし、SNS等が発展し、誰もが情報を発信できる力を持った今、それは難しくなっています。
これは、ある意味、理不尽や不合理を取り除くチャンスでもあります。
アメリカがすべての面で優れていてパーフェクトだとは思いませんが、参考にできる部分は多いと思います。
日本のスポーツ界とは異なるアメリカのスポーツ界を知ることで、はじめて日本のスポーツ界にはびこる理不尽や不合理について理解できるはずです。
S&Cコーチにかぎらず、スポーツに関わるすべての指導者に読んでもらいたい一冊です。
お客様は「えこひいき」しなさい! 3倍売れる「顧客差別」の方法
フリーランスとして独立してからは、ビジネス関連書も読むようになりました。
その中でも、本書が今年の中ではもっとも印象に残っています。
私はジム(施設)を自分で持っているわけではないので、トレーニング指導のクライアントさんを次から次へと新規獲得する必要性は少ないです。
そもそも、ひとりひとりのアスリートと向き合い、競技スケジュールや競技特性についての知識を深めた上で、ベストなサービスを提供しようと思うと、それほど多くのクライアントを抱えることはできません。
だから、もともと、既存のクライアントの皆さんを大切にする気持ちは強いつもりでした。
しかし、本書を読んでからは、さらにその気持を強めようと思いました。
たとえば、トレーニング指導料の値引きを要求してくるようなアスリートがいても、絶対に断ります。
既存のクライアントの皆さんは正規の料金を払っていただいているわけです。
それなのに、値引きを要求してくるアスリートを受け入れたら、アンフェアです。
そして、私が新規の方に値引きをしていることを既存のクライアントさんが知って、私に幻滅して、契約を切られるようなことになったら大変です。
正規の料金をお支払いしてくださるクライアントさんが去り、値引きを要求するクライアントさんが残ることになるわけですから。
同じことはトレーニング指導のクライアントさんだけでなく、たとえば個別コンサルをご利用いただくお客様にも当てはまります。
ときどき、「河森さんとお話をさせていただきたいのですが、お時間を作っていただけますか?」というお問い合わせをいただきます。
しかし、有料メニューとして個別コンサルティングを出していて、そこに安くない料金をお支払いいただきご利用くださるお客様がいるわけです。
そうしたお客様のほうが私にとってははるかに大切なわけなので、無料で相談に乗るわけにはいきません。
自分が誰のために働きたいのか、そして、誰の役に立ちたいのか。
そこを考え直すキッカケとなりました。
既存のクライアントさんやお客様をもっとも大切にする。
私自身の中で、その強い軸を作り上げることができたのは、本書を読んだおかげです。読んでよかったと思います。
スポーツ栄養学: 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる
栄養というのは自分があまり得意な分野ではなく、勉強をして知識を深めようと思い、本書を手に取りました。
具体的にアスリートは何を食べれば良いか(=What)を解説した本ではありません。
科学にもとづいて、「Why」の部分についてわかりやすく説明している本です。
私自身、トレーニングに関しては、何をやるかよりもなぜやるか、つまり「Why」を重視しており、同じフィロソフィーに共感しました。
また、科学的知見を踏まえながら文章を書くと、普通は堅苦しい文章になりがちですが、本書は違います。
どんどん次を読みたいと思えるほど、わかりやすく読みやすい文章で書かれていました。
栄養の基礎について学びたい方にはオススメの本です。
ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−
こちらは私が書いた初の著書になります。
自らの著書を「2018年に読んでよかった本ベスト5」に選出するなんて、「ただの宣伝かよ」「河森はどんだけ自分のことが好きなんだ」と思われるかもしれません。
でも、控えめに言っても、本書は心からオススメできる良書です。
自分で書いた文章ではありますが、書き終わってからしばらくたつと、書いた内容のことを結構忘れてきてしまっています。
急に「この本のここに書いてあることについて質問したいのですが」と言われても、「あれ、俺、そんなこと書いたっけ」となる可能性は大です。
それだけ自分で書いた内容を忘れかけていた本書ですが、逆に言うと、しばらくたってから読んでみると、客観的に読むことができるようになるということでもあります。
そして、客観的な視点で読んだ時に、「われながらイイこと書いてあるな、わかりやすいな」と思えたのです。
S&Cコーチだけでなく、競技コーチにぜひとも読んでいただきたい内容です。
また、アスリートが読んでも、理解できるくらいわかりやすく書かれています。
重要な試合にむけて、コンディションを調整し、自分のピークのパフォーマンスを披露することができるアスリートがひとりでも増えることを願います。
まとめ
読書はとても手軽に安価に情報をインプットすることができる手段です。
10冊読んで1冊でも自分に影響を与える本に出会えたら大当たりだと思って、どんどん多読をしてみましょう!
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【編集後記】
ゲーム・オブ・スローンズという海外ドラマにハマっていると前回書きましたが、早くもシーズン1を観終わりました。やばい、次が気になってしょうがない・・・。