今日は「不合理だらけの日本スポーツ界」という本を紹介します。
すでに、Twitterや本ブログの編集後記で紹介したのですが、日大アメフト部の危険タックルが話題になっている今、スポーツに関わる全ての人に読んでもらいたいと思い、改めてブログ記事で紹介をします。
不合理だらけの日本スポーツ界
著者は米国スタンフォード大学のアメフト部でオフェンシブ・アシスタントを務められている河田 剛 さんという方です。
アメリカの大学スポーツで働かれている経験をもとに、日本とアメリカの事情を比較しながら、アメリカの合理性と日本の不合理性について書かれています。
私は個人的に日本の体育会系的な不合理性が嫌いです。
大学スポーツでよく耳にする「1年は奴隷、2年は平民、3年は天皇、4年は神様」みたいのなんか「バ◯じゃないの?」と思います。
また、監督を選ぶときにOB会の権力が強かったり、卒業生から限定して選んだり、なんていうのも嫌いです。他大出身でもいいから優秀な指導者を選べばいいのに、と思います。
指導者が絶対的な存在で、なぜその練習をするのか等について質問することすら許されないような雰囲気も嫌いです。
私もアメリカ留学中は、大学院生アシスタントS&Cコーチとして大学スポーツに関わりました。
先輩後輩みたいな上下関係はないし、アスリートはコーチにもどんどん質問します。ちゃんと答えられないと、アスリートから信頼してもらえません。
また、結果を残した優秀な指導者はどんどん引き抜かれていきます。給料もどんどん上がります。どこの大学OBか、なんて関係ない、完全な実力社会です。
アメリカのシステムはすごいな〜と圧倒されたものです。日本もこうならないかな〜と考えていました。
もともと、そんな考え方を持っていたので、本書を読んだ時は「そうそう、そうなんだよな〜」と共感しました。
日本でも、日本版NCAA創設の話も出ているし、どんどん合理的な方向に変わっていけばいいのにな〜と思い、Twitterや本ブログの編集後記で本書をご紹介しました。
しかし、その一方で、「そんな簡単には変わらないんだろうな・・・」という諦めにも近い気持ちがあったのも事実です。
そんな中、日大アメフト部の危険タックル問題がどんどん大きくなっていきました。
個人的には、あれは、あの危険なタックルが動画におさめられてネット上で拡散したから話題になっただけで、表には出てきていないけどあれに近いような状況は日本中に溢れていると思っています。
何年か前に、大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒が顧問から体罰を受けて自殺した事件がありましたが、あれも基本的には同じことではないでしょうか。
もう体罰をしたり精神的にプレッシャーをかけたりするような指導者は淘汰されるべき時代に来ていると思います。たとえ、勝利という結果を出している指導者であったとしても。
日大アメフト部の危険タックル問題がこれだけ大きな問題になっている今は、逆に変わるチャンスです。
今、体罰をしている指導者がすぐに変わるとは思いません。しかし、今、現役のアスリートをしていて、将来、指導者になる人達には、今回の問題をキッカケとして、新しいタイプの指導者を目指してほしいです。
そして、今回紹介している「不合理だらけの日本スポーツ界」を読んでもらえると、頭をガツンとやられるくらいの衝撃を受けるはずです。アメリカのシステムはそれほど進んでいるのです。
まとめ
とりあえず、日本のスポーツ界、特に学生スポーツ界は大きく変わる必要があると思います。その変わる方向性の手本として、アメリカのシステムは非常に参考になります。
必ずしもアメリカのシステムがすべて良いというわけではないですし、その点は著者も本文中で何度も繰り返しおっしゃっていますが、日本の学生スポーツ界の現状と比べるとはるかに優れているのは間違いないです。
ぜひとも、スポーツに関わるすべてのアスリート、指導者、スタッフに読んでいただきたい一冊です。
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【編集後記】
Bリーグのシーズンが終わりましたね。2シーズンが終わりましたが、外野から見ていると、やはりプロ化して良かったんじゃないかなと思います。企業チームに所属していた選手は安定を失ったかもしれませんが、バスケ選手としては、より多くのファンに観てもらえている今の環境のほうが本望なのではないでしょうか?もちろん、セカンドキャリアはしっかり考えないといけないと思いますが。