アスリートがウエイトトレーニングをやっているときに、どの位置からフォームを観察して指導すればいいのか?
結構大切なことだと思うのですが、教科書等にはあまり書かれていません。
そんなトピックについて考えてみます。
ウエイトトレーニングを指導するときの立ち位置
大雑把に言うと、ウエイトトレーニングを指導するときの立ち位置は2つあります;
立ち位置①:後ろ
立ち位置②:横
この2つの立ち位置を、エクササイズの種類や確認したいポイントによって使い分けるのがよいでしょう。
それぞれの立ち位置でチェックしやすいポイントを考えてみます。
立ち位置①:後ろ
後ろから見やすいのは、左右に関わるポイントが多いです。
- 手幅
- 足幅
- つま先の向き
- 膝の向き・開き具合(例:スクワット、ランジ)
- 脇の開き具合(例:腕立て伏せ)
- バーを左右均等に握っているか・担いでいるか
立ち位置②:横
横から見やすいのは、前後・上下に関わるポイントが多いです。
- 腰が丸まっていないか
- 足・膝・股関節の位置や角度
- 可動域(例:スクワットの深さ)
- 前後の足幅(例:スプリットスクワット、ランジ)
- 動作スピード
- 重心の位置(前後)
立ち位置の比率
「後ろ」と「横」の2つの立ち位置を、うまく使い分けるのがウエイトトレーニング指導のポイントです。
そして、この2つの立ち位置の比率は、「後ろ:横=1:9」程度が適切であると考えられます。 ※数字は以下の参考記事から拝借しました。
参考 スクワットはどこから見るか?GS Performanceブログ
後ろからチェックしやすいのは、手幅や足幅など、実際にエクササイズを開始する前の「セッティング(≒開始姿勢)」に関する項目が多いです(もちろん例外もあります)。
一方、横からチェックしやすいのは、エクササイズ実施中の「動作」に関する項目が多いです。
したがって、基本的には、まずは後ろから「セッティング」に問題がないかを確認して、その後、セットが始まったら横に移動して、「動作」を確認するのがオススメです。
結果として、ウエイトトレーニング指導においては、多くの時間を「横」の立ち位置で過ごすことになるはずです。
たまに、セット中に膝の開き具合などが気になったときに、後ろに回って「動作」をチェックする等の例外はもちろんあります。
そこは臨機応変に使い分けていただければ。
横から観察するときの姿勢
立ち位置のトピックに関連して、観察する時の「姿勢」についても触れてみます。
とくに横からウエイトトレーニングの動作を観察するときに、「片膝立ち」もしくは「そんきょ」のようなしゃがんだ姿勢になることが私は多いです。
そっちのほうがなんとなく見やすいから無意識にやっていました。
理由について改めて考えてみると、おそらく「目線の高さを下げたい」ということなんだろうと思います。
「自分が一番チェックしたいもの」と「目線」の高さを合わせるのがもっとも観察しやすい姿勢であり、ウエイトトレーニングの多くの場合、立った姿勢よりも目線を下げたほうが、それらの「高さ」がマッチするのです。
たとえば、デッドリフトやスクワットにおいては、股関節や膝関節等の位置や角度であったり、腰が丸まっていないかであったり、そういったところを重点的にチェックしたいので、目線の高さを下げたほうが観察しやすいのです。
逆に言うと、オーバーヘッドプレスのような動作の場合は、私も立ったまま動作を観察します。
私がチェックしたいものの位置が高いから、それに合わせて目線も高くキープしたいからでしょう。
そう考えると、結局のところ、立った姿勢がいいとかしゃがんだ姿勢がいいとかいうことではなくて、「自分が一番チェックしたいもの」と「目線」の高さを合わせるのが重要なんだと考えられます。
まとめ
ウエイトトレーニングを指導する時は、後ろと横の2つの立ち位置があります。
横から観察することを基本としつつ、目的に応じて後ろから観察するのも組み合わせるやり方がベストでしょう。
また、自分がチェックしたいものに合わせて、視線の高さを変えることも1つの指導テクニックです。
あらためて、ウエイトトレーニング指導時の立ち位置と姿勢を考えるきっかけにしていただければ。
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【編集後記】
昨年末にビックカメラのオンラインストアでiPad Pro買ったんですが、メーカーから納品の回答が来ないとかいって1ヶ月たっても送られてこなかったので、注文をキャンセルして、Appleストアで注文し直しました。ビックカメラポイント獲得できなくなったけど、さすがにこれ以上待てない・・・。