#390 【アスリート向け】ウエイトトレーニングで大きな筋肉を鍛えるよりも先に、体幹(深層部)の筋肉を使えるようにしたほうがいいって本当かしら?

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ツイッター上での質問に対する回答をブログにしたら面白いと思ったので、書きます。

 

 

ツイッター上での質問

私が注目した質問は

こんにちは。高校野球をしているのですがトレーナーのかたはウエイトが悪いとは言わないのですが体幹(深層部)の筋肉が使えてこないと力を発揮する大きな筋肉も使えないと日頃からおっしゃっています。この考え方は悪いことか気になったのでよければ回答お願いします。

というものです。

これは、私と一緒に加賀さんのセミナーを受けていた新盛さんの下記ツイートに対する質問でした:

 

ツイッター上では字数制限もあり明確には述べられていないですが、私が予想するに、上記の質問者に対して「体幹(深層部)の筋肉が使えてこないと・・・」と言ったトレーナーさんは、以下の2点を前提にお話をされているのだろうと思われます:

  • ウエイトトレーニングによって鍛えられるのは「力を発揮する大きな筋肉」だけで、「体幹(深層部)の筋肉」は鍛えられない
  • 「体幹(深層部)の筋肉」を鍛えるには、いわゆる「体幹(コア)トレ」なるものをやる必要がある

で、ツイッター上で書かれている内容と上記2つの前提を合わせて考えてみると、このトレーナーさんの言わんとしていることは、「ウエイトトレーニングをやっても体幹(深層部)の筋肉は鍛えらず、力を発揮する大きな筋肉しか鍛えられないから、まずは体幹(深層部)の筋肉を鍛えて使えるようにしておかないと、せっかく鍛えた大きな筋肉も使えず意味がない。そして、体幹(深層部)の筋肉を鍛えるためには、ウエイトトレーニングではなく体幹(コア)トレをする必要がある」ということなんじゃないかと予想されます。

 

 

私の反論

もしかしたら、上記の私の予想はトレーナーさんの意図したものとは多少ズレているかもしれませんが、同じような主張をする人は他にもいるので、どっちにしろ反論しておくことに意味はあるはずです。

で、上記のような主張を冷静かつ論理的に見てみると、大きな矛盾が含まれているのがよくわかります。

まず、「体幹(深層部)の筋肉が使えてこないと力を発揮する大きな筋肉も使えない」「ウエイトトレーニングでは体幹(深層部)の筋肉は鍛えられない」という2点が正しいと仮定すると、ウエイトトレーニングだけやっている人は「体幹(深層部)の筋肉」をうまく使えない(=鍛えられていない)ので、そもそも「力を発揮する大きな筋肉」も使えない(=鍛えられない)ということになり、大きな矛盾が生じます。

じゃあいったいウエイトトレーニングはどこの筋肉を鍛えてるんですかい?ってことです。

もし、「力を発揮する大きな筋肉」を使うためには「体幹(深層部)の筋肉」が使えていないとダメで、ウエイトトレーニングを実施すると「力を発揮する大きな筋肉」が鍛えられるのであれば、ウエイトトレーニング中にも「体幹(深層部)の筋肉」が使えているってことにはなりませんか?(大いなる矛盾!!)

 

百歩譲って、ウエイトトレーニングの内容がマシンエクササイズ中心のものであれば、いわゆる「体幹(深層部)の筋肉」が使えない状態でも、「力を発揮する大きな筋肉」だけを鍛えるということは起こりうるのかもしれません。

マシンのシートや背もたれが外から安定性を与えてくれるからです。

しかし、まともなS&Cコーチであれば、アスリート向けのウエイトトレーニングにおいては、バーベルやダンベルを使ったフリーウエイトエクササイズを中心にプログラムを作るはずです。

そして、フリーウエイトエクササイズであれば、いわゆる「体幹(深層部)の筋肉」をうまく使って安定性をキープしつつ「力を発揮する大きな筋肉」を鍛えないといけないので、ツイッター上の質問でのトレーナーさんの主張はナンセンスであるということになります。

 

 

まとめ

「体幹(コア)トレ」推しのトレーナーの99%は、フリーウエイトを中心としたまともなウエイトトレーニングを経験したことがないんだろうと思います。

やってみれば、ウエイトトレーニングだけではいわゆる「体幹(深層部)の筋肉」が鍛えられないなんて口にできないはずです。

ちなみに、私は普段「体幹(深層部)の筋肉」とか「力を発揮する大きな筋肉」とかいう言い方はしないんですが、今回は相手の土俵に立って議論をするためにあえて使ってみました。

 

2022/12/4追記

体幹とかコアについて科学的根拠に基づいた理解を深めたい方は、谷本道哉先生のFacebookページで共有されていたこちらのプレセンスライドをご一読されることをオススメします。

 

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【編集後記】

フリーランスとして独立するまで、あと1週間・・・。