こんにちは、河森です。
アスリートの競技力向上のためのトレーニング指導をしているS&Cコーチです。
アメリカとオーストラリアの大学院に留学してスポーツ科学を学び、博士号も持っています。
ちょっと内容がわかりづらいタイトルになりましたが。
先日、バスケW杯が終わったタイミングで、以下のようなブログを書きました。
どちらも、W杯での日本代表のプレーを見た印象と、実際にプレーした日本代表選手たちのインタビューコメントをもとにして、「おそらく選手たちはこういう経験をして、こういうふうに感じたんだろうな」と想像をめぐらして書いたものです。
そして、そこから浮かび上がった課題を分析し、私なりに解決策について提案しました。
そこで提案したのは、ざっくり言うと
「ウエイトトレーニングをやって筋力を高めましょう」「それにプラスしてフィジカルコンタクトのスキルを磨きましょう」ということでした。
アスリートとしての経験がなくても、理詰めでトコトン考えれば、解決策は見えてくる
で、ここで疑問を持たれた読者がいるはずです。
「W杯で海外チームとガチンコ勝負をした日本代表選手しか経験できないようなことを、なんで河森はわかっているのか?っていうか、本当にわかっているのか?」と。
まっとうな疑問だと思います。
正直言って、彼らが経験した「感覚」は私にはさっぱり分かりません。
その「感覚」は実際にプレーした彼らだけのものですから。
だからこそ、その貴重な経験を日本のバスケ関係者にぜひともシェアしてもらいたいと思のですが。
じゃあ、その「感覚」を経験もしていない私が、なぜ彼らが直面したであろう課題を分析して、解決策まで提案できたのか?
それは、トレーニング指導の専門家として、「理詰め」でトコトン考えているからです。
べつに私自身が海外チームとのガチンコ勝負を身をもって経験しなくても、理詰めでトコトン考えさえすれば、冒頭で紹介した2つのブログ記事で書いたような結論に辿り着くことは可能です。
そして、私が理詰めで考えるうえでの基礎となっているのが、大学院まで行って博士号を取得する過程で得た科学的知識や科学的なものの考え方、そして、さまざまな競技のアスリートに対して競技力向上のためのトレーニング指導を提供してきた経験です。
面白いのが、「理詰め」で考えた私の結論と、実際に経験した選手たちの「感覚」がほぼ同じ結論にたどり着いたという点です。
まあ、私が直接選手たちに尋ねたわけではないので、私の推測でしかないのですが、とくに篠山選手のインタビューコメントを読んでいると、おそらく同じ結論にたどり着いていると思われます。
たとえ「感覚」として経験をしても、それをうまく自分の頭の中で処理して言語化できないと、解決策も導けないし、周りとシェアすることもできないはずですが、おそらく篠山選手はこの言語化能力が優れているのでしょう。
経験がない分、理詰めでアスリートを超えていく
私自身はアスリートとして高いレベルで活躍をした実績はありません。
それでも、S&Cコーチとして、オリンピック出場選手やプロアスリート等のレベルの高いアスリートに対してトレーニング指導を提供しています。
また、自分では一度もやったことのないような競技のアスリートであってもトレーニング指導を実施できています。
アスリートとしての自身の経験を武器にすることができないぶん、理詰めでトコトン考えることを武器にしているのです。
そして、理詰めでトコトン考えることさえできれば、アスリートたちの経験や感覚に追いつくことも可能です。
というよりも、指導する立場にあるのであれば、アスリートたちの経験や感覚に追いつくだけでは足りなくて、むしろそれを超えて先行するところまでたどり着けるようにトコトン理詰めで考えるくらいじゃないとダメだと思います。
私もそこを目指して、日々、自分の知識やスキルを磨いています。
さきほども説明したように、たとえアスリートしての実績があったとしても、自身の経験を言語化できていないと、指導する立場になったとしても、それを他のアスリートに伝えることはできないし、再現性もありません。
だからこそ、自分自身のアスリートとしての実績や経験があろうとなかろうと、理詰めでトコトン考えるというのは全ての指導者に求められることです。
そこをおろそかにして、「俺が現役の時はこうやっていた」という指導の仕方しかできない人には、私は負けないだけの自信があります。
そもそも、自身のアスリートとしての経験だけを武器に指導をしていたら、自分の実績を超えるようなアスリートは指導できないってことになってしまいますからね。
まとめ
アスリートとしてトップレベルの実績を持っていて、現役引退後にS&Cコーチに転身する、という方はあまりいません。
多くのS&Cコーチは、アスリートとしての実績は自分よりも上のアスリートに対してトレーニング指導をされているはずです。
そこを卑屈に感じる必要はありませんし、知識・スキルを磨いて、理詰めでトコトン考えることをすれば、少なくとも専門分野であるトレーニングについては、アスリート達を超えて先行するところまでたどり着けるはずです。
むしろ、アスリートとしての実績では劣っている我々が指導をさせてもらうのであれば、経験や実績以外の部分、つまり専門分野については自信をもって教えられるように、圧倒的な知識やスキルを磨いておくことが義務だと思います。
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【編集後記】
娘が離乳食を食べ始めて体重が重くなってきました。長時間抱っこしていると、上腕二頭筋と手首が悲鳴をあげます。そして、最近はお風呂に入れていると、私の左乳首をつねってきます。痛いです。