昨日、NHK番組「オイコノミア」を見ました。
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが経済学についてわかりやすく伝えてくれる番組です。
「毎回欠かさず見る」とか「必ず録画する」とかではないですが、結構好きな番組のひとつです。
面白い回とそうでもない回とがあるのですが、昨日は「アタリ」でした。
「マンガとアニメ 熱〜い現場の経済学」というテーマでした。
スポーツ業界とは直接は関係のない内容でしたが、フリーランスとしての働き方として、個人的に参考になる部分があったので、備忘録としてブログに書いておきます。
継続可能なビジネスにするには「好きだからやってるんでしょ?」で済まさない
マンガやアニメ業界は、かなり低賃金で長時間労働という状況があるそうです。
特に新人アニメーターの場合、平均労働時間が11時間で、平均年収は111万円ほどとのこと。かなりブラックな業界ですね・・・。
その結果、新人アニメーターの3年以内の離職率は80%とのこと。
こんな状況が続いたら、そもそもアニメ業界を支える人材がいなくなって業界そのものが廃れてしまうはずです。
そんな中、製造業からアニメーション制作会社へ転身された塩田周三さんという方の取り組みが紹介されていました。
塩田さんは、製造業で培った知識を活かして、アニメ製造現場での効率化や生産性の改善に取り組まれて、それが労働環境の改善につながり、結果としてクリエイティビティも向上したとのこと。
ただし、旧来のやり方を変えて効率を求めることに対して、当初はスタッフからの反発もあったそうです。
しかし、「24時間寝ずに作業するなんて何日できるんだ?」「ビジネスは継続性が大事だ」「たまには頑張らないといけないこともあるけど、基本は夜しっかり寝て、朝起きて、働いて、収益を上げて、給料を払い続けるのがビジネスだ」との想いで改善を進めたとのこと。
「いや〜、本当にそうだよな!」と共感をしながら観ていました。
トレーナーやS&Cコーチ業界にも似たようなところがある気がします。
長い拘束時間のわりに、対価は多くないけど、スポーツ業界で働いたりアスリートに貢献するのが「好きだからやってるんでしょ?」で済まそうとしている状況。
必要以上にダラダラと現場にいる時間を削って効率化すれば、拘束時間は短くて済むし、そのぶん他にも仕事をすることができるようになるので、トータルの収入は増えるはずです。
トレーナーやS&Cコーチを雇う側の立場で考えても、フルタイムで雇うために十分な対価を支払うだけの予算が無かったとしても、効率を高めることでパートタイム契約でも十分なサービスを受けることができるようになれば、大きなメリットだと思うんです。
たとえば、S&Cコーチを雇う予算が限られている場合、経験が少なく能力もそれほど高くない若手S&Cコーチとフルタイムで契約するオプションに加えて、経験もあり能力も高いS&Cコーチとパートタイムで契約するオプションも選択肢に入ってきます。
専門以外の雑用もやらせてこき使いたいのであれば前者のオプションを選択するのもいいですし、チームやアスリートが勝つために専門性を発揮してほしいなら後者のオプションが適切なはずです。
もちろん、専門性の高いスタッフを、しっかりとした対価を支払ってフルタイムで雇えるだけの潤沢な予算があれば問題ないのですが。
「フリーミアム」というビジネスモデル
番組では「フリーミアム」という言葉が紹介されていました。
基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や継続を希望する場合などに課金する仕組みとのこと。
一見、無料でサービスを提供してしまうと売上が下がってしまうのではと心配になりますが、無料サービスの提供コストが非常に小さい場合は、結果として成功につながるケースが多いようです。
「フリーミアム」について詳しく知りたい方は、こちらの書籍を読んでみてください。
で、私が提供しているサービスを振り返ってみると、これまで意識はしていませんでしたが、この「フリーミアム」というビジネスモデルを自然と取り入れていることに気づきました。
つまり、ブログが無料で提供しているサービスで、それ以上のサービスを求める方に対しては、セミナーや個別コンサルティングという有料サービスを提供しているという形です。
「あれだけの情報を提供しているブログが無料なんてもったいないですよ」と言われることが多いのですが、この「フリーミアム」というビジネスモデルが有効であるなら、ブログを無料で続けることは全然もったいないことではないはずです。
提供コストは私がブログを書くのに費やす時間だけですし(ブログ運営費も安価で済んでいます)。
だから、これからもブログは無料で出し惜しみすることなく続けていこうと思います。
参考 有料の価値を上げるために、無料の価値を上げ続けるEX-IT効率化で独立を楽しく
一方で、アスリート向けのサービスという点では「トレーニング指導」という有料サービスは提供していますが、そこに繋げるための無料サービスは特に設けていません。
「フリーミアム」というモデルを適用するのであれば、「無料トレーニングサービス」のようなものを設けたほうが良いのかもしれませんが、これは提供コストが高すぎて、うまくいくとは思えません。
まとめ
たまたまオイコノミアのアタリ回を観たので、インスピレーションを得てブログ記事にしてみました。
そもそもブログを書いていなかったら、「そうだよな〜」で済ましていたはずですが、ブログを書いているおかげで「これはネタになるな」と思い、色々と調べてみたり自分の頭のなかでも深く考える機会になりました。
これもブログを書く効果のひとつかもしれません。
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【編集後記】
台風一過は暑い・・・。