S&Cコーチに必要な2大スキルは「エクササイズ指導」と「プログラムデザイン」です。
まずはこれを身に付けないと始まりませんし、常に磨き続ける必要があるスキルです。
しかし、この2つのスキルだけ身に付けておけば良いS&Cコーチになれるのかというと、そうでもないです。
S&Cコーチとしての考え方
じゃあ、上記の2つのスキル以外に、良いS&Cコーチになるために何が必要なのか?
それは「S&Cコーチとしての考え方」です。
「考え方」ってなんだかフワッとした表現なので、具体的にどういうことなのかわかりづらいかもしれません。
私自身、明確に説明するのが難しいのですが、たとえば以下のようなトピックを理解しておくことだと思ってください:
- そもそもなぜトレーニングするのか?
- トレーニングは手段であって目的ではない
- トレーニングは補強であってメインは練習
- トレーニング効果 vs. 効率
- 超回復理論 vs. フィットネスー疲労理論
- トレーニングの原則
- トレーニング効果の転移
- 競技レベル vs. トレーニング歴(レベル)
- 測定のための測定はいらない
上のリストはあくまでも例なので、これだけ抑えておけばOKというわけではありませんが、最低限理解しておくべき項目です。
知識として知っているというレベルではなく、しっかりと理解しておくということが大切です。
セミナー講師として話をさせてもらったり、スポーツ・フィットネス業界のいろんな人からお話を聞いたり、フィットネス関連情報(雑誌、本、ウェブ)を読んだりしていて、この辺りを理解していない人が意外に多いのではないか、と最近感じています。
なぜ考え方が大切か?
たとえ「エクササイズ指導」や「プログラムデザイン」といったスキルをしっかり身に付けていたとしても、「S&Cコーチとしての考え方」がしっかりしていないと、それらのスキルをうまく使いこなせません。
S&Cコーチとして自分が持っているスキルの中から、目の前の状況やアスリート・競技の特性に応じて適切なものを選び、適切なタイミングで適切な量で使うための能力は「S&Cコーチとしての考え方」という抽象的なものになるのです。
もっと言うと、「S&Cコーチとしての考え方」がしっかりしていないと、そもそも間違ったスキルを身に付けてしまいかねません。
たとえば、「トレーニングは手段であって目的ではない」「トレーニングの原則(特異性)」「トレーニング効果の転移」といったコンセプトをしっかりと理解していないと、「競技特異的エクササイズを実施すれば競技力向上に直結するんだ!」という間違った考えを持ってしまいかねません。
そして、そのような間違ったスキルを教えているセミナーを受講したり、そのような間違ったスキルを教えているダメな人の弟子になったりするリスクがあります。
そうなると、どれだけ意識を高く持ってスキルを磨く努力を続けたとしても、その努力のベクトルが間違った方向を向いているので、いつまでたっても良いS&Cコーチにはなれないでしょう。
まとめ
スキルを磨くことは大切です。
私もセミナー参加や書籍の購入等の自己投資にはお金を惜しみません。
スキルUPの重要性を理解しているからです。
しかし、それだけでなく「S&Cコーチとしての考え方」という抽象的な能力UPにも注意を払ってもらいたいです。
それが「適切なスキルを選択して身に付ける」「身に付けたスキルを使いこなす」というところに繋がっていくはずです。
ただし、「S&Cコーチとしての考え方」というのは抽象的な概念なだけに、どうやって身に付ければ良いのかわかりづらいかもしれません。
べつに自己アピールというわけではありませんが「S&Cコーチとしての考え方」は私の強みだと思っているので、まずは私のブログを読んだり私のセミナーに参加してみてください。
その上で、自分の頭を使って色々と考えながら日々のトレーニング指導を実践していけば「S&Cコーチとしての考え方」はしっかりと身についていくと思います。
※2020/11/26追記:考え方について本を書いたので、そちらを読んでいただけると、私が言わんとしていることが理解できるはずです。
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【編集後記】
ラグビーW杯日本代表が帰国しましたね。
ベスト8は逃しましたが、素晴らしい成績だったと思います。
ラグビーは観ていると心が熱くなってきますね。
選手の気持ちが伝わってきます。