軍事の世界では「戦力の逐次投入は愚策」と言われます。
全戦力を一気に使う場合と比べて、戦力を少しずつ小出しに投入する場合は、相手よりも不利になり被害が大きくなるということです。
これは「ランチェスターの法則」という数理モデルでも説明できるそうです。
総合展示会でのブースの大小で感じたこと
先日、東京ビッグサイトで開催された「スポルテック」というスポーツ・フィットネス業界の総合展示会に行ってきました。
毎年開催されているのですが、今年は久しぶりに行ってみました。
サプリメントやトレーニング器具等を販売しているさまざまな企業がブースを出していて、かなり盛り上がっていました。
そこで気になったのは、大きなブースで出展している企業と小さなブースで出展している企業の「差」です。
大きなブースで出展している企業は、場所が広いだけでなく、パネルやスタッフや展示品にもお金をかけている感じで、とても盛り上がっていました。
立ち寄る人の数も多く、勢いがある印象を受けました。
宣伝効果も大きかっただろうと想像できます。
一方で、小さなブースで出展している企業の多くは、最低限の展示にとどまっているところが多く、なんとなく立ち止まりづらい雰囲気がでていました。
おそらく、数あるブースの中に埋もれてしまい、ほとんど目立たず、宣伝効果はそれほど大きくなかっただろうと思います。
大きなブースを借りて、パネルや展示品にも趣向をこらすと、それなりにお金はかかるはずです。しかし、宣伝効果は抜群です。
一方、小さなブースを借りる場合は、必要なお金は少なくて済むかもしれませんが、宣伝効果はとても小さいはずです。
小さなブースのほうが安く済むとはいえ、数十万円はかかるようです。
お金をケチって数十万円をかけたのに宣伝効果が全然ないよりは、数百万円を投入して大きな宣伝効果を得るほうが戦略としては良策なのではないかと感じました。
まさに「戦力の逐次投入は愚策」ということですね。
もし、私が企業の宣伝担当だったら、毎年数十万円使って小さなブースに出店するよりも、数年に1回だけ数百万円使って大きなブースを借りて大々的に宣伝をするでしょう。
すぐに専門家からトレーニング指導を受けたほうがいい
アスリートが専門家にお金を払ってトレーニング指導を受ける場合、それはある意味自分への「投資」です。
もし、アスリートとして、トレーニングに関する投資を今後一切しないつもりなのであれば、読み飛ばしてください。
しかし、アスリートとして、体力を向上するためにトレーニングをすることの重要性を感じていて、トレーニングに関する投資をすることを少しでも考えているのであれば、「戦力の逐次投入は愚策」という考え方を思い出してみてください。
一般的に「トレーニングをやろう!」と思ったら、まず最初は何にお金を使うでしょうか?
多くの場合、とりあえずジムに入会して、自己流でトレーニングを始めるのではないでしょうか?
そして、どんなトレーニングをやったらいいかを調べるために、トレーニング関連本を買ったり、セミナーに参加したりするでしょう。
ジムの入会費・月会費、本の購入費用、セミナー参加費。
これらはある意味「戦力の逐次投入」です。
お金を少しずつ使っているのにも関わらず、なかなか期待したような結果に結びつかないことになるはずです。
結局、長期的にみると、かなりの額のお金を無駄に使うことになってしまうでしょう。
投資としては失敗です。
費用対効果が小さいのです。
一方、専門家にお金を払ってトレーニング指導を受けるのは、戦力を一気に投入するのに似ています。
それなりにお金はかかります。
でも、トレーニング指導を受ける専門家の選択さえ誤らなければ、投資に見合うだけの効果を得ることができるのは間違いないです。
チマチマとお金を使い続けて結果が出ないよりも、はるかに費用対効果は大きいでしょう。
継続してトレーニング指導を受ける経済力がない場合
現役の間、ずーっと専門家と契約してトレーニング指導を受け続けるのは経済的に厳しい、という場合もあるでしょう。
プロアスリートやスポンサーと契約しているようなトップレベルのアスリートでない限り、お金の問題は出てくるはずです。
だからといって、お金をケチって自己流でトレーニングを継続したとしても、ジムの会費等はどうしてもかかりますし、その割に結果がいつまでたってもでないとなるとリターンはゼロです。
むしろ、トレーニングのやり方によっては、マイナスにもなりえます。
スポルテックの例でいうと、数十万円払って小さなブースを毎年出しているけど、宣伝効果がほとんど得られないようなものです。
であるならば、私がオススメするのは、数年に1回でいいから大きなブースを借りて大々的に宣伝をするような戦略です。
具体的に言うと、少なくとも1年間は(できれば数年間)専門家にお金を払ってトレーニング指導を受けて、エクササイズのやり方やトレーニングに関する知識・考え方を習得するということです。
先行投資というか、戦力を一気に投入する感じですね。
最初にお金はかかりますが、そこで専門家から吸収できるものをできるだけ吸収しておいてから、その後は契約を終了して、自分でトレーニングを続けるという戦略です。
チマチマと戦力を逐次投入するよりも、はるかに効果があるし、長期的に見たら経済的にも効率がいいでしょう。
ただし、たとえば1年間トレーニング指導を受けて、その期間中に学べることを最大限学んだとしても、その後、契約を終了して、自分でトレーニングを続けていると、だんだんエクササイズのフォームが崩れてしまうものです。
これは、私自身、実感していることでもあります。
そういう場合は、トレーニング指導の契約を終了した後でも、定期的にエクササイズのフォームをチェックしてもらう機会を作ることが大切です。
私は、自分の過去のクライアントさん向けに、そのようなサービスを始めました(単発エクササイズチェック)。
もし、ご自身がトレーニング指導を受けた(受けている)専門家がそのようなサービスを提供していなくても、「トレーニング指導1回分のお金をお支払いするので、1回エクササイズのフォームをみてくれませんか?」と頼めばやってくれるはずです。
まとめ
まずは1年間(できれば数年間)専門家にお金を払ってトレーニング指導を受ける。
そして、その後は自分でトレーニングを継続しつつ、定期的にエクササイズのフォームをみてもらう機会をつくる。
ずーっと継続してトレーニング指導を受ける経済力がないけど、真剣に競技力を向上させたいと考えているアスリートの皆さんに対して、そのような戦略を私からアドバイスさせていただきます。
最初に出ていくお金は大きくなりますが、お金をチマチマと逐次投入するよりは、はるかに効果的かつ長期的に見ると効率的です。
そもそもトレーニングにお金を投資するほど真剣でないアスリートは無視してもらっていい情報です。
しかし、トレーニングにお金を投資してでも上を目指したいアスリートであれば、効果的かつ効率的なお金の使い方を知っておいて損はないでしょう。
投資に対するリターンを最大限にするにはどうすればいいかを考えるのも、アスリートとして結果を出すためには大切です。
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【編集後記】
地元さいたま市でのトレーニング指導のお仕事を探そうか検討中。
当ブログで受付ページでも作るか・・・。