バスケ選手のジャンプ力
今日はテレビでNBAのファイナル第6戦を観戦しました。久々に熱い試合でした。やっぱバスケは面白いわ!!
さて、バスケ選手はめっちゃ跳びます。
身長2m前後の大男がビヨ~ンって跳ぶわけですからそりゃもう大迫力です。
ま、よ~く観察するとダンカンとかはあんまり跳んでないのにダンクしたりリバウンドとったりしてますが・・・。
バスケ選手のジャンプ能力は生まれつきの素質というか遺伝の影響が大きいでしょうが、長年バスケをプレーしてたくさんジャンプを繰り返す事によってジャンプ動作における身体の効率的な動かし方を学習したという後天的な部分もあるでしょう。
そんなバスケ選手のジャンプ力をさらに向上させるために、S&Cコーチとして何ができるでしょうか?
ジャンプトレーニング vs 高重量ウエイトトレーニング
S&Cコーチが、トレーニングによってバスケ選手のジャンプ力を向上させるためにどうすればいいのか?
大雑把に2通りの考え方があると思います:
- ①プライオメトリクスを含むジャンプトレーニングをやりまくる
- ②高重量ウエイトトレーニングをして筋力UPを図る
それぞれのアプローチについて、詳しく見ていきます。
①プライオメトリクスを含むジャンプトレーニングをやりまくる
ジャンプ力をUPさせるにはジャンプしなさいよって事です。
確かにジャンプをしないでジャンプ能力をUPさせるのは困難でしょう。
でも、バスケ選手の場合はバスケの練習中や試合中にたくさんジャンプをしています。
それなのに、あえてウエイトルームでの貴重な時間を使って、ジャンプトレーニングをさせる事は、効率的なトレーニングと言えるのでしょうか?
「試合や練習でのジャンプは全力でのジャンプではないから、トレーニングとして別に全力でのジャンプを実施する事にはトレーニング効果がある」という主張もあるでしょう。
一理あると思います。
効果がゼロとは言いません。
でも、その事によって期待できるジャンプ力UPの幅は小さいと思います。
つまりこの方法によるジャンプ力UPの伸びシロが少ないという事です。
②高重量ウエイトトレーニングをして筋力UPを図る
こちらのアプローチは、一見ジャンプとは直結しないように思われるかもしれません。
しかし、筋力を向上させる事によってジャンプ力UPに向けた「ポテンシャル」を拡大するという意味では、伸びシロが大きいと考えられます。
ただし、筋力UPによりポテンシャルがUPしても、そのポテンシャルを使いこなす能力が伴わないとジャンプ力UPにつながらないし、逆にパフォーマンスが下がる可能性すらあります。
ということは、結局のところ、向上した筋力を使いこなせるようになるために、どちらにしてもジャンプ練習は欠かせないものであるということになります。
このあたりの議論は過去にしているのでそちらをご覧ください。
» 参考:トレーニングによる筋力UPは、やり方によっては競技力UPにも競技力DOWNにもつながりますよって事をコンピューターシミュレーション研究の結果をもとに考えてみる
まとめ
ようするに、バスケ選手にジャンプトレーニングだけさせても大幅なジャンプ力UP期待できないよ。
高重量ウエイトトレーニングをして筋力UPしたほうが伸びシロは大きいよ。
その上で、ジャンプの練習もやればジャンプ力UPにつながる可能性大だよ。って事です。
ただ、筋力UPさせた上でその新しい筋肉を用いてジャンプするための練習をするという部分で、バスケの練習だけやってれば十分な練習になるのか、あるいは改めてウエイトルームでジャンプトレーニングをやる意味があるのかは議論のあるところでしょう。
どちらにしろ、結局のところ、両方やれってことに落ち着くのですが、伸びシロの大きさ・優先順位という点では、高重量ウエイトトレーニングに軍配が上がると私は思います。
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