私が電子書籍を出版した経緯
先日、電子書籍を出版しました。
これは、Amazonが提供しているKDP(Kindle Direct Publishing)というサービスを使って出版したものです。
KDPとは、出版社を介さずに、自力で電子書籍を出すことができる仕組みです。
紙の本でも「自費出版」という形で自力で出版することは可能ですが、数十万〜数百万円の費用がかかるため、リスクが大きいです。
一方、KDPの場合は電子書籍という形式に限られるデメリットはありますが、売れた分だけ手数料が引かれるだけなので(事前にお金を払う必要がない)、リスクはほぼゼロです。
今回出版した書籍のテーマでもある「resistance priming」について以前に書いたブログ記事が、特別に宣伝しているわけでもないのにコンスタントに読まれていました。
» 参考:重要な試合の当日か前日に筋トレをやるとパフォーマンスがUPする!?
そこで「これは需要がありそうだな、内容をさらに深堀りして有料記事を書いてブログ記事の最後にリンクを貼り付けておけば、細々と売れそうだな」と考えました。
とりあえず執筆を始めたのですが、最初はKDPを利用して電子書籍として出版するか、noteで有料記事としてだすか、決めかねていました。
ただ、以前からKDPを利用して電子書籍を出版してみることに興味があったので、今回はそちらに挑戦してみようということにしました。
S&CコーチがKindle本を出版することのメリット
今回、電子書籍を出版してみて、メリットがあると感じました。
ぜひとも、このブログをお読みのS&Cコーチの方々にも挑戦してもらいたいです。
自分が感じたメリットをいくつか紹介していきます。
- メリット①:売上の柱を増やせる
- メリット②:自分の知識を整理できる
- メリット③:紙の本の出版に繋がるかも
メリット①:売上の柱を増やせる
S&Cコーチとしてのメインの売上は「トレーニング指導」です。
しかし、それ以外の売上の柱も増やせると、収入的には安定します。
紙の本を執筆するなら出版社からの依頼を待たないといけませんが、KDPだと自分の意思で始めることができるので、「執筆・出版」という売上の柱をつくりやすいです。
たまに「S&Cコーチだったら、トレーニング指導だけで食っていくべき(稼ぐべき)」みたいなことを言っている人をSNS上で見かけますが、そんなの無視して大丈夫です。
ビジネス的に考えると、売上の柱は複数あったほうが絶対安定します。
何があるか、わからないですからね。
たとえば、今回の新型コロナ流行のようなことがあると、おそらく第1回目の緊急事態宣言のときなんかは、トレーニング指導だけで食っていた人はかなり売上が落ち込んで厳しかったのではないでしょうか?
それに、私の経験上、トレーニング指導だけをやっているよりも、執筆・出版やセミナー講師等の他の活動もやったほうが、S&Cコーチとしてのスキルアップに繋がります。
それについては、メリット②で詳しくお伝えします。
メリット②:自分の知識を整理できる
本を書くというのは、売上のための仕事であると同時に、アウトプット型の学習法でもあります。
つまり、お金を稼ぎつつ、自分の知識やスキルを向上することができるのです。
個人的には、これが最上級の仕事のやり方なんじゃないかと思っています。
本に限らず、文章を書くというのは、とても深く物事を思考できる方法です。
自分の頭のなかにあるモヤモヤっとした考え方を言語化するのは大変な作業ではありますが、それを乗り越えることで、自分の考えがより明確になります。
そのような文章を書くことのメリットは、ブログ記事のような短い文章を書くことでも得ることができます。
しかし、本を書く場合は、1つ1つの知識を整理して、それらがどのような関係にあるのかをトコトン突き詰めて考えて、1つのストーリーとして論理展開することが求められます。
これは、1つのトピックについての短いブログ記事を書くのと比べると、1段階レベルの高い作業であり、はるかに勉強になる学習法であるといえます。
また、1つのストーリーを作り上げる過程で、足りないピースにも気付くことができるので、それを埋めるために新たな知識を仕入れることにも繋がります。
私自身、今回「resistance priming」というテーマについて本を書きましたが、かなり勉強になりました。
すでに述べたように、このテーマについては過去にブログ記事を書いていますが、それをはるかに超える文字数であり情報量が詰め込まれた文章となっています。
また、本を執筆する過程で、論文を読み直したり、最新の論文を追加で読んだり、どのようにして本という形にまとめるかをトコトン突き詰めて考えたりすることで、このテーマについての私の知識や考え方は、以前よりもはるかにレベルアップすることができました。
今後、私がトレーニング指導を担当しているアスリートやチームにおいてresitance primingを活用する場合は、以前よりも効果的に取り入れることができるはずです。
これこそがまさに、私がトレーニング指導以外の活動もやったほうがS&Cコーチとしてのスキルアップに繋がる、と主張していることなのです。
逆に言うと、S&Cコーチとして知識を増やしたい・知識を整理したいテーマを決めてから、それについて本を執筆して電子書籍として出版する、というやり方もアリということです。
私の場合は、今回は、ブログ記事へのアクセス数が多かったから「resistance priming」をテーマに選んで本を執筆し、結果として「resistance priming」を現場で活用するスキルがアップした、という順番でした。
しかし、逆に、たとえば「S&Cコーチとしてウォームアップについての知識を高めたい」というところからスタートして、「だからウォームアップをテーマに本を執筆して電子書籍として出版しよう」という順番でもいいのです。
メリット③:紙の本の出版に繋がるかも
AmazonのKDPサービスを活用すれば、自分の意思で・自分のタイミングで・自分が書きたいテーマで本を執筆して出版することができます。
これは非常に大きなメリットです。
ただ、紙の本を出版することにも別のメリットはあるので、できることなら紙の本の出版も狙っていただきたいです。
私の場合、過去に紙の本は2冊出版することができていて、今回、初めてKDPを利用して自力で電子書籍を出版することになりました。
これはたまたま私が運がよかっただけで、普通は紙の本を出版する機会はなかなか巡ってこないはずです。
しかし、電子書籍を出版しておけば、それが出版関係者の目にとまり、紙の本の出版オファーが巡ってくるという可能性もゼロではありません。
出版関係者の立場から考えれば、どんな文章を書けるのかを予めチェックできるので、リスクが小さくなるはずです。
もちろん、電子書籍として出版した本の内容がダメだったら逆効果になってしまうので、電子書籍を出版するなら、できるだけ完成度の高いものを目指すべきなのは言うまでもありません。
私も今回、電子書籍を出版してみて感じましたが、紙の本と比べると売上部数は全然少ないです。
まあ、テーマがニッチな分野だったから、というのも原因としてはあると思いますが、まだまだ電子書籍で本を読むことが定着していないから、というのが要因としては大きいのかな〜と感じます。
しかも、数ある電子書籍フォーマットのうち、KDPで出版したものが読めるのはKindleフォーマットに限られる、というのもデメリットの1つでしょう。
実際、過去に紙の本として出版した拙著2冊は、電子書籍としても販売していただいていますが、売上部数は紙の本のほうが圧倒的に多いです。
電子書籍も普及してきたとはいえ、やはりまだまだ紙の本のほうが強いです。
だからこそ、紙の本を出版することには、売上が増えるとか、より多くの方に読んでもらえる、といったメリットがあり、将来的にはやはりそこも目指していただきたいです。
自分の書いた本が書店に並べられているのを目にするのは、それだけでも達成感を味わえます。
それに、電子書籍なんて絶対に読まないであろう親世代にも、紙の本であれば見せることができて、喜んでもらえます。
さらには、自力で電子書籍を出版した、というよりも、出版社から依頼を受けて紙の本を出版した、というほうがなんとなくすごそうな印象を持たれるのは間違いありません。
S&Cコーチとしての真の能力っていうのは外から見てもわかりづらいので、なんとなくすごそうと思われておく・箔をつけておく、って結構大切です。
まとめ
私自身Kindle本の出版を経験してみて、これはいろいろな理由でオススメだな〜と感じたので、その理由を解説してみました。
ビジネスという点でも、S&Cコーチとしての腕を磨くという点でも、メリットが大きいです。
ぜひ、トライしてみてください。
いきなり本を執筆するのは難しいな、とお考えの場合は、まずはブログから始めてみることをオススメします。
そして、ある程度の数のブログ記事を書いた時点で、次の段階のチャレンジとしてKindle本出版を考えてみていただければ。
ちなみに、Kindle本出版の方法については、ググればいくらでも無料で見つかります。
最初はいくつか面倒な手続きがありますが、それほど難しいものではありません。
私にだってできたので、基本的には誰でもできるはずです。
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【編集後記】
床にナメクジみたいのが落ちていたので拾って手のひらのうえに載せてみたら、生後5ヶ月の息子のちんちんだった。
息子の股間をみてみたらちんちんが取れて無くなっていた。
・・・そんな夢を見ました。