ウエイトトレーニングを指導する時は、正しいフォームで実施してもらうために、アスリートに頻繁に声がけをします。
セット前・セット中・セット後のレスト中などに声がけをしますが、特にセット中は複雑な説明をすることはできないので、できるだけ短い単語を使って、すでに説明したことを思い出してもらったり意識を高めてもらうようにしています。
一般的にそのような声がけを「キューイング」と呼びます。
キューイングは間違った動作を修正するようなものになりがち
キューイングを与える主な目的は正しいフォームでウエイトトレーニングを実施してもらうことです。
したがって、フォームに問題がないのであれば、キューイングはとくに必要ないのかもしれません。
結果として、キューイングは主に間違った動作を修正するようなタイプのものが中心になりがちです。
デッドリフトやルーマニアンデッドリフトで肩甲骨が外転して腰が曲がっていたら、「肩甲骨(寄せて)!」と言ったり、エキセントリック局面がまったくコントロールされていなかったら「ゆっくり降ろして!」と言ったり。
セット中はアレもコレも修正するのは無理なので、優先順位の高い修正ポイントを見極めて、適切なキューイングを選ぶことができるかどうかも、S&Cコーチとしての腕の見せどころです。
褒めるキューイングも意識する
キューイングは動作を修正するものがメインになりがちですが、私は正しいフォームで実施できている時は「褒めるキューイング」も与えるよう意識しています。
たとえば、「良いフォームだ!」「美しい!」「そうです!」「素晴らしい!」「いいよ、ケツ使えてるよ!」等の声がけをすることが多いです。
そのような褒めるキューイングを与える目的は、「モチベーションアップ」と「良いフォームの時の感覚を覚えてもらう」という2つがあります。
モチベーションアップに関しては、単純に良くできて褒められるとうれしいからです。
ただでさえキツいことをやらないといけないトレーニングなので、うまくできた時くらい褒めてあげて、良い気分になってもらいたいという想いがあります。
また、フォームに修正すべき箇所がある時だけキューイングを与えて、正しいフォームで実施できている時は無言だと、アスリートも少し不安になります。
「何も言われてないけど、うまくできているってことなのかしら?」と。
そこで、褒めるキューイングを与えてあげれば、不安を取り除くことができます。
また、「お、今の感じが良いフォームなのか!」という形で、アスリートの主観として正しいフォームの感覚を覚えてもらうことにも繋がるので、結果として正しいフォーム習得にも貢献するはずです。
また、完璧なフォームでなかったとしても、少しずつ改善が見られている時は褒めるようにしています。
「努力の方向性は合ってるよ!」という言い方をすることが多いです。
まとめ
「アレも直せ、コレも直せ!」とばかりキューイングされていては、アスリートも嫌になってしまいます。
良くできている部分も見つけてあげて、「動作修正のキューイング」と「褒めるキューイング」のバランスをうまくとるようにしたいものです。
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【編集後記】
眼科で「網膜に穴が空いています。放っておくと網膜剥離になるので、レーザーで治療しましょう」と言われました。なんか、すごいアッサリ言われたけど、大丈夫なのかしら・・・。