#637 トレーニング器具がない環境でも筋力向上効果を引き出す工夫ができるのがプロだ!って本当?

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タイトルのとおり、「トレーニング器具がない環境でも筋力向上効果を引き出す工夫ができるのがプロだ!」という考え方を耳にすることがあります。

「あの器具がない、この器具がない、だからやりたいトレーニングができない」と文句を言うのは二流だ!と言われることもあります。

私もまだまだ若い頃は、「なるほど、そういうものなのか。真の達人は、文句を言わず与えられた環境でどうにかするものなんだな」と思った記憶があります。

しかし、経験を積んだ今、この考え方に100%賛同できないのが私の正直な気持ちです。

 

 

トレーニング器具がない環境でも筋力向上効果を引き出す工夫ができるのがプロだ!って本当?

たしかに、理想的な環境でトレーニング指導をできる状況ばかりではありません。

多くの場合、限られた環境の中で工夫せざるをえないのが現実ではあります。

そこの部分を否定するつもりはありません。

しかし、だからといって、たとえばトレーニング器具ゼロの環境のなかで、自体重だけでどうにか工夫して筋力UPさせてください、と言われても限界があります。

 

アスリートの筋力が低い最初のうちは、自体重だけでも筋力UPに必要な負荷を身体に与えることができるかもしれません。

しかし、筋力がついてきたら、そこからさらに筋力UPするためには、負荷を増やす必要があります。

いわゆる「漸進性過負荷の原則」というやつです。

参考 レジスタンストレーニング「漸進性過負荷の原則」AthleteBody.jp

 

トレーニング器具がない中でも、ある程度は工夫次第で負荷を増やすことはできますが、せいぜい「ある程度」までです。

そこを超えたら、やはりバーベル等のトレーニング器具が必要になってきます。

 

少なくとも、私はトレーニング器具が一切ない環境のなかで、継続的に筋力UPをさせることができるだけの術を持ち合わせていません。

「いや、私にはできる!」と豪語する方がいるとしたら、それはできている気持ちになっているけど実際はできていない人か、私の知らない秘密のやり方を知っている人か、どちらかでしょう。

 

 

じゃあ、トレーニング器具がない環境でどうすればいいのか?

「限られた環境のなかでは、継続的に筋力向上させることはできません」と言うだけで終わりじゃ、ブログ記事としてイマイチなので、私なりの解決策を提案してみます。

 

たとえば、大学や専門学校のウエイトトレーニング関連の授業の試験で、「トレーニング器具がない環境で、どうにか筋力UPするために、どういう工夫ができますか?」という問題を出されたとします。

私だったら、「バーベル等の最低限のトレーニング器具を手に入れる(もしくは使えるようになる)ための努力をする」と答えると思います。

多くの真面目な学生は、与えられた条件のなかでどういう工夫ができるのかを一生懸命考えることでしょう。

そもそも与えられた条件自体を変えようという私の回答を見たら、「そんなのズルい」と思われるかもしれません。

 

たしかに試験の回答としてはズルいかもしれないし、採点する先生によっては合格点をもらえないかもしれません。

しかし、現実にそういう問題に直面したら、私のように発想することには何の問題もありません。

むしろ、それを実現することができるのであれば、そちらのほうが筋力UPという目的に繋がる可能性が圧倒的に高いはずです。

筋力UPしたいというアスリートのお悩みを解決できるのであれば、与えられた条件にこだわり続けて何も変えられないよりも、はるかにマシです。

 

トレーニングに限らず、日本人は与えられた条件やルールのなかでどうにか頑張るのが好きな印象があります。

しかし、そもそも与えられた条件やルールが適切なものなのか?と疑問を持ち、そうでなければ条件やルールを変えるための工夫をする、という発想の転換も必要なのではないでしょうか?

いわゆる英語表現の「think outside the box」というやつです。

 

スポーツにおいても、日本人アスリートが強い競技で日本人に不利と思われるルール変更がなされると、「ズルい」とか「日本人アスリートを勝てなくさせるためのルール変更だ」とか言う人がいます。

だったら、国際競技連盟に日本人理事を送り込んで、ルールを作る側にまわればいいのです。

今回のブログのテーマと似たようなお話だと思います。

 

 

まとめ

いつも理想的な環境でトレーニング指導をできるわけではないので、与えられた環境のなかで工夫をする必要があるのは当然です。

しかし、そもそも与えられた環境が理不尽なものであれば、それを変える努力をするのもS&Cコーチの責務ではないでしょうか。

トレーニング器具を手に入れるにはお金もかかるので、すぐに環境を変えるのは難しいかもしれませんが、ちょっとずつ買って揃えていく等の工夫はできるはずです。

同じ「工夫」であっても、与えられた環境のなかでする「工夫」と、与えられた環境を変えるためにする「工夫」の両者を意識できる柔軟な発想力があるといいな〜と思います。

 

 

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【編集後記】

今日は、2018-19シーズン、S&Cコーチとして活動をしてきたアースフレンズ東京Zのシーズン最後の試合がありました。

ケガ人が多く、外国籍選手も1人しかいない状況で(通常はベンチに2人はいれます)、大逆転勝ちをおさめることができました。

ファンの皆様、応援いただき、ありがとうございました!