先日、以下のようなツイートをしました:
国内だけで活躍するなら、ウエイトトレが必要ないくらい能力が高い選手なのでしょう。
ただ、将来MLBに挑戦して、その中でトップを目指すのであれば、ウエイトトレは必須です。
あのダルビッシュ選手もそう言うはず。
早く気づいてウエイトトレを取り入れて、将来MLBで活躍されることを期待します。 https://t.co/iCfj21pq1N
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
べつに山本投手を批判する意図はなく、単純にやらないのは勿体ないな〜と思っただけです。
また、「ウエイトトレーニングってやらなくてもいいの?」と不安になったアスリートに対して、「そんなことないよ!上を目指すなら必須だよ」とメッセージを送る意図もありました。
ウエイトトレーニングをやるべきかどうかは、アスリートとしてどのレベルを目指すかによる
私は基本的に、アスリートとして自分のポテンシャルを最大限に発揮したいのであれば、ウエイトトレーニングは必須だと考えています。
これは逆に言うと、自分のポテンシャルを最大限に発揮しなくてもいいのであれば、やらないという選択肢もアリだということでもあります。
このあたりの私の考えと同じことをわかりやすく表現してくれているツイートがあったので紹介します:
こういう問題は常にどこまで行きたいか。とセットですね。
水泳でも同じですね。どこまで行きたいのか。市民大会なのか、県大会なのか、全国大会なのか、全国で決勝残りたいのか、全国で表彰台なのか、国際大会に行きたいのか、国際大会でメダル取りたいのか、世界記録を更新したいのか。 https://t.co/u0waewR9RZ— 暇なおじさん3.0 (@kakkies03)
つまり、このブログ記事のタイトルでもあるように、「ウエイトトレーニングをやるべきかどうかは、アスリートとしてどのレベルを目指すかにもよる」ということです。
たとえば、ウエイトトレーニングをやらなくても、高校の部活でレギュラーとして活躍しているアスリートがいたとします。
このアスリートが「高校の部活でレギュラーとして試合に出る」というレベルで満足しているのであれば、ウエイトトレーニングをやる必要はないでしょう。
すでにそのレベルに到達しているわけなので。
しかし、もっと上のレベルのたとえば「ドラフトで指名されてプロ野球選手になる」というのを目指すのであれば、ウエイトトレーニングを導入しないと実現が難しいかもしれません。
また、ウエイトトレーニングをやらなくても、生まれつきの才能に恵まれていて、かつ一生懸命に練習にも取り組んで活躍し、ドラフト指名されてプロ野球選手になった選手が、それで満足しているのであればウエイトトレーニングをやる必要はないでしょう。
しかし、この選手がただプロになるだけでなく、1軍でシーズンを通してレギュラーで活躍する、というさらに上の目標を目指すのであれば、ウエイトトレーニングをやることが必要になるでしょう。
つまり、より上を目指すのであれば、ウエイトトレーニングを導入しないわけにはいかないということです。
ただし、これは競技の特性だったり、その競技がどのくらい競争の激しいスポーツなのか、等によっても変わります。
ウエイトトレーニングで鍛えることのできる要素がそれほど重要ではないような競技では(例:射撃)、ウエイトトレーニングを導入しなくても世界のトップレベルで活躍できるかもしれません。
また、そもそも競技人口が少ないマイナースポーツにおいては、生まれつきの才能に恵まれた天才肌の選手は、ウエイトトレーニングなんてやらなくても世界のトップレベルで活躍できる可能性が高いです。
しかし、たとえば野球のような競技の場合、ウエイトトレーニングで鍛えることのできる筋力や爆発的パワーが競技力向上に非常に大きな貢献をすると考えられます。
そして、競技人口も多く競争も激しいので、トップレベルにおいては生まれつきの才能に恵まれた天才肌のアスリートたちがさらにウエイトトレーニングを導入してしのぎを削っている状況があります。
そんな競技においては、ウエイトトレーニングをせずにトップを目指すのは難しいでしょう。
だから、MLBの中でトップレベルを目指すのであれば、ウエイトトレーニングは必須だ、という言い方を冒頭のツイートでしたわけです。
現状のレベルを維持したいのであれば必須ではないかも
とはいえ、あくまでもより上のレベルを目指すのであればウエイトトレーニングが必須なのであって、現状のレベルを維持するためには必須ではないかもしれません。
そもそも、ウエイトトレーニングを導入して筋力等が向上したら、それに合わせて技術を変えないといけません。
以前の筋力レベルにおいて最適だった技術は、筋力が変われば最適ではなくなってしまうからです。
向上した筋力レベルに合わせて、技術を調整することができれば、パフォーマンスUPが期待できます。
しかし、たとえ筋力が向上しても、それに合わせて技術を調整することができなければ、逆にパフォーマンスが落ちるリスクはあります。
つまり、ウエイトトレーニングを導入することはアスリートにとって「リターンを得るためにリスクをとること」なわけです。
リターンは競技力向上、リスクは競技力低下です。
現状よりも上を目指すのであれば、リスクをとってリターンを狙いにいかないといけません。他に選択肢はありません。
一方、現状に満足していてそれを維持したいのであれば、リスクを避けたほうがいいかもしれません。
だから、アスリートがウエイトトレーニングをやるべきかどうかは、どのレベルを目指すのか、そして、そのレベルが自分の現在のレベルと比べてどこにあるのか、によるわけです。
プロ野球の場合は、日本国内でトップレベルになれば年俸1億円以上もらえるわけなので、あえてリスクをとってMLBに挑戦する必要はないかもしれません。
そんな中、あえてMLBに挑戦し、その中でトップレベルになるにはリスクをとってウエイトトレーニングを導入せざるを得ない、と肌で感じてチャレンジし続けているダルビッシュ選手に対しては、私なんかはもうリスペクトしかないわけです。
めちゃくちゃカッコいいぞ、と思うわけです。
まとめ
アスリートとしてどのレベルを目指すのかは人それぞれなので、そこについては外野がとやかく言うことではないでしょう。
しかし、実績のあるアスリートや有名なアスリートが「ウエイトトレーニングは必要ない」的な発言をしているのを見かけたら、私は今後も「より上のレベルを目指すのであれば、ウエイトトレーニングは必須だ!!」という主張をし続けるでしょう。
べつにその発言をされているアスリートの考え方を変えてやろう、なんて気持ちはなく、そんな発言を見て不安を感じているアスリートに対して「そんなことないよ」と言ってあげたいだけです。
「そもそも、ウエイトトレーニングを取り入れたら、本当に今よりも上のレベルに行けるのか?」という疑問を持たれた方には、私の著書を読まれることをオススメしておきます。
そこにすべて書いたつもりです。
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【編集後記】
自宅兼ジムの建築に向けて、お願いをする工務店を決定しました。
私なりに時間をかけて注文住宅について勉強し、その知識をもとに信頼できると思えるところを見つけました。
お願いすることに決めたので、今後は信頼をして、一緒によいものを作り上げていきたいと思います。