アスリートがウエイトトレーニングを実施している時に、動作にエラーが見られて、それを修正するために声がけをするタイミングはいつが良いかについて考えてみます。
声がけのタイミング
ウエイトトレーニングの動作にエラーが見られた時に声をかけるタイミングとして、大雑把に分けると2パターンあります:
- セット中(レップの最中、あるいはレップとレップの間)
- 1セット終了後、次のセット開始までのレスト中
セット中に声がけをする場合、あまり長い説明をすることができないので、できるだけ短い言葉(=キューイング)を選ぶ必要がありますが、アスリートはすぐに反応してフォームを修正することができる可能性があります。
一方、セット終了後に声がけをする場合、時間に余裕があるので、詳しい説明をアスリートに伝えることができ、それを意識してもらって次のセットに臨んでもらうことが可能になります。
どちらが良いのか?
では、どちらのタイミングが良いのでしょうか?
私は個人的に、どちらが良い悪いとかじゃなくて、ケース・バイ・ケースで使い分けるのが得策だと考えます。
たとえば、セット中に声がけをされるのを好むタイプのアスリートがいます。
そういうアスリートの場合、エラー動作が見られたら短いキューイングを与えればすぐに反応して修正してくれるし、良いフォームで実施できたレップについては「イイね〜!」的なポジティブなフィードバックを与えてあげることで、良い場合と悪い場合の違いを本人が覚えやすくなって、適切なフォームの習得が早まることもあります。
逆に、そのようなタイプのアスリートに対してセット中に声がけをせず黙っていると「私、適切なフォームで出来ているのかしら?」と不安になってしまう場合もあります。
一方、セット中に声がけをされても、それをすぐに理解してフォームの修正に繋げることができないアスリートもいます。
特に、こちらが与えるキューイングが適切でない場合、アスリートが思考停止を起こしてしまい、結果としてセット全体の出来が悪くなってしまうリスクすらあります。
そういうアスリートの場合は、セット中は声がけをするのを控えて、セット終了後に丁寧に説明をしてあげたほうが、こちらの意図を理解してもらえて、次のセットでフォームの修正を図ることができる、なんてこともあります。
まとめ
セット中に短いキューイングを与えることも、セット終了後に丁寧な説明をしてあげることも、どちらもできるように準備をしつつ、実際にどちらを使うかはアスリートのタイプによって決定する、というのがベストな選択だと思います。
この辺りのコーチング技術はなかなか教科書には載っていないので、現場で経験を積む中で覚えていくしかありません。
私も、経験の中でアスリートから教わることが多く、今回のブログ記事のネタも、指導しているアスリートとの会話からヒントをもらいました。
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【編集後記】
ラグビー日本代表、強くなりましたね。そして、盛り上がりもスゴイですね。バスケ日本代表の男子も頑張ってリオ五輪に出場してもらって、来年から始まる新リーグの盛り上がりに繋げてもらいたいですね。