9/30(日) S&Cコーチとして押さえておきたい考え方セミナー

#79 自分のエゴでコーチングをしちゃだめよ

 

Nicolas Poussin Et in Arcadia ego deuxième version cropped

 

このタイトルのこと、最近良く思います。こちらのブログでも同じような内容が書かれています。

指導できることを指導すればいい

 

 

できないことを無理に指導しない

いわゆるクイックリフトと呼ばれるエクササイズは、適切なフォームで実施すれば筋パワーや爆発的筋力を向上させるのに非常に有効だと思います。その一方で、適切なフォームの習得が比較的難しく、しっかり教えられる指導者もあまり多くないのが現状でしょう。

がんばってクイックリフトのやり方そして指導の仕方を習得しようと努力されているS&Cコーチは素晴らしいと思いますが、その一方で「私にはクイックリフトを教えるスキルがないからそもそも教えない」という潔い判断をされるS&Cコーチもある意味尊敬できます。

一番害があるのは、「クイックリフトは有効だ」という知識だけは持っていて、正しい指導方法はわからないけどとりあえず「(S&C業界で最先端の)クイックリフトを教えている俺ってイケてるじゃん」というエゴだけでクイックリフトを取り入れているS&Cコーチです。そんな人に指導を受けているアスリートがかわいそうです。この業界から消え去ってしまえばいいのに・・・。

 

 

自分にできることを認識しておく

私自身、自分にできることとできないことを認識して、自分にできないことはやらないように気をつけています。

たとえば以前のブログでも書いたハイプル。これはウエイトリフターも取り入れている練習方法というかエクササイズですが、その正しいやり方をきちんと指導できないと、腕の力を使ってバーを持ち上げる癖がついたり、フルエクステンションをしっかりできなくなってしまったり、という危険性があります。だから私はそもそも教えません。潔いでしょう?

あと、ケガの事に関しては私の専門範囲外なので、選手から質問をされても「わからないからトレーナーさんに聞いて」と答えるようにしています。また、私は医療資格を持っていないし選手のカラダを触るような教育は受けていないので、アスリートのカラダに触ったりマッサージしたりは絶対しないようにしています。

 

 

できることでもケースによってはあえて使わない

また、「自分にできること」であっても、自分が指導しているチームやアスリートの状況次第ではあえて取り入れないという判断をする事もあります。

たとえば、クイックリフトと並んでS&C業界で人気のあるトピックでもあるペリオダイゼーション(期分け)。旧ソ連で開発されたミステリアスなトレーニング方法というイメージがあるので、とりあえずペリオダイゼーションを取り入れておけば「俺ってクールだろう」っと勘違いしてしまいがちです。しかし、ペリオダイゼーションは要するに短・中・長期のトレーニング計画の事で、別に特殊なテクニックとかでは全然ありません。

現在私が指導を担当している持久系競技の場合、レジスタンストレーニングに割ける時間が週1-2回で、合宿や遠征中は週に1回もレジスタンストレーニングができない時もあるという状況です。なので、いわゆる教科書的なペリオダイゼーション(筋肥大期→最大筋力期→筋パワー期→維持期)を無理やり当てはめるのはナンセンスです(そもそも持久系アスリートは筋肥大つまり体重増加を望まないから筋肥大期なんて設定しません)。

そんな事をしようとするのはS&Cコーチのエゴでしかありません。だから私はprogressive overloadというコンセプトを重視してトレーニングを計画し、前回よりも5kg重いウエイトを挙げるとか、前回よりも1レップ多く挙げるとかというシンプルなアプローチで取り組んでいます。

また、この持久系競技のアスリートに関しては、クイックリフトも取り入れていません。指導できる頻度が少ないので、正しいフォームを習得させるのが難しいと考え、ジャンプ系・メディシンボール系のエクササイズと基礎筋力を向上させるような基本的なエクササイズを組み合わせれば十分と判断したからです。

選手によってはジャンプ系・メディシンボール系のエクササイズさえも実施させずに基本的エクササイズにフォーカスして基礎筋力向上に専念する事もあります。特に筋力が弱くて関節弛緩性のあるアスリートにはこの後者のアプローチを取っています。このあたりの詳しい話はSPORTECセミナーでしたいと思います(詳しくはこちら)。

 

 

まとめ

まとまりのない文章になりましたが、とりあえず「自分のエゴでコーチングしちゃだめよ」っと自分を戒めたいと思います。

 

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