#80 ウエイトトレーニングセッション内におけるスピード・パワー系エクササイズを実施する順番

※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています

 

130803 F EA289 513

 

スピード・パワー系エクササイズを実施する順番

いわゆるスピード・パワー系エクササイズ(ジャンプ、メディシンボール投げ、クイックリフトetc)は、ウォームアップの後、ウエイトトレーニングセッションの一番最初に実施するのが良いと一般的には言われています。

なぜなら、これらのエクササイズは疲労が少なくフレッシュな状態で実施するのが重要だと考えられているからです。

実際に私自身がトレーニングプログラムを作る時は、スピード・パワー系エクササイズをトレーニングセッションの最初に持ってくるようにしています。

 

その一方で、「競技によっては疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力が重要な場合もあるから、時にはトレーニングセッションの最後に(疲労した状態で)スピード・パワー系エクササイズを実施する必要がある」という考え方も存在します。

この考えた方は一見「確かに一理あるな〜」と思いそうですが、深く考えてみるとイマイチ納得ができません。

実際に、私はトレーニングセッションの最後にスピード・パワー系エクササイズをやらせた事は今のところ一度もありません。

 

 

最後にスピード・パワー系エクササイズをやらせない理由

まず、「競技によっては疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力が重要な場合もある」という前半部分の主張は100%納得できます。確かにその通りです。

一方、だからといって「疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力」を向上させるためには疲労した状態でスピード・パワー系エクササイズを実施する必要がある、という後半部分の主張は全然納得がいきません。

じゃあ、マラソン選手のラストスパート能力を向上するためには、2時間くらい走ってからスピード・パワー系エクササイズを実施しないといけないのか?って話です。

 

以前のブログ記事で、長距離自転車選手がウエイトトレーニングを実施する事によりラストスパート能力を向上させたという論文を紹介しました。

この研究では、ウエイトトレーニングは普通の状態で行われたので、別にわざと疲労させた状態で実施されたわけではありません。

しかし、それでもトレーニングの結果、筋力が向上し、それに伴って疲労した状態でのスプリント能力もアップしたのです。

つまり、フレッシュな状態で実施したトレーニングの結果、疲労した状態でのスプリント能力を向上させる事が可能であることを示しているのです。

別に疲労した状態でトレーニングする必要はないのです。

 

ただし、この研究ではまったく同じウエイトトレーニングを疲労させた状態で実施させたグループと比較したわけではないので、「疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力」を向上させるにはフレッシュな状態でトレーニングを実施する方が疲労した状態でトレーニングを実施するよりも効果があるという結論には結びつきません。

今のところ私の知るかぎりでは、全く同一のウエイトトレーニングをフレッシュな状態で実施した被験者グループと疲労させた状態で実施した被験者グループを比較して、どちらのほうが「疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力」の向上に効果があるのかを調べた研究は存在しないので、この点に関して最終的な結論を述べる事はできません。

 

 

まとめ

以上のような考え方から、「疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力」を向上させるには疲労した状態でスピード・パワー系エクササイズを実施した方が効果があるという科学的データを見せられたり、その理由を論理的に十分納得できる形で説明をされるまでは、私はスピード・パワー系エクササイズをトレーニングセッションの最後にやらせる事はないでしょう。

私の現時点でのアプローチとしては、スピード・パワー系エクササイズはトレーニングセッションの最初のフレッシュな状態でやらせて、その後にストレングス系のエクササイズをやらせる。

そして、持久力はウエイトトレーニングとは別の持久力トレーニングセッションで向上させる。

そのように別々に筋力・筋パワーと持久力をトレーニングしてそれぞれを向上させた結果、「疲労した状態でスピードやパワーを発揮する能力」も自然とアップするという考えです。 

 

※もし記事がお役に立てたら、facebookで「いいね」を押したりtwitterでつぶやいたりして頂けるとうれしいです(^_^)