#29 ブログ紹介:体力向上+Transfer of Training Effectの例

公開日: : 最終更新日:2015/08/07 S&Cコーチとしての思考 , ,



Olympic Development Mens 100m Dash


前回のブログで、S&Cプログラムの成功(つまり競技力の向上)のためには以下の2つが重要と書きました。

  • トレーニングによる体力向上
  • Transfer of Training Effect

この考え方と同様のフィロソフィーに基づいて、直線スプリント能力向上のためのS&Cプログラムについて書いているブログ(英語)を見つけたので紹介します。

 

 

ブログの紹介

Linear Speed Progression

このブログでは、直線スプリント能力向上のために2つの要素をトレーニングするべきと述べています。その2つの要素とは:

  1. Lower Body Strength and Power
  2. Acceleration Mechanics/Force Transmission

 

です。1つ目の要素を向上するために、オリンピックリフティング、ケトルベルスイング、デッドリフト、リアフットエレベイテッドスプリットスクワット、シングルレッグデッドリフト、ヒップブリッジ、シングルレッグスクワット等のエクササイズを用いているようです。これらのエクササイズは特にスプリント動作に特異的(動きが似ている)というわけではないので、この1つ目の要素を向上するためには、下半身の筋力やパワーを向上させるために最適と考えられるエクササイズを用いる(スプリント動作との類似性とは関係なく)という姿勢が見て取れます。

そして、これらのエクササイズにより向上された筋力・筋パワーをスプリント動作にtransferするための(つまり上記2番目のカテゴリーに分類される)方法として、スレッドドリルやスプリントドリルを動画付きで紹介しています。

 

 

ブログ解説

このブログで紹介されている方法と私が前回書いたS&Cプログラムに関するフィロソフィーの似ている点として:

  • 「体力向上」と「向上された体力を競技動作そのものに転移する」という2段階でS&Cプログラムを考えているところ(つまり、体力向上が直接競技力向上に結びつくわけではないという考え方)
  • 「体力向上」を競技力向上に結びつけるための方法として、「体力向上」エクササイズ自体をスプリント動作に近づける(例:可動域を制限する)というアプローチは取らずに、「体力向上」のためのエクササイズ選択についてはスプリント動作とはある程度切り離して考えているところ 

が挙げられます。この考え方は私はとても重要だと考えているので、このブログを一読されることをオススメします。また、上記のS&Cフィロソフィーとは少し別のトピックも含まれてしまいますが、このブログで語られている以下のコメントも個人的には「その通り!!」と言いたくなる内容で参考になると思います。 

The bottom line is if you want to get faster you need to get strong, powerful legs. In addition to that it would be  beneficial if you actually practiced  sprinting. You should be sprinting for the sake of getting faster not getting tired. I’m talking about good quality reps with enough rest to ensure full effort. Run hard, rest, repeat.

特に後半で述べられている「スプリント練習の1本1本の質を重視し、レップ間の休憩は十分とる」という考え方は、こちらで紹介したオランダ人のサッカーコーチであるレイモンド・フェルハイエン氏の考え方とも一致していて興味深いです。

関連記事

#203 ベーシックエクササイズだけやってればいいのか?競技特異的なエクササイズをやらないでいいのか?

    月間トレーニング・ジャーナルの連載で、競技特異的なトレーニングについて記事を書きました(コ

記事を読む

#106 あえて競技特異的な(?)エクササイズを採用しないという選択

    競技特異性についてはこのブログで色々書いてきました。今日もそれに関連した議論をしたい

記事を読む

#72 矛盾:レジスタンストレーニング初心者がトレーニングを始める時

私が学生時代に抱いた疑問 私が大学生の時、スポーツ生理学やレジスタンストレーニング

記事を読む

#23 流行に惑わされず、本質を見極める

    何だが小難しいタイトルをつけてしまいました。前回のブログ更新後、このブログへの訪問数

記事を読む

#362 【論文レビュー】レッグプレスよりもスクワットのほうがジャンプパフォーマンス向上効果が高い

    久しぶりに論文レビューをします。      論文の内容 Wirth et a

記事を読む

no image

#31 S&Cコーチとしてのキャリアについて

突然ですが、S&Cコーチとしてご飯を食べていくのは難しいですね。そもそも、スポーツ業界で働い

記事を読む

#307 1RM Tableが必ずしも全てのエクササイズに当てはまらない理由の1つ:エクササイズの特性(自体重が負荷に含まれるか否か)

    S&C関連のテキストや書籍の多くに1RM Tableなるものが掲載してありま

記事を読む

#87 『Stress is additive』:持久系アスリートに対してレジスタンストレーニングを処方したり指導したりする時のフィロソフィー②

    前回の続きです。     第2条「Stress is additive」 な

記事を読む

#176 コーチやアスリートの本当の要望を聞き出すカウンセリング能力

    S&Cコーチとして、アスリートやコーチの意見や要望を聞くのは重要です。それを無視し

記事を読む

#386 トレーニングの役割・位置づけを理解するのに役立つブログ記事を紹介します

     ツイッターでもつぶやいたのですが 面白いブログ記事見つけた!【重要】専門的体力

記事を読む

  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

    • 1270今日の訪問者数:
    • 663昨日の訪問者数:
PAGE TOP ↑