#9 【セミナー報告】「サッカーのピリオダイゼーション」イントロダクションセミナー


 

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先日、「『サッカーのピリオダイゼーション』イントロダクションセミナー」に参加して来ました。オランダ人のコンディショニングコーチ兼サッカーコーチのレイモンド・フェルハイエン氏がサッカーにおけるコンディショニングの理論を紹介する講義形式(実技なし)のセミナーでした。参加費が1万円と少しお高めではありましたが、それだけ払う価値があったと言えるほど勉強になるセミナーでした。今まで参加したセミナーの中でもトップクラスの質だったと思います。

 

講義メモ

講義中に書いたメモの中からいくつか参考になった項目を紹介したいと思います。 

  • サッカーに必要な体力要素をサッカーの視点から分析することが重要(スポーツ科学や運動生理学の視点からサッカーを分析するのではない)
  • サッカーの言葉で話すことが重要(有酸素系、無酸素系、乳酸等の専門用語は極力使わないこと)
  • サッカーのスプリント走と陸上のスプリント走の違い(合図を待たずに相手より先にスタートできる、必ずしも相手と同じラインからスタートしないでもよい、相手の進路に入って妨害できる)
  • サッカーのスプリント走は外部からの刺激(例:ボールを追いかける、相手と競争する)があった方が早い→トレーニング中もただ走るのではなくボールや競争の要素を取り入れる
  • サッカーは強度(intensity)のスポーツであり、持久力(endurance)のスポーツではない
  • 1つ1つのトレーニングセッションの強度を上げることのほうが、1週間あたりのトレーニングセッション数(頻度)を上げることよりも重要
  • 4セッション@100%/週のほうが6セッション@80%/週よりもベター
  • プレ/オフシーズンの初期にフィジカルをメインにガシガシトレーニングすると、体力は急上昇するかもしれないが長続きしない(シーズン後半に失速する)し、怪我のリスクも上昇する
  • プレ/オフシーズンは徐々にフィジカルトレーニングを実施して体力を上げていくことにより、怪我のリスクを低下させ、コンディションもシーズン後半まで落ちないでキープすることが可能になる

特に強調していたのは「サッカーの視点から必要な体力要素を分析して、サッカーの言葉で話す」という事でした。要するに専門用語を使って難しい話されても訳わかんねーよって事で、これはサッカーに限らず、S&Cコーチとしてアスリートやコーチと話しをする時に必要なコミュニケーション能力だなーとしみじみと思いました。自分はこれができているだろうかと反省してみました。同じような事をMike Boyleも書いています(Learning to speak coach)。

トレーニングのプログラミングについても具体的な説明があり、非常に興味深かったです。特に、徐々にトレーニング強度や量を上げていく(progressionという言葉が適切かと思います)という考え方には共感を持ちました。最近はどのスポーツもオフシーズン初期にフィジカル中心(技術・戦術練習は少ししかしないORまったくしない)のハードなトレーニング期間を設けて、シーズンが近づいてきたら技術・戦術練習がメインに変わっていくのが一般的かと思います。個人的にはこのやり方はあまり好きではありません。その理由は、急激なトレーニング量の増加により怪我のリスクが高まる事、そんな短期間では急激に体力を向上させる事が難しいこと(体力向上には時間がかかる)、フィジカル中心の時期に技術練習を全くしないと技術が落ちる事(勘が鈍る)、短時間で向上させた体力はその後トレーニング量が減ると短時間で低下する可能性がある事等が挙げられます。レイモンド・フェルハイエン氏のように世界的にも実績があり経験もある方が同じような考え方をお持ちであると知って、自分の考えにさらに自信を持つことができました。

 

まとめ

現在、レイモンド・フェルハイエン氏の著書「サッカーのピリオダイゼーション」(オランダ語で出版)の日本語版の出版計画が進行中というお話だったので、詳しい内容はこちらを読んでみるのが良いのではと思います。出版計画の進行状況についてはこちらを定期的にチェックしてみるといいでしょう。

また、セミナーで通訳を務められた相良浩平さんのブログでもサッカーのピリオダイゼーションについての説明がされているので、興味のある人は読んでみて下さい。

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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