#133 ヒップフレクサーをストレッチする時はおなかとお尻に力を入れる

公開日: : 最終更新日:2016/08/25 可動域向上(SMR、モビリティ、ストレッチ)


 

ヒップフレクサーつまり股関節屈筋群をストレッチする時は、おなかとストレッチしている側のお尻に力を入れるようアスリートに指導しています。理由は主に2つあります。

 

ヒップフレクサ−のストレッチでおなかとお尻に力を入れる理由 

理由1:骨盤を後傾させてストレッチ強める

おなかとお尻の筋肉に力を入れる事によって骨盤が後傾し、ヒップフレクサーをよりストレッチさせる事が可能になります。

 

理由2:股関節前部の組織を伸ばしすぎない

おなかとお尻に力を入れずにヒップフレクサーをストレッチしようとして、股関節前部にストレッチ感を感じるまで伸ばすと、下の写真のような感じになります。

Sports training wrong hip flexor stretch

股関節に対して膝の位置がめちゃめちゃ後方に位置しているのがわかると思います。この状態で股関節前部に感じるストレッチ感は、ヒップフレクサー(つまり筋肉)が伸びているというよりも、股関節前部の靭帯や関節包などの組織が伸びている事から感じるものだと予想されます。これらの組織が伸びてしまうと股関節前部の安定性が低下して、股関節前部のつまり感etcに繋がる恐れがあります。また、そもそも狙ったもの(ヒップフレクサー)をストレッチできていない状態なので、不適切な方法だと考えられます。

逆に、しっかりとおなかとお尻に力を入れて骨盤を後傾させてストレッチをすると、下の写真のようになるはずです。

Sports training correct hip flexor stretch

1番目の写真と比べると膝の位置がかなり前方にある(ほぼ股関節の真下)のが分かると思います。普通の人だったら、おなかとお尻に力を入れて骨盤を後傾させていればこの状態でもしっかりとヒップフレクサーをストレッチさせる事が可能なはずです。

 

 

まとめ

ようするに、ヒップフレクサーをストレッチする時におなかとお尻に力を入れる事には「ストレッチUP」と「股関節前部の保護」という2つの利点があるという事です。

しかし、上記写真のような片膝立ちの体勢で片側のお尻だけに力を入れるのが苦手なアスリートが意外に多い印象を私は持っています。「お尻の筋群(特に大殿筋)のアクチベーション」と「ヒップフレクサーのストレッチ」は切っても切り離せない関係にあります。お尻にしっかりと力を入れてヒップフレクサーの柔軟性を向上させる事により、さらにお尻の筋群を使えるようになるという好循環を生み出すようにしたいものです。

写真:http://davidlasnier.com/2012/different-hip-flexor-stretches

 

※もし記事がお役に立てたり面白いと思って頂けたら、Facebookで「いいね 」を押したりTwitterでつぶやいたりして頂けるとうれしいです (^_^)

関連記事

#33 股関節前部のつまり感:Femoral Anterior Glide Syndrome

    フェンシングやバドミントンのように脚を前後に開いた状態でプレーするアスリートをトレー

記事を読む

#92 『Get Long, Get Strong』:持久系アスリートに対してレジスタンストレーニングを処方したり指導したりする時のフィロソフィー⑦

    あと2つ続きます。   第7条「Get Long, Get Strong」 は

記事を読む

#10 モビリティについて Part 1:定義と必要性

2008 Indianapolis Performance Enhancement Se

記事を読む

#11 モビリティについて Part 2:影響する要因「スティッフネス」

前回は「モビリティの定義」と「なぜモビリティが重要か」について書きました。今回からは「モ

記事を読む

no image

#34 ハードルモビリティドリルは好きだけど欠点もある事に気づいた

今日は短めの記事です。 股関節のモビリティはパフォーマンス向上や傷害予防という点で非常に重要で

記事を読む

#12 モビリティについて Part 3:影響する要因「筋の長さ」「運動制御・コーディネーション(motor control)」

前回は「モビリティに影響する要因」を3つご紹介しました。その3つとは スティッフネス

記事を読む

#44 体幹スタビリティの重要性をパチンコ(武器)の比喩で説明してみる

    一般的に、競技スポーツにおける体幹スタビリティの重要性はいろいろな形で説明されています。例

記事を読む

no image

#1 モビリティ動画の紹介

アスリートにとって重要な体力要素の一つがモビリティ。このモビリティを向上させるためのドリルを紹介して

記事を読む

#123 トレーニングは競技のためだけにすれば良いか?

    最近担当をするようになったアスリートの胸椎モビリティ(可動性)が不足していたので、モ

記事を読む

  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

    • 445今日の訪問者数:
    • 755昨日の訪問者数:
PAGE TOP ↑