#137 バスケ選手のジャンプ能力を向上するのはどっち?:ジャンプトレーニング vs ストレングストレーニング

公開日: : 最終更新日:2015/08/07 S&Cコーチとしての思考, 競技特異性


 

Emeka okafor dunks on tim duncan

 

今日はテレビでNBAのファイナル第6戦を観戦しました。久々に熱い試合でした。やっぱバスケは面白いわ!!

さて、バスケ選手はめっちゃ跳びます。身長2m前後の大男がビヨ~ンって跳ぶわけですからそりゃもう大迫力です。ま、よ~く観察するとダンカンとかはあんまり跳んでないのにダンクしたりリバウンドとったりしてますが・・・。

バスケ選手のジャンプ能力は生まれつきの素質というか遺伝の影響が大きいでしょうが、長年バスケをプレーしてたくさんジャンプを繰り返す事によってジャンプ動作における身体の効率的な動かし方を学習したという後天的な部分もあるでしょう。そんなバスケ選手のジャンプ力をさらに向上させるために、S&Cコーチとして何ができるでしょうか?

 

ジャンプトレーニング vs ストレングストレーニング

大雑把に2通りの考え方があると思います。

  1. プライオメトリクスを含むジャンプトレーニングをやりまくる
  2. ストレングストレーニングをして筋力UPを図る 

 

まず1はジャンプ力をUPさせるにはジャンプしなさいよって事です。スプリント力をUPさせるには走りなさいよって事に似ています。確かにジャンプをしないでジャンプ能力をUPさせるのは困難でしょう。でも、バスケ選手の場合はバスケの練習中や試合中にたくさんジャンプをしています。それなのにあえてウエイトルームでの貴重な時間を使ってジャンプトレーニングをさせる事は効率的なトレーニングと言えるのでしょうか?

「試合や練習でのジャンプは全力でのジャンプではないから、トレーニングとして別に全力でのジャンプを実施する事にはトレーニング効果がある」という主張もあるでしょう。一理あると思います。効果がゼロとは言いません。でも、その事によって期待できるジャンプ力UPの幅は小さいと思います。つまりこの方法によるジャンプ力UPの伸びシロが少ないという事です。

一方、2は一見ジャンプとは直結しないように思われるかもしれませんが、筋力を向上させる事によってジャンプ力UPに向けた「ポテンシャル」を拡大するという意味では、伸びシロが大きいと考えられます。ただし、筋力UPによりポテンシャルがUPしても、そのポテンシャルを使いこなす能力が伴わないとジャンプ力UPにつながらないし、逆にパフォーマンスが下がる可能性すらあります。この議論は過去にしているのでそちらをご覧ください。

#48 トレーニングによる筋力UPは、やり方によっては競技力UPにも競技力DOWNにもつながりますよって事をコンピューターシミュレーション研究の結果をもとに考えてみる

 

まとめ

ようするに、バスケ選手にジャンプトレーニングだけさせても大幅なジャンプ力UP期待できないよ。ストレングストレーニングをして筋力UPしたほうが伸びシロは大きいよ。その上で、ジャンプの練習もやればジャンプ力UPにつながる可能性大だよ。って事です。

ただ、筋力UPさせた上でその新しい筋肉を用いてジャンプするための練習をするという部分で、バスケの練習だけやってれば十分な練習になるのか、あるいは改めてウエイトルームでジャンプトレーニングをやる意味があるのかは議論のあるところでしょう。

 

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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