#151 【論文レビュー】ストレングストレーニングがラン&自転車の持久力パフォーマンスを向上する

 

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持久系アスリートがストレングストレーニングを導入しているケースはまだまだ少ないと思われますが、私は個人的に強くオススメします。

昨年は、「持久系アスリートに対するレジスタンストレーニング」と題して、セミナーでお話もさせて頂きました。その時に使ったプレゼンスライドはコチラからご覧いただけます。また、その時のプレゼンの内容の一部については、このブログでも説明済みです(12345678)。

特に、まだあまり他のアスリートがストレングストレーニングをやっていない今のうちに取り入れておけば、差をつける事ができるはずです。

S&Cトレーニングが最も貢献できる競技は?

 

そんな持久系アスリートがストレングストレーニングを実施する事による効果についての過去の研究をまとめたレビュー論文を今日は紹介します。

 

 

研究(レビュー)内容 

Ronnestad and Mujika. (2014) Optimizing strength training for running and cycling endurance performance: A review. Scand J Med Sci Sports 24(4): 603-12.

 

このレビューでは、持久系アスリートが高重量ストレングストレーニング(1-15RM)または爆発的ストレングストレーニング(0-60% 1RM、コンセントリック局面を爆発的に実施)を実施する効果についてまとめています。詳しい内容については、PDFファイルを手に入れて読んでみてください。

ここでは内容をリスト形式で簡単にまとめます。

  • 自転車の持久力向上には、爆発的ストレングストレーニングよりも高重量ストレングストレーニングのほうが好ましい
  • ランの持久力向上には、爆発的ストレングストレーニングと高重量ストレングストレーニングのどちらも効果がある
  • ただし、最近の研究成果によると、ランにおいても高重量ストレングストレーニングのほうが好ましい事を示すデータが出てきつつある
  • しかし、両者のトレーニングを組み合わせるとそれぞれの効果を補完しあう事ができるので、ランの持久力向上には両者の組み合わせがオススメ
  • 持久系アスリートがストレングストレーニングを取り入れる事によるポジティブな効果(科学的な裏付けがあるもの)→運動効率UP、無酸素能力UP、乳酸閾値UP、疲労の低減or遅延、最大筋力UP、RFD(力の立ち上げ率)UP、最大スピードUP、持久系パフォーマンスUP
  • 持久系アスリートがストレングストレーニングを取り入れる事によるネガティブな効果として、体重増加、VO2max低下、酸素拡散距離増加、毛細血管減少、有酸素酵素活動低下etcがよく挙げられるが、それらを科学的に裏付ける証拠はない
  • 持久系アスリートはオフシーズンの準備期においてはストレングストレーニングを週2回実施し、シーズン中には週1回実施して筋力の維持を図る事がオススメ

 

 

まとめ

このレビュー論文では、ランと自転車という運動様式について過去の研究をまとめていますが、スキークロスカントリー等の他の運動様式においても、ストレングストレーニングの導入が持久系パフォーマンスUPにつながると私は信じていますし、科学的にそれを裏付けるデータもいくつかあります。ただし、運動様式によって最も効果のあるトレーニング方法が異なる可能性があるというのは非常に興味深い点で、トレーニングプログラムを考えるうえで考慮する必要があるかもしれません。

しかし、持久系アスリートの多くは、競技においてはトップレベルであっても、ストレングストレーニングに関してはビギナーレベルのアスリートがほとんどなので、最初はあまり複雑なトレーニングプログラムを処方しようとせずに、基礎的なトレーニングをエクササイズテクニックを重視しながら地道にコツコツと実施するのが適切かつ効率的だと思います。

 

 

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【編集後記】

ハンガリー出張から帰国しました。時差ボケがひどく、夜なかなか眠れません。西回り(日本→ヨーロッパ)の移動は時差ボケがそれほどキツくないのですが、東回り(ヨーロッパ→日本)の移動は時差ボケがキツいです。私の経験上、時差ボケ解消にちょうど1週間かかります。夜早く寝るために運動してみたりお酒を飲んでみたりがんばって色々と努力しようが、何をしようが、きっちり1週間というのは変わらないようです。