#254 RFDを「力の立ち上がり速度」と呼んじゃダメ

公開日: : 最終更新日:2017/01/13 バイオメカニクス


 

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RFDとは? 

Rate of force development (RFD)という言葉があります。

S&C業界では一般的に「力を素早く立ち上げる能力」のことを指します。爆発的筋力と呼ばれることもあります。

一方、バイオメカニクス的に単純に考えると「単位時間あたりの力の変化量」と考えることができます。

 

 

RFDの正しい和訳は?

今回主張したいのはRFDを「力の立ち上がり速度」と和訳するのは間違っているという点です。

速度というのはm/sという単位で表される変数です。一方、RFDはN/sで表される変数です。単位がそもそも違うのですから、両者はまったく別物です。

よくRFDについての説明で使われる上のような図は、アイソメトリックに力を発揮した時の力の変化を示しています。アイソメトリックでは速度はゼロです。でもRFDはゼロではありません。だからRFDを速度と和訳するのは完全に間違いです。

ではRFDをなんと和訳すればいいのでしょうか?

最近よく見かけるのは「力の立ち上がり率」という表現です。これなら納得できます。

でも個人的にはRFDは英語でそのままRFDと呼べばイイじゃんと思います。日本語で説明する必要がある時だけ「力の立ち上がり率」と言えばいいのではないでしょうか?

 

私見でした。

 

 

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【編集後記】

2泊5日のブラジル出張から帰国しました。現地での日程もハードで、非常に厳しい出張でした。これだけ移動が長時間だと、リオ五輪においては、事前の時差調整が非常に重要になってくると感じました。もちろん、時差うんぬん言う以前の問題として、適切なコンディション調整が重要なのは言うまでもありません(コレとか)。

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Comment

  1. 坂上達夫 より:

    初めまして。
    春から大学で陸上競技の短距離をします。
    浅はかな知識で申し訳ないのですが、今回の記事のテーマが以前から気になっていたものでしたので質問させて頂きます。

    以前、RFDやパワーを向上させるためには、ウエイトトレーニングの挙上重量を上げるだけでなく、挙上スピードを速くすることが重要で挙上スピードを上げることを意識することを促す趣旨のサイトを拝見したのですが、私としては安定したフォーム無理のないスピードでしっかりと筋肉を意識し最大筋力を強化することをウエイトトレーニングでは考え、技術練習でその筋力を競技で扱えるものに変換させたいと思っているのですが、河森さんでしたらウエイトトレーニングの挙上スピードを上げる事を意識することをどのように考えますか。また、RFDを上げる?トレーニングがありましたら教えて頂けませんか。

  2. Naoki Kawamori より:

    坂上さん

    トレーニング中の速度については、月刊トレーニング・ジャーナルの2014年10月号の記事で私の考え方を書いたので、そちらを読んでみてください。

    RFDを上げるトレーニングについては、S&Cの専門家に指導をしてもらうことをオススメします。それが無理なら、今やられているトレーニングを継続するのが安全です。

  3. 坂上達夫 より:

    河森さん

    月刊トレーニングジャーナル10月号拝読しました。
    エキセントリック動作とコンセントリック動作で分けるというのが、自分にとってはすごく新鮮で、エキセントリック・コンセントリックやSSCなどについて自分が全然理解していないことに気がつき、もっと詳しく調べようと思いました。
    これを機に、月刊トレーニングジャーナルを定期購読しようと思います。

    RFDをあげるトレーニングについては、大学にS&Cコーチがいるらしいので、その方に聞いてみます。

    お忙しい中、丁寧なご回答ありがとうございました。

  4. Naoki Kawamori より:

    坂上さん

    月刊トレーニングジャーナルでの私と甲谷さんの連載は終了しましたが、他にも参考になる情報がたくさん掲載されているのでおススメです。コーチングクリニックも同様におススメです。

  5. 坂上達夫 より:

    河森さん

    オススメの雑誌を教えて下さりありがとうございます。
    コーチングクリニック、本屋や図書館で探してみます。

  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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