#273 「運動」と「トレーニング」の違い

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Personal trainer assessing a client s goals and needs as they write a fitness programme

 

以前、AthleteBody.jpというサイトにレジスタンストレーニング「漸進性過負荷の原則」というタイトルでゲスト記事を書きました。

その中の一部を再利用して、タイトルにもある「運動」と「トレーニング」の違いについて考えてみたいと思います。

 

 

「運動」と「トレーニング」

たまに民間フィットネスジム等で毎回同じエクササイズを同じ重さで同じ回数だけ実施している人を見かけることがあります。

「あの人、1年前とまったく同じことをしているな〜。ある意味スゴイな〜。」なんて思いながら横目で眺めたりするのですが、残念ながら、この人のやっていることには漸進性が欠けています。

だから、そのようなことを続けていても、筋力等が大きく向上することは望めません。

 

ま〜、ジムに来て楽しく身体を動かして汗を流し、その後にビールを美味しく飲むことが目的であるのなら、それでも良いのでしょう。

しかし、この場合、この人がやっているのは「運動」であって「トレーニング」ではないのです。

 

「運動」は身体を動かすこと自体が目的であり、楽しく身体を動かして一時的に気持ちよくなるのであれば、それはそれでまったく問題ありません。

私もそれを否定するつもりは一切ありません。

効果の有る無しなんて気にしないで、その運動をやりたいかどうか、楽しめるかどうかで、決めればいいんです。

 

一方、「トレーニング」は一時的な目的を達成するための「運動」とは異なり、中・長期的な目的である体力向上を達成するためのプロセスです。

トレーニングにおいては、身体を動かすことはあくまでも手段であり、目的ではないのです。

 

運動をするのであれば、まったく同じエクササイズをまったく同じ重さでまったく同じ回数だけ実施し続けても構いません。

しかし、筋肥大や筋力・爆発的パワー向上といった中・長期的な目的を達成するためには、「漸進性の原則」に従って計画的にトレーニングを行うことが必要です。

 

 

まとめ

アスリートが競技練習以外にトレーニングをやる場合、それをやること自体が目的なのではなく、あくまでも体力向上や傷害リスク低減という目的を達するための手段にすぎないはずです。

なので、S&Cコーチやパーソナルトレーナーにトレーニング指導を依頼する場合、「◯◯トレーニング(◯◯エクササイズ)を教えて下さい」という形で、手段を指定するのはオススメしません。

「試合の後半でバテやすいので改善したい」とか「競技中のこの技術を向上させたいけど、パワーが不足しているので向上させたい」という感じで、トレーニングをやる目的を競技者の視点から伝えるのが良いと思います。

優秀なS&Cコーチやパーソナルトレーナーであれば、アスリートの話を聞いたうえで、その目的を達成するためにベストの手段を選択してくれるはずです。

 

 

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