#273 「運動」と「トレーニング」の違い

公開日: : 最終更新日:2015/08/07 S&Cコーチとしての思考, コーチング


 

Personal trainer assessing a client s goals and needs as they write a fitness programme

 

以前、AthleteBody.jpというサイトにレジスタンストレーニング「漸進性過負荷の原則」というタイトルでゲスト記事を書きました。その中の一部を再利用して、タイトルにもある「運動」と「トレーニング」の違いについて考えてみたいと思います。

 

「運動」と「トレーニング」

たまに民間フィットネスジム等で毎回同じエクササイズを同じ重さで同じ回数だけ実施している人を見かけることがあります。「あの人、1年前とまったく同じことをしているな〜。ある意味スゴイな〜。」なんて思いながら横目で眺めたりするのですが、この人のやっていることには漸進性が欠けているのです。だから、そのようなことを続けていても、筋力等が大きく向上することは望めません。

ま〜、ジムに来て楽しく身体を動かして汗を流し、その後にビールを美味しく飲むことが目的であるのなら、それでも良いのでしょう。しかし、この場合、この人がやっているのは「運動」であって「トレーニング」ではないのです。

運動は身体を動かすこと自体が目的であり、楽しく身体を動かして一時的に気持ちよくなるのであれば、それはそれでまったく問題ありません。私もそれを否定するつもりは一切ありません。効果の有る無しなんて気にしないで、その運動をやりたいかどうか、楽しめるかどうかで、決めればいいんです。

一方、トレーニングは一時的な目的を達成するための運動とは異なり、中・長期的な目的(例:筋肥大、筋力・筋パワー向上)を達成するためのプロセスです。トレーニングにおいては、身体を動かすことはあくまでも手段であり、目的ではないのです。

運動をするのであれば、まったく同じエクササイズをまったく同じ重さでまったく同じ回数だけ実施し続けても構いませんが、筋肥大や筋力・筋パワー向上といった中・長期的な目的を達成するためには、「漸進性の原則」に従って計画的にトレーニングを行うことが必要なのです。

 

まとめ

アスリートが競技以外のトレーニングをやる場合、それをやること自体が目的なのではなく、あくまでも体力向上や傷害リスク低減という目的を達するための手段にすぎないはずです。

なので、S&Cコーチやパーソナルトレーナーにトレーニング指導を依頼する場合、「◯◯トレーニング(◯◯エクササイズ)を教えて下さい」という形で、手段を指定するのはオススメしません。「試合の後半でバテやすいので改善したい」とか「競技中のこの技術を向上させたいけど、パワーが不足しているので向上させたい」という感じで、トレーニングをやる目的を競技者の視点から伝えるのが良いと思います。

優秀なS&Cコーチやパーソナルトレーナーであれば、アスリートの話を聞いたうえで、その目的を達成するためにベストの手段を選択してくれるはずです。

 

 

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Comment

  1. 岸晃輔 より:

    はじめまして。

    主に埼玉で、S&Cやパーソナルトレーナーとして活動しております、岸と申します。

    まだ直接お会いしたことがありませんが、このブログではいつも勉強させて頂いてます。
    記事を読み返す度に、自分はまだまだ至らぬ点ばかりなことを思い知らされますが(苦笑)、いつも更新を心待ちにしています。

    セミナーや勉強会など、いつかお会いできる日を楽しみにしています。
    その際は、ご指導よろしくお願いします。

    ※今回の記事、Facebookでシェアさせて頂きます

    岸晃輔

  2. Naoki Kawamori より:

    岸さん

    コメントありがとうございます。
    どうぞシェアしてください。

  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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