#567 ウエイトトレーニングをやったほうが「身体が動く」「痛みが消える」という経験をするアスリートがいます

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Jesper aggergaard 539134 unsplash

 

ウエイトトレーニングのメリット vs. デメリット

ウエイトトレーニングを実施すると、中・長期的には筋力・柔軟性・爆発的パワー等が向上するメリットがあります。

その一方で、短期的に見ると、疲労の蓄積や筋肉痛といったデメリットがあります。

そうした中・長期的メリットと短期的デメリットを予想して天秤にかけながら、どのタイミングでどの程度の量・強度でウエイトトレーニングを実施するのかを決めていきます。

もちろん、競技の練習や試合のスケジュールも考慮に入れます。

 

しかし、最近は、ウエイトトレーニングを実施することによる「短期的メリット」もあるのではないかと考えるようになりました。

そのように考え始めたキッカケは、私が担当している複数のアスリートが、ウエイトトレーニングをやったほうが「身体が動く」「痛みが消える」というポジティブな効果を訴えてきたことでした。

さらには、そうしたアスリートの治療やケアを担当しているトレーナーの方からも、ウエイトトレーニングをやったあとのほうが身体の状態が良いという意見をいただくことがありました。

 

 

ウエイトトレーニングをやったほうが「身体が動く」「痛みが消える」!?

勝つことを目標とする競技スポーツは、基本的に身体に悪いです。

健康的な行為ではありません。

左右非対称な動きも多いし、同じ動きを何度も繰り返すことによって特定の関節や筋肉にストレスがかかることも多いです。

» 参考:【アスリート向け】アスリートの皆さんには「競技スポーツは身体に悪い」「アスリートは一般人よりも風邪をひきやすい」という認識をぜひ持ってもらいたいです

 

したがって、競技の練習だけをしていると、身体の特定の部位に過剰なストレスがかかり、特に練習量が増える時期なんかは痛みが出たりする場合があります(もちろん個人差がありますが)。

そういう場合に、ウエイトトレーニングを実施すると

  • 競技中にはなかなか使わないような大きな可動域で関節を動かす
  • 競技中には意識して動員することが難しい筋群(例:臀筋群、肩甲骨周り)に刺激を入れる

といったことができるので、それが「身体が動く」「痛みが消える」といったポジティブな効果に繋がることがあるのかもしれません。

 

逆に、合宿や遠征等でトレーニング環境のないところに滞在していたり、試合スケジュールが立て込んだり等の理由で、ウエイトトレーニングをまったく実施できない時期に、身体の動きが悪くなったり痛みが出てきたりするアスリートもいます。

そういうアスリートは、基本的にウエイトトレーニングをやったほうが「身体が動く」「痛みが消える」と訴えるアスリートと重複する印象があります。

もちろん、たまたま疲労がたまる時期とウエイトトレーニングをやっていない時期が重なっただけかもしれないので、痛み等が出た原因を「ウエイトトレーニングをやらなかったこと」と断定することはできません。

また、そのような状況で、ウエイトトレーニングを実施して身体に刺激を入れておくことができていたら、痛みが出なかったとも言い切れません。

 

したがって、ウエイトトレーニングを実施すると「身体が動く」「痛みが消える」という短期的メリットがあるというのは可能性の話であって、現時点では仮説にすぎません。

それでも、私の中では、そういうことはあり得るという確信に近いものが固まりつつありますが・・・。

また、そのような恩恵を受けることができるかどうかは、個人差も大きいような印象があります。

もともと身体の使い方に変な癖がなかったり、柔軟性にも問題がなかったり、痛みが出ることもないようなアスリートの場合は、ウエイトトレーニングの短期的メリットを実感することは難しいかもしれません。

 

 

「身体が動く」「痛みが消える」に繋げるための前提条件

私の仮説が正しかったとしても、ウエイトトレーニングを実施すれば必ず「身体が動く」「痛みが消える」というメリットに繋がるわけではありません。

そのようなメリットを得るためには、それなりの前提条件が存在すると私は考えます。

その前提条件とは

  • 適切なフォームで実施する
  • 適切な量・強度・頻度で実施する

というものです。

適切なフォームとは、大きな可動域を使い、エキセントリック局面はしっかりコントロールして、狙った筋群を使うような動きで、関節へのストレスを最小限に抑えるようなものです。

「とりあえずなんでもいいから、より重いバーベルを持ち挙げよう」なんてフォームでやったら、逆に痛みに繋がってしまうリスクがあります。

また、適切なフォームでトレーニングをしていても、強度・量・頻度etcが過剰であれば、疲労や筋肉痛といったマイナス面が大きくなり、「身体が動く」「痛みが消える」といったプラスを感じることが難しくなります。

 

 

まとめ

今回は、私がこれまでのトレーニング指導の経験をもとに立てた仮説をシェアしました。

私の仮説が正しいとすると、重要な試合に向けてのテーパリングのやり方に影響を及ぼす可能性があります。

具体的に言うと、重要な試合の何日前に最後のウエイトトレーニングを実施するかというタイミングが変わる可能性があります。

拙著「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」をお読みになった方はわかると思いますが、重要な試合の数日前にウエイトトレーニングを実施したとしても、フィットネが大きく向上することは期待できない一方で、疲労が急激に溜まってしまうリスクは大きいです。

したがって、普通に考えると重要な試合の数日前にウエイトトレーニングを実施する必要性は低いということになるわけです。

しかし、もし、「身体が動く」「痛みが消える」という短期的なメリットを利用することで、重要な試合の当日のパフォーマンスUPに繋がる可能性があるのであれば、かなり直前までウエイトトレーニングをやることもアリということになります。

もちろん、やりすぎたらマイナス面が大きくなりすぎてしまうので、トレーニング量の調整は必要です。

また、そのような戦略が有効かどうかは、個人差も大きいと考えられます。

ひとつのアイデア、可能性として捉えていただければ。

 

※試合の直前にウエイトトレーニングをやることでパフォーマンス向上を図る手法としては「resistance priming」と呼ばれるものも存在します。電子書籍で解説しているので、興味のある方はクリックしてみてください↓

 

 

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【編集後記】

今日は国保健康診査を受けました。

地元の市からお知らせが来て、無料で受けられるということなので利用してみました。

血圧は105/75くらいだったので、このデータを使って、「非喫煙優良体型プラン」の格安生命保険に加入しようと思います。

チューリッヒ生命のやつです。